第二章 第三話 「いい日旅立ちのち雨」
こんにちは、もしくはこんばんわ^^
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もう感謝の涙で前が見えない 笑
毎度お馴染み 獅子竹 鋸 です\('v')/
で、第三話ですが、いつも以上に短くなってしまったorz
それでは第三章 第三話、とくとご賞味あれ!!
――――チチチチ、チッチッ、チチチチチチ――――
「……………ん、もう朝か……」
いつもより少し早い時間帯。私はまどろみの余韻に浸りつつ、窓枠にとまっている小鳥たちのさえずりに耳を傾けた。
窓の外には朝もやの白い世界が広がり、東からはぼんやりとした優しい光が昇る。
こうしてまた、南半球の朝が始まる。
朝もやが晴れるより前に身支度を整えた私たちは、この貸家の大家――ジャンヌの"親父さん"に挨拶をし、ジャンとの待ち合わせ場所である商業区の正門へと向かった。
ジャンヌも、親父さんも泣かなかった。
朝もやが晴れると、今度は強烈な日差しが無数に並ぶ白壁へと降りそそぐ。
熱がこもらないように建設された、この街特有の涼しい風が大通りを抜ける。
仕事の旅とはいえ、ふつふつと沸いてくる軽やかな気分に嘘はつけない。
浮ついていると言えなくもなかった。
まもなく正門に差し掛かると、二頭立ての一般的にはキャラバンの部類に入る中型馬車と、その傍らに眼鏡の商人を見つけた。
ふと轅の先に大人しくじっとしている栗毛色の二頭の馬に視線をずらす。その二頭はおそらくばん馬、あるいは重馬の一種で、体格が良く、サラブレットよりもふた周りほど筋肉が発達していた。その図体に似合わず毛並みは非常に滑らかで、手入れが良く行き届いている事がわかった。
御者台で読書に興じていたジャンは、挨拶のため馬車から降りる。
「おはようございます、リィゲルさん。時間通りですね」
「おはようございます。これからの旅路、よろしくお願いします。こちらの皆が、私のパーティです」
「ブリュンヒルデです。よろしくお願いします」
「レイアだ、道中の安全は我らが保障しよう」
「ジャンヌだよ、ヨロシク」
三人それぞれに簡単な自己紹介を済ませる。
「これはこれはご丁寧に。こちらこそ、よろしくお願いしますよ。いやぁ、それにしても皆さんお美しくいらっしゃる。此度の旅、実に楽しみですね」
「いえ、それほどでも……」
「世辞はいいよ」
「滅相もない皆さんほどの女性はそうそういませんよ。よろしければ、皆さんにぴったりの宝石を見繕いますよ」
「依頼したハンターにまで商売とは、見上げたものだ」
「あははは、いやいや、これもばれてしまいましたか。リィゲルさんもですが、レイア殿もなかなか手ごわいですね」
「当然だ。しかし商人としては良い心構えだ。これでも褒めているつもりだが?」
「おや、これはまた一本取られましたね。油断のならない御仁ばかりだ。だげど、だからこそ貴方たちなら本当に道中は安心ですね」
「恐れ入ります」
「では、そろそろ出発しましょうか。どうぞ荷台に乗って下さい。荷物は空いたスペースにおいていただければ結構ですよ」
「それじゃあ、」
「「「行きましょうか(こうか)」」」
最初の街、ソロンでの最後の一日が、こうして終わった。
――――――――――――――――――――――――――――
――――ザァァァァァァァァァァ……、ゴロゴロゴロ…………――――
正午をやや過ぎ、テレネ運河沿いをひた進む馬車に雨粒が当たっては弾け、当たっては弾けを繰り返し、時折轟く雷鳴が馬を驚かす。
荷台を覆うほろに塗りこまれた乾性油は、雨を完全に防いでいた。のだが――――、
「みんな……」
「ええ」
「……」
「フン」
――――襲撃者の足音まで消すことはなかった。
「ジャン、速度を上げて下さい。追いつかれます」
「ブルファンゴかい?」
「ええ、どうやら群れにかち合ってしまったみたいですね」
「そいつは大変、早速仕事して貰いましょうかね」
「任せてください。馬車には一匹たりとも近付けさせませんよ」
――"ブルファンゴ"――数多く存在するモンスターの中でも比較的小さな部類に入るモンスターだが、それでも野生のイノシシよりも一回り大きく、上あごに生えた長い大きな角でもって突進してくるのが特徴である。
一匹一匹ならばさほど脅威ではないものの、群れの場合は油断できない。
特に今回は7匹もいた。
「ざっと見て7匹。後続がいない事を祈るよ」
「ヒルダとジャンヌは荷台に残ってくれ。私とレイアが出る」
「わかりました。気を付けてくださいね」
「任されたよ」
「よし。レイアっ、行くぞ!」
「ああ、ついにこれを使うときがきたようだ!」
そう言ってレイアは先日の謎の籠手を両手にはめた。しかし布が巻かれているため、その正体はまだ見えない。
「……昨日の籠手か。いったいそれは何なんだ?」
「ふふふ、あせる出ないぞ、主よ。これぞ我がために作られた得物と言っても過言ではないのだ」
「まあ、レイアがそう思うのなら否定はしないが……。戦えるのか?」
「誰に向かって問うている?」
「ならいい。それじゃあ、行こうか」
「もとより承知!」
言い切るやいなや、荷台から後ろに向かって勢い良く飛び出した私とレイアは、馬車に追いすがるブルファンゴの群れの前に立ちはだかった。
突然馬車から現れた二人の人間に警戒し、7メートル手前で一旦止まるブルファンゴたち。だが――――、
「これの初めての獲物にはあまりに物足りぬが、まあいい。貴様ら、この刃のさびになる事を悦ぶがいい!!」
――――レイアはその腕にまとった布を剥ぎ取って駆け出していた。
レイアの手に装備されていた籠手とは、いたってわかりやすいものだった。
肘から手の甲までを守るガントレットの、手首の付け根より少し後ろに、刃渡り40センチ弱の鉤爪が4本付いているだけなのである。
「……ひとつ……」
鬼気迫るレイアに対応しきれず、通り抜けざまに右手の鉤爪が下から柔らかい腹を切り裂かれ、激しい血しぶきと共に門どおり打って死亡。
「……ふたつ……」
突進の構えをしようとするが間に合わず、今度は左手の鉤爪が一匹目と同じく腹部を切り裂かれ絶命。
「……みっつ……」
突進をかけるがレイアはふっと飛び上がり、空中で振り返りつつ左右から十字斬り。
「……よっつ……」
着地のタイミングにあわせた突進だったが、レイアはしゃがんだ態勢で両腕を前に突き出し、勢いあまったブルファンゴは自ら8本の鉤爪に頭から刺し貫かれて生命活動を完全に停止した。
そして――――、
「五匹目からは、私の仕事だ!」
怒りに我を忘れた五匹目のブルファンゴがレイアに突進するも、フルスイングのハルバートによって、胴体を分断された。
――――残り、二匹――――
「ハアアアアァァァァァァッッッッ!」
頭上より、遠心力を乗せた振り下しが六匹目の脳天に直撃し、頭蓋はもとより頭部を縦に割られた。
「「ヤァァァァァァッッッッッッッッ!!」」
深くしゃがんだ状態からのハルバートによる突き。
高く跳びあがってからの落下エネルギーの全てをつぎ込んだ鉤爪の突き。
最後の生贄は、計9本の刃に貫かれ、倒れ伏した。
所要時間、18秒の殺陣だった。
「……ふっ、あっけないものだな」
「私たちならば、この程度は造作もないが、レイア、突出しすぎだよ」
しかし、連携が取れているかどうかは、いまいち怪しい所である。
――――――――――――――――――――――――――――――
「あ、リィゲル、レイア。二人とも怪我はありませんか?」
馬車は私たちが戦ったところからおよそ500メートル行った場所に停まっていて、私とレイアが近くまで来ると、ヒルダが若干心配そうな顔をして、水をはじく布を頭からかぶって近付いてきた。
「ああ、怪我はないよ。大丈夫だ」
「当たり前だろう。あんな小童ども相手に怪我などする方がどうかしている」
「どちらかと言えば恍惚とした表情で飛び出していったレイアの方が心配だったのですが……」ヒソヒソ
「……まあ、確かにな」ヒソヒソ
「む、なんだ二人して。我の顔に何か付いているのか?」
「「いや(いえ)、何でもない(ありません)」」
「そうか、ならよい」
「それより、早く荷台に入ろう。びしょぬれままでは風邪を引いてしまう」
「それもそうだな」
そうして二人はすごすごと荷台に入っていった。
と言っても馬車の中で服が乾かせるはずもなく、スコールがやむまで冷たく濡れそぼった服を着続けた二人であった。
「「ヘックショイッッ!」」
……………………相変わらず戦闘描写がヘタすぐる orz
もうちょっと巧く書きたいなあ;;
はい、と言うわけでリィゲル君たちのお見送り部隊であるブルファンゴ君たちはあっさりと返り討ちにあっちゃいましたねw
あっさりしすぎて面白くない気がしてきた (゜ε゜)/~
ご意見・ご感想・お叱りどしどしご応募くださいw
挿絵とか、描いてくれたりしないかなあ (ワクワク ドキドキ
それでは、この辺で締めくくりたいと思いま~す^^
次回も乞うご期待!!!!