女の子
「ああもう!何でそんなに水希はうざいのよ!」
「そうだよ、早く金を稼いで出て行ってくれ!」
この家に住む早川水希は、毎日父と母に虐待を受けていた。
「うう………ごめんなさい……」
そして水希が、十四歳になった頃。
夜薄っぺらい布団で寝ていると、枕元に光るものが現れた。
「…!誰!?」
水希が驚きの声をあげた。
「静かに。親にバレたらやばいだろ?」
「…誰ですか…?」
「僕は、君の願いを叶えに来たただの男さ」
「はあ?あなた本当に願いを叶えられるの?」
「ああ」
「なら、私の両親を殺してよ!」
すると、その男はふっと笑い、
「いいよ、明日にはいなくなっているだろうから」
そう言い、消えてしまった。
「……どうせ夢だろう」
そのまま水希は、再び深い眠りについた。
次の日。
目を覚ました水希は、階段を降りて両親がいなくなっているか確認をした。
(なんだ、いるじゃない。やっぱり夢だったんだ)
そしてやはり今日も、水希は両親から虐待を受けた。
その日の夜、水希がいつものように寝ていると、枕元に昨日のやつが来た。
水希はバッと起き上がると、
「何でお母さんたちが死んでないのよ!」
するとそいつは、
「本当に君の願いを叶えたよ。だって君の願いは両親を殺してほしいだろ?」