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「死地」

 はじめまして、獅子竹 鋸です^^ 初投稿で自信ないのですが、なにとぞ! なにとぞ!! はい、わたしうっとうしいですね、自重しますw

        


挿絵(By みてみん)




             ――――――ズドーーン、ズーン、……ズドドーーーン――――

 鳴り止まない砲声、などとありふれた表現しか思いつけなかない。耳に入ってくるのは砲声だけ。銃声、悲鳴、怒号のいずれもない。そこにあるのはただ一方的な攻撃――――――――虐殺――――――――。


 降り注ぐ砲弾の雨、大小様々な殺意は鉄槌となって我々を裁く……                   

 土は穿たれ、砲片は舞い、業火は吹き、人は狩られる。


 この場において、死とは救済であり、慈悲であり、甘美なる誘いだ。


 生きている限り、我々はこの「死の雨」に晒され、いずれ潰える。


 


 ――――望むらくは、死の救済を。願わくば、戦乙女の選定を――――


 ――――来るべき最終戦争ラグナロクに赴く神の一兵卒とならんことを――――



 リィゲル「……みんな、聞いてくれ……」


 俯いて祈りを捧げていた部下たちが顔を上げる。皆生気がなく、ひたすらに虚無感に打ちひしがれていた。恐怖はずいぶん前に通り越し、諦めと無情感が地下塹壕に蔓延していた。


 リィゲル「今さらだと思うが、私は諸君らに謝りたい。すまなかった。私は、諸君らの命を預かる指揮官でありながら、結局は諸君らを死地へと追いやることになってしまった。まもなくここ、ベルリンは陥落する。この砲撃がやめば、ソ連軍は大挙して進撃を開始することだろう。急降下爆撃機ヤーボは我々を嬲り、戦車は我々を踏みつぶし、歩兵は我々を血肉へと変え、なおも収まることをしらない矛先は、我々が守るべき市民を屠らんとするだろう。私は、一ドイツ軍人として、彼らを守らねばならない。しかし、できることならば、諸君らをも守りたかった。諸君らを本来の日常へと導きたかった。諸君らには、未来の担い手になってもらいたかった!…………私とともに、この地獄にとどまってくれたことを心より感謝する。私は、諸君らの知っている通り未熟で、浅はかだ。だがしかし、一つだけ。図々しい願いではあるが、私は諸君らに望みたい。共に立ち、共に戦い、最後の一兵になろうとも、敵の前に立ち塞がり、未来のための――未来が輝ける栄光のもとにあらんための礎とならんことを!私は諸君らに死を望む。地に伏し、骸を晒すことを望む。爆炎に身を焦がし、敵弾に倒れることを望む。ゆえに、私は諸君らの死神となろう。諸君らの命をもって、敵を冥界へと誘おう。そして――」


 私はそこで語をとめ、部下たちを見た。北アフリカより常に共にあった、自慢の戦友たちの顔を一人ずつ目に焼き付けていく。ハインツ、ホートマン、ディミトリ、プレーニー、ハンス、ベーケ、ザイドリッツ――――――一人ずつ、その名とともに心に刻みつける。


 

 リィゲル「――そして、私は諸君らに今一度問いたい。私と共にここにあり、ここで戦い、ここで死に、天に召されることを良しとするのか?」 

 

 砲撃の音が止んだ。間を置かず、突撃の笛の音と鬨の声が響く。ソ連軍の進撃が開始された。

 

 リィゲル「……それでもなお異存なき者は、ただ一言をもって答えよ!」


 軍靴の音が木霊する。何千、何万という殺意の軍勢が大地を揺らす。



 ――されど、生を諦めた我々にその音は届かない。一人の部下が、右手に持つモーゼルkar98k(ライフル)を高く掲げた。するとまた別の部下がパンツァーシュレック(対戦車ロケット砲)を頭の上に掲げた。そうして、全員が各々の武器を天に向かって突き出し、こう叫んだ。

 


 兵士一同「「「「「「「おおおおおおお!!!!!」」」」」」


      

 と。


 リィゲル「……諸君、ヴァルハラで会おう……」


 ――――1945年五月7日、独立対戦車猟隊の生き残り約30名はこの日、ベルリン市から逃げ遅れた市民たちを逃すため、殿しんがりを――決して撤退することのできない盾としての役目を、果たした。






 その隊長と思われる遺体の傍らに、一枚の純白の羽が落ちていたのは、誰も知らない。











 プロローグ短っw 次話 戦乙女登場 注:レナス様ではありません!

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