赤い部屋
ある日の放課後。
クラスメイトと残って、話をしていた時だった。
「なあ岡本。赤い部屋っていう広告知ってるか?」
「なんだよそれ」
「それがなあ、"あなたは知っていますか"っていうのが出てくるらしいんだが、その広告を消すと誰かに殺されるそうなんだ」
「誰かにって誰だよ。広告消したぐらいで死ぬとかありえないし」
俺は呆れて、教室から出て行った。
家に着くと、クラスメイトに聞いた赤い部屋という広告が気になってパソコンを開いた。
だがいつまで待ってもその広告は出てこない。
「ちっ。時間の無駄だった」
少し切れながら、文句を言うとそれを見計らったかのように、赤い広告が出てきた。
「なんだよこれ。"あなたは知っていますか"?」
もしかしたらクラスメイトの言っていたものかもしれない。
「くだらないな。試しに広告を消してみよう」
カチッと、右上のバツじるしを押す。
だが何も起こらない。
「やっぱり嘘だったんだ」
次の瞬間、パソコンの画面が赤くなった。
「え?」
振り向くとそこには、自分の部屋に自分の姿がくっきりと浮かんでいた。
「なんだよこれ!」
バッと後ろを見る。
何もない。
だが後ろのパソコンには、自分の姿が浮かんでいる。
「そうだ!パソコンの電源を……」
急いでパソコンの電源を消そうとするが、体が動かなくなっている。
「!?」
パソコンの画面を急いで見る。
そこには、体を不自然に固まらせている自分の姿がある。
「おい!誰か!」
叫んでも叫んでも誰も応答しない。
いきなり後ろから声が聞こえた。
「私が助けてあげようか?」
次の日。
「ねえ知ってる?昨日岡本君が首を切って死んでいたらしいよ」
「え?なんで?」
「知らない。でも、岡本君の部屋は血で真っ赤に染まっていたらしいよ」