とある日、目の前で起こった出来事
ぼくのかんがえたさいきょうののうりょくを小説にしてみました。テーマはアンチテーゼみたいな。
目を覚ますと真っ暗な世界が広がっている。
どこだここ?さっきまで寝ていたはず。瞬きをしても明るさが変わらない。夢をみているのかと思い、いろいろと試したが夢じゃないと実感した。何度か夢を見ているが。夢の中では例え変なことが起きても疑問に思わず行動していると知っているからだ。目が覚めてから、あれは夢で変な夢だったというのが分かる。
「目を覚ましたか。クラウディスよ。」
声をした方に目を向けると上半身裸で下半身黒タイツのおっさんが立っていた。見て分かる通り関わってはいけないタイプだ。目も合わせられない。
「すみません。人違いです。いてっ」
その場から立ち去ろうとしたが見えない壁に遮られて鼻をぶつけた。
「何処へ行くのだ。クラウディウス。」
目の前に来たよくわからんおっさんは右膝を突きだし、手を後ろで組むというよくわからんポーズを続けている。
「すみません。本当に人違いです。」
「そんなわけないではないか。ここにいるのは私とクラウディウスの二人しかいないのに間違えるわけがない。」
半裸の変態は俺の顔をじっと見つめている。
「貴様は誰だ?」
「お前が誰だよ!?」
「クラウディウスをどこにやった?」
「知らないよ!お前が俺をここに連れてきたんじゃないのか!?」
おっさん二人の言い争いは見ていて気分の良いものではなかった。どちらも唾が飛び散りあって、もしも絵に描くのを頼むならば相当の覚悟が必要である。こんなのを描くのならば、ツイッターで「今日、電車の中でいちゃいちゃしていたJKを見た」という嘘の絵をつぶやく方がまだ救われる人がいるぶんましである。
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おっさんと俺は話し合いを行った。どうやら、クラウディウスと俺は瓜二つのようだ。勘違いでこの場所に呼んでしまったらしい。
「それなら早く元の場所に返してよ。」
「それなんだが、元の世界におまえを返すと頭がイかれた状態になってしまうがよいか?」
「は?よくねえよ。普通の状態で返せよ。」
その後の話を聞くと、この場所へ呼ぶのは簡単だが返すとなると脳への負担が大きくなり、元の世界へ返った頃には話が出来なくなってしまうらしい。
「じゃあ、俺はこれから目の前の半裸のおっさんと死ぬまで過ごさなきゃいけないのか?」
ごめんこうむる。おい、なんか鋭い武器を出せ。今すぐ目の前のおっさんを殺して俺も死ぬ。
「まあまあ、落ち着きなさい。元の世界には戻せないけど、違う世界へなら大丈夫だ。君への負担が一番少ない世界は石と森の世界だな。そこならば、君は王者になることが出来るよ。」
「石と森の世界?ほかに特徴は」
「石と森しかない。」
「石と森しかない?俺はお前の中で、石と森があれば喜ぶと思っているの?わーいまあるい石ころだ。やったぜ。ってなると思っているのか?」
おい、なんか殺傷生高い武器出せ。この目の前のふざけたおっさんを殺すから。
「王者になれるよ?特に努力も必要なしに。」
「イヤだよ!話し相手がいない世界で一人で過ごしたら、それこそ頭がイかれてしまうわ!」
「それもそうか。ならばもう一つの世界しか残っていないがいいか?」
「どういう世界なんだよ。今度は山と川しかない世界か?」
だったら、もう武器なんかいらねえ。今すぐチョークスリーパーホールドして息の根を止める!
「いや、人がいる世界だが、人以外もたくさんいる。結構危ない世界だ。」
「そこでいいよ。人がいて話が出来るなら。というかそこしかないじゃん。」
「私が送るの嫌なんだが、元々クラウディウスを送る予定だったし、君を送ってもすぐ死んじゃいそう。」
「送った先で俺が死ぬとおまえに否があるの?」
どうやら、その世界は様々な神が代表者を送り世界への影響を競いあっているらしい。そこで送った奴が役に立たないと神としての威厳が損なわれ力が弱くなるらしい。
つーか、この半裸のおっさん神なのか。俺は今でもお笑い芸人だと思っているんだけど。
「まあ、仕方ない。とりあえず死なずに生き延びてくれ。特に期待しないから。あと、神の代理人としてその世界でボーナスがつくから。」
「どんなボーナス?」
「私にもわからん。」
どうやら、その世界で判別方法があり、ここではわからないとのこと。その説明が遅かったら、その防御力の低いボディに一発入れるところだった。
「それじゃあ、送るぞ。」
そういった瞬間、目の前が一瞬で変わった。そこは暗い森の中であった。