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しばらくして、馬車が止まった。そこは、小さな村だった。
「ここが魔女のいた村?」
そこには、小さな家が7軒ほど建っていて、小さなお店が、二つほどあった。
「驚いたな~、前来た時は、一軒しか家が無くて、地面もひび割れていたのに、ずいぶん復興したな」
キャイルがそう言うと、サグナもうなずく。
「あっ、いつどやの」
おばあさんがいた。
「ああ、あんたらかい?」
おばあさんは、うれしそうにそう言った。
「息子さんと娘さんはどうなりました?」
「三人ほど戻って来たよ、私の家族は、十人家族だから、まだ半分さ」
「そうですか」
キャイルはニコニコ笑ってそう言う。
「魔女がいた所に、何か残っていませんでしたか?」
「一冊だけ、ハーブの本があったね、見るかい?」
「はい」
おばあさんの出した本は、魔女が薬を作っていた時に使っていた物の様だった。
「近くの図書館にも同じ物があるらしいが、私は見てないから何とも言えないね、比べてみるのも良いかも知れないね」
「ありがとうございます。この一冊でも、何も無いよりはいいでしょう、きっと何かには役立つでしょう」
「そうかい、お前達の役に立てるとはうれしいね」
おばあさんは、笑ってそう言った。
「ありがとうございます」
キャイルも笑った。
そして、村を見て回った。
「雨が降るようになったからね、植物も育ってくれているよ」
若い男の人がそう言って、草を抜いている。城のあるところは、今は、寒いが、この地方は、今から暖かくなるようだ。草花が芽吹いている。
「よかったですね」
ララがそう言うと、男の人は、うれしそうに。
「君みたいなかわいい子にほめられるとうれしいね」
「そうですか、私ってかわいいですか」
上機嫌でそう言って歩くララ。
「そっちのおじさんも頑張ってますね~」
ララは気分が良さそうにそう言っている。
「ララ、帰るぞ」
キャイルにそう言われて、馬車の所まで、一緒に行った。
キャイルは何だか少しだけイライラしているように見える。
「どうしたのですか?」
「しっと」
「しっと? それは、どういう意味ですか?」
「内緒、サグナ、次行くぞ」
そう言うと、馬車は走り出した。次の目的地はコルンだ。まあまあ都会なので、色々なお店があると聞いた。




