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あいちてるー!(心の叫び)  作者:
やっとはじまる本編
9/26

「ミー、こち! しょかいすゆ!」


 『智美』は言いにくかったのか(言えてなかったけど)愛称で呼ばれる事になったようだ。

 こいこいと手招かれリーファスの横に立った私は、今居るのが朝礼台の上のような、他より高い場所なのだと気付いた。

 そして、そこから下に目を向け


「!?」


 ビクッ!


 思わず肩が跳ねた。

 リーファスと同じ二頭身の可愛らしい天使達が、つま先立ちしながらじぃっとこちらを見上げている……のは、まだ良い。愛らしさにちょっと怯んだけど、まぁ、セーフとしよう。

 問題は、天使たちの後ろにずらーっと並んでいる人々だ。


(えええ!? 何で平伏されてるのー!?)


 皆一様に跪き、頭を垂れているんだが、何事だろうか。

 目を丸くしている私を安心させるように、リーファスは力強く頷いた(勢いあまってちょっとよろめいた)。


「みな、ミーかんげいちてゆ!」


(斬新な歓迎のしかたですね! えええと? どうすれば良いのこれ)


「あの、皆さん……」


 ザッ!


(ひっ!? いいい一斉にこっち見たー!)


 その素早い反応と異様な迫力に、再びビクッとなった。何これ何この状況!?


「……お世話になります、ね」


「「はい! タニシマトモミ様に快くお過ごし頂けるよう、我等全力をもって……!」」


「そんな大げさにかまえなくて良いですから! 普通にして下さい普通に!」


 反応が何だか色々過剰で不安になる。助けを求めてリーファースを見るが


「きょは、もーねゆ。あちた、あないすゆね」


 はふっと大きなあくびをしつつ、眠そうに目をこすっている。

 この異様な光景を、全く疑問に思っていないようだ。だとすると、ココではこれが普通なのかもしれない。

 ……異世界の文化に馴染むには、時間がかかりそうだ。


(ちょっと高皇産霊さーん! これ多少の不自由どころじゃないー!)



 リーファスの言葉を受けて、跪く人々の中から素早く二人が進み出てきた。


「「失礼致します」」


 そう言って、それぞれリーファスと私をひょいっと抱え上げ……


(ん?)


 違和感に首をかしげながら、上を見た。

 アーチ型の天井と、私を腕に抱えているお兄さんの顔が見える。


(んん?)


 優しげに細められた目元から視線をそらし、今度は下を見る。

 綺麗に磨かれた大理石と思われる床に、お兄さんに抱えられた自分の姿が映りこんでいた。


 ・・・・・・。


(私、縮んだなぁ)


 仮の体は、二頭身でした。

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