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9/10

女の子

「ああもう!何でそんなに水希はうざいのよ!」

「そうだよ、早く金を稼いで出て行ってくれ!」


この家に住む早川水希は、毎日父と母に虐待を受けていた。


「うう………ごめんなさい……」


そして水希が、十四歳になった頃。

夜薄っぺらい布団で寝ていると、枕元に光るものが現れた。


「…!誰!?」

水希が驚きの声をあげた。


「静かに。親にバレたらやばいだろ?」

「…誰ですか…?」


「僕は、君の願いを叶えに来たただの男さ」

「はあ?あなた本当に願いを叶えられるの?」


「ああ」

「なら、私の両親を殺してよ!」


すると、その男はふっと笑い、

「いいよ、明日にはいなくなっているだろうから」


そう言い、消えてしまった。


「……どうせ夢だろう」

そのまま水希は、再び深い眠りについた。


次の日。

目を覚ました水希は、階段を降りて両親がいなくなっているか確認をした。


(なんだ、いるじゃない。やっぱり夢だったんだ)

そしてやはり今日も、水希は両親から虐待を受けた。


その日の夜、水希がいつものように寝ていると、枕元に昨日のやつが来た。


水希はバッと起き上がると、

「何でお母さんたちが死んでないのよ!」


するとそいつは、

「本当に君の願いを叶えたよ。だって君の願いは両親を殺してほしいだろ?」

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