表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あいちてるー!(心の叫び)  作者:
無駄に長いプロローグ
3/26

とある神様の歓喜

神皇産霊神(カミムスビノカミ):日本神話の神様


天地開闢テンチカイビャクの時、天之御中主神アメノミナカヌシノカミ高皇産霊神タカミムスビノカミに続いて出現したといわれている。

 私は愛されている。

 この世に存在する全てのものが私を愛し、また、私も同じように愛している。


 愛するものに囲まれて過ごせるというのは、なんて幸せなんだろう!

 今までずっとずっと我慢してきたから、すっごく嬉しい! 皆、大好きだー!

 あわわ、嬉しすぎてうっかり光っちゃった!

 まずいまずい、私がここに居るってばれちゃうじゃないか!

 せっかくこっそり抜け出して来たのに。あー、戻ったら高皇産霊タカミムスビに説教されるだろうな……

 でもさ、私って今まで天界から降りたことなかったんだよ?

 他の神とか、結構ちょくちょく下界に顔出してるのにさ。ずるいよね。私も行きたいって言っても高皇産霊が止めてくるし……仕事があるだろとか、造化三神の品格がどうこうとか、二言目には「天之御中主神アメノミナカヌシノカミ様だって我慢してるんだぞ!」ってさ。

 天之御中主神様を引き合いに出すのは卑怯だと思わない?

 高天原タカマガハラのトップだよ?

 あの方が降臨なさるってよっぽどだし。まぁ、それでも一応そう言われたら引き下がるしかないからさ、我慢してたんだよ。


 だけどもう限界! ちょっとぐらいなら良いじゃないか!


 って事で、こっそり下界に降りて来ちゃった。

 いやー大変だったよ、他の神の目を盗んでここまで来るのは。

 今だって居場所がばれないように必死に神気抑えてるしね。もう、ここまで来たらしばらく帰らないよ私! やっと下界に来れて、愛する子供達に囲まれるのが予想以上に幸せだって気付いちゃったから! 皆も私を愛してくれるし!

 いや、私ってば創造の神だからさ。

 産みの親ってことで、無条件の愛を注いでくれちゃうんだよね! 役得役得!


 あ、でも、一人だけちょっと反応が違う子が居るんだ。

 谷島智美タニシマトモミちゃんって名前なんだけど……


 だいたいの子って、私と目が合うと満面の笑顔で駆け寄ってきてくれるんだよ。

 もう、その愛されてるーって感じが嬉しくて思わず抱きしめちゃったりしてるんだけど、智美ちゃんは目が合った瞬間、もう、おもいっきり嫌そうな顔するんだよね!

(目が合った嬉しさを顔に出さないように歯を食いしばって耐えているだけです)

 すぐ顔そらすし、そもそもあんまり私の方見ないし、近づいてもこないし。

(好きすぎて、視界に入ってるだけで平静が保てない為。近づくなんて無理無理無理)

 あぁ、これ嫌われてるんだって気づいた時は、本当に驚いたよ。

(むしろ大好きです。他の人と同様に貴方を愛してます)

 正直今まで、私って愛されるのが当たり前みたいに思ってたから。

 いや、おごってる訳じゃなくて、実際本当に愛されてるし。何と言ってもほら、神だし。

 嫌われるなんて初体験だったんだ。

 本当、衝撃が走ったね。


 うわぁ、何その反応新鮮! って!


 いやー、新しい感覚って言うか。冷たくされるのが嬉しいなんて、初めて知ったよ。

 二年生になってクラスが分かれちゃった時は本当に残念だったな。一緒のクラスにしてって頼んでおくんだった。

 私の残念気分に合わせて気温が下がっちゃって、うっかり春なのに真冬ばりに冷え込ませちゃったもの。


 だから、久しぶりに智美ちゃんの姿を見たときは、本当に嬉しかった!

 うん、嬉しくて、ね、うん……あああ本当にごめんなさい!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ