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第九話 「冷笑の男」

 ★祝★ PV24,000 ユニーク3,200 達成\(●^o^●)ノシ


 本当に、まじで嬉しいっすよ。みんな;; こんなにたくさんの人に読んでもらえるなんて……吾輩、感動ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

 

 何千何万もの作品の中で、あなた方の目にとまったのは、まさに奇跡としか言いようがありません。本当に、ありがとうございます(^O^)/


 わたくしも、みなさんのご期待に添えるように、若輩者ながら、精進させていただきます><


 リィゲルとそして彼を支えるいろんなキャラクターと共に、この作品を、このファンタジア・フロンティア!という世界を完成へと近づけていきたいと思います^^

 

 ということで、第九話、とくとご賞味あれww

 挿絵(By みてみん)




 カラカラン…………――――――――。


 乾いた音を立てて足元に転がった短い矢。弓で撃つには適さないその矢は、紛れもなく、ボウガンのそれであった。


 「リィゲルっ!」


 未知の敵からの襲来に、ヒルダは右手に細剣レイピア、左手にコンポジット・ボウ《合成弓》を構えて私の背に付く。レイアとジャンヌも互いに背を預けて得物を構えた。


 そして、私たちの防備が固まった途端、待っていたとばかりに四方八方から矢が襲ってきた。


 迎撃開始。


 私はハルバートを左右交互に素早く回転させ、一本、また一本と確実に矢をはたき落していった。中にはボウ・ガンだけでなく、長弓の長い矢も混じっているようだった。ある矢は半ばで折れ、ある矢は矢じりが取れた状態で足元に落ちていく。


 一本たりとも私に届くことはない。いな、ヒルダには当てさせない。と言ってもヒルダの正面から襲い来る矢はどうしてもヒルダ自信に防いでもらうより他はなかった。そして、レイアやジャンヌについても不安がよぎったが、全てが杞憂だった。


 2本の長短の矢が、ヒルダの前に躍り出る。


 やはり弓よりも威力を持ったボウ・ガンの矢が、先にヒルダに到達しようと迫る。

 

 が――――。

 

 「――――甘いっ……!」


 ヒルダはそれを細剣を左肩から右へ向かって剣腹で叩きつけるように落とし、間をおかず飛来してきた長い矢を細剣を持った右手で掴み、膝立ちの姿勢でコンポジット・ボウを水平にして逆に弓を放ってきた何者かに返した。ギャッ、という声が二つ聞こえた。


 そう、ヒルダの放った矢は一人目を貫通し、その後ろの二人目にも命中していたのである。


 二人の射手を潰したことによって出来た隙をヒルダは逃さない。

 

 すぐさま腰の矢筒から矢を抜き取り、森の中に放っていく。


 攻守の逆転。


 レイア、ジャンヌは流れの変化を読み取り、リィゲルに加わってヒルダの援護に徹する。


 ヒルダが矢を放つごとに断末魔が上がり、それに伴ってこちらに飛んでくる矢が減っていく。


 そして、最後の一本が、レイアの顎にとらえられ、バキンッという音を立てて崩れ去った。


 これで、敵性勢力の遠距離攻撃力はそがれた。


 現に、矢の応酬が止んだ途端静かになった。


 私たち4人は、臨戦態勢のまま、見えざる敵の次なる行動を待つ。


 緊張からか蒸し暑さからか、汗が体中を伝う。聞こえるのは不変の河のせせらぎと、密林に潜む動植物のささやきのみ。終わりのない我慢比べに、ハルバートのグリップが手汗で濡れる。そしてついに痺れを切らしたジャンヌが森へ向かって叫ぶ。


 「――――いつまでそうやって隠れてるつもりだい? この臆病者どもめっ! 用があるならさっさと出ておいでっ!!!」


 その挑発は、そのまま虚空に消えていくと思いきや、男のしゃがれた嘲るような笑い声で返された。


 「――――フフフ、フハハハハハッ。ハッハッハハハハ…………――――――――」


 「……誰だ!?……」


 私たちが見つめる先、その森の入り口から出てきたのは、左腕のない一人の壮年の男だった。歳はおよそ50代、狩りあげられた白髪、肌の色は白人、見える限りのおびただしい傷跡……。


 この男は、紛れもなく手練れ《てだれ》だ!!


 「――――全く、俺たちの仕事場に邪魔者が紛れこんだと思って試してみりゃ、とんだ獲物だな……。これほどの手合いは随分と久しい……。殺しがいのある奴らだ。何者なにもんだ、お前ら」


 男は不敵な笑みを顔に張り付けたまま、こちらに近づいてくる。一見すると武装は背中に背負っている両手剣と腰に差したナイフだけだが、構えてすらいないと言うのに隙がなかった。


 「――――名を聞きたければ先に名乗るのがならいだろう」


 ぶしつけな態度が頭に来たのか、レイアがくってかかる。


 その一瞬、男の口調と眼力が変わった。


 「黙れこのメス竜が、竜風情が人間様の言葉しゃべってんじゃねぇよ」


 「――――なんっ、だとっっっ…………!!」


 「っっっっっ!!!!」


 正体を見破られた驚きと、プライドを激しく傷つけられた憤りからレイアは押し殺したような怒気を放ったが、私たちは声にならない驚きをしていた。


 「はっ、お前らのその顔はどうして分かったってところか……。だろうな。自分では完全に隠し切れているつもりなんだろうけどよ。そのくっせぇ臭いは俺みてえな奴にはごまかせねぇんだよ、メス竜……」


 男は若干口調を戻しつつ、一方的にさらに続けた。


 「ふんっ、まあいい。お前らに免じて特別に名乗ってやるとしよう。元アルヴィダ連邦軍の猛将 スティリヴィリーニ・ポポーヴィッチだ」

 

 「っ! ポポーヴィッチ、だって……!?」


 男の――――ポポーヴィッチという言葉を聞いた途端、ジャンヌは思い当たる節があるらしく驚愕している。私はこの男の情報を知るため、確認をとる。 


 「……知っているのか?」


 ジャンヌ「…………ああ。――――――――ここ数年、この国で活動している、盗賊・暗殺ギルドの元締め――殺戮の冷笑――ポポーヴィッチ将軍………………だよ」


 ぽつぽつと説明するジャンヌ。その表情から真意を汲み取ることはできなかったが、少なくとも、今のジャンヌの心は大いに乱れているに違いない。心なしか彼女の剣先が震えているようにも見えた。


 ポポーヴィッチ「――――ハハハハ、……そうも呼ばれるな。だが今はそんなことはどうでもいい。死に逝く者が今更何を知ろうが何をしてようが、俺には一切関係ないからな。というわけだ、諸君――――」


 そう言ってパチンッと指を鳴らしたポポーヴィッチ。すると森の中からぞろぞろと彼の部下とおぼしき者たちが、ぱっと見まわしただけでも200人以上は出てきた。全員が全員例にもれず、各々武装している。長剣、短剣、曲刀、槍、短槍、手斧、戦斧、ダガー、槌などなど……。正直この人数を相手取るのは分が悪い。

 

 彼らは少しずつ、けれども確実に私達との距離を縮めてきていた。


 しかしながら、その包囲網はあと2mと言ったところで止まった。


 「――――本来ならば俺はお前たちを始末して終わりだが、……ふむ、まだ殺してしまうのは惜しい。実に惜しい。……お前たちはまだ力を蓄えるのだろう? こんなところで、観客も舞台もないこんな場所で平らげちまうのは実にもったいない。そうは思わないか?」


 舐めるような視線が私たちを見まわす。本能的とも言える悪寒が全身を走るが、何とかこらえることが出来た。


 「…………一体どうするつもりだ」


 「まあまあそう邪険にするな。実際、俺のここでの仕事はもう終わってる。それに、顔は見られたが、……それくらい不確定要素があった方が面白いだろう? だから、今回は俺たちは何もせずにさっさと移動する。追ってくるなら別だがな」


 「…………」

 

 「……ふっ、そうだよなぁ。今のお前らじゃ、俺たち全員をぶっ殺すことなんざできねぇよなぁ……」


 「……くっ!…………」


 「……と、言うわけだ。あばよ。せいぜい次は俺たちに出くわさないように神様にでも祈っとくんだな……」


 そう言って引き揚げていく彼らを、私はただ睨むことしかできない。あの男に勝てる自信がない。今の私には、斬れない……。


 「――――リィゲル、おいリィゲル!いいのかい?あいつらを追わなくて!?」


 「……リィゲル…………」


 ヒルダとジャンヌが私を見つめて指示を乞うてくる。しかし私は――――。


 「…………みな、武器を下げてくれ。ソロンに戻ろう……」


 撤退を示した……。


 「……分かりました」


 しぶしぶと言った感じがありながら、ヒルダも思うところがあるのか私の言う事を聞いてくれた。それに対してジャンヌはやはり激昂する。


 「んなっ!おいリィゲル、あんたそれでいいのかい!?あんな極悪人を見逃して!?あんたはそれでも――――」


 「――――やめろ、ジャンヌ。一番悔しいのはリィゲルだ。敵う相手じゃないんだよ。今の段階ではな。それはおぬしも分かってはいるのだろう?ジャンヌ」


 「っっっ!分かってるよ!確かにあの男はとてつもなく強い。だけど――――」


 「――――おぬしがあのポポーヴィッチとかいう男について、そこまでこだわる理由はあえて聞かない。我とて、竜族としての誇りと尊厳を踏みにじられたのだ。出来るものなら、今すぐにでも彼奴きゃつの四肢を引きちぎってしまいたいくらいだ。だがな、今の我でも、あれに勝てる自信がないのだよ」


 「………………………………」


 「………………………………」


 「………………………………」


 そう、あの男――――スティリヴィリーニ・ポポーヴィッチは分かる範囲だけでも、かなり強い。流石にレイアすら敵うかどうか分からないというのは予想外だったが、つまるところ、今の私たちでは太刀打ち出来ないのである。


 あの化け物のような威圧感。本能的な恐怖を覚えざるを得なかった。


 そして私たちは、悔しさに打ちひしがれながら、ソロンへの帰途へ着くのだった。 


 


 どうでしたでしょうか?


 上には上がいる的な感じを出したかったのですが、ちょっと無理があったかな?とか思ってたりもしてますw


 このポポーヴィッチですが、正直自分でもこいつのこと意味不明だったり……><


 まあ、なんとか書きあげた感が前面に出てきちゃった気がするなぁ。


 ってなわけで、第九話「冷笑の男」でした^^


 ご意見・ご感想・ご指摘、いつでもどしどしお送りください><

 なるべくパソコンはチェックしますので!


 あと、リオレイアさん感想ありがとうございました^^この場を借りてもう一度お礼をばさせていただきますですw


 ではみなさんそろそろ私は睡魔に首を狩られそうなので、マイベッドに緊急回避したいと思うんだw


 さ~て次回も、サ~ビスサ~ビスゥッww


 なんちって、次回も乞うご期待!!!

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