第十一話 さらなる進化
「グルアアア!」
ドオオォン
ひとまずあの棍棒をどうにかしないと避けることしかできない。
避けることはできるが、倒すこともできない。
だけども俺は見た。
ホブゴブリンが守るゴブリンたちの恐れながら怒りに満ちた目を。
同族を殺した俺を恨んでいる。
少し心苦しく思ったが、それよりも俺はチャンスだと思った。
ホブゴブリンも怒りに満ちた目。
しかし戦う理由は怒りだけではない。
未だ残っている同族たちを守る意志だ。
俺はホブゴブリンを空間の入口に誘導。
いかにも追い詰められていっているように動く。
相手に俺の狙いがわからないように。
そして来た。大ぶりの横薙ぎ。それは最初に見た。
次は叩きつけだろ。
棍棒を上段に構えた瞬間、可能な限り体を小さく変形し、ゴブリンの集団に走り出す。
空中に飛び上がり、角腕を振りかぶる。
「グルアアア!」
後方から声。それと同時に《生存本能》が頭の中で鳴り響く。
飛行をやめ、地面に降り立つと、頭上を棍棒が通り過ぎる。
よし。手放したな、棍棒を。
「グウウウゥ!」
待てとばかりに息を荒く、赤い目を迸らせている。
はじめとは位置関係が逆になったな。
「ガアッ!」
棍棒を取りにか、ゴブリンたちを守りにかはわからないが、両手を突き出しながら走ってくる。
近寄らせない。
トカゲ腕を突き出して火を放つ。
ホブゴブリンは少し怯んだが、両手を重ねて防御。
しかし火傷を負った。
さすがにただのゴブリンよりも火への耐性も高いようだが、効果的なことには変わりない。
怯んでいる間に後ろに回りこみ、もう一度火を放つ。
背中に直撃。さらなる火傷。
だけどこれで終わりだとは思っていない。
「グルァァァァ!」
振り返りながら必死の横薙ぎ。
これを待ってた!
飛んで避け、顔に取り付く。
じゃあな。
トカゲの再現だ。
口内に向けて。
ボウン!
内部から黒焦げだ。
しかし撃破ログが出ていない。
動いていないが、油断は禁物だ。
角腕でとどめを刺す。
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ホブゴブリンを撃破しました。
経験値を獲得します。
経験値が規定量に達しました。
レベルアップします。
レベルが9→10に上昇しました。
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ん?この気配は・・・・・
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進化条件を確認。
種族の進化が可能です。
進化を行います。
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前の時よりもさらに強い痛みと熱。
それと同時にやってくる更なる力が手に入る感覚。
それはしばらく続いた。
以前よりも長く。
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種族の更新を行いました。
未分類下等魔物→未分類下位魔物
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熱が引かない。
前はこれで終わりだったはず。
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スキルの獲得を行います。
スキル《内包》を獲得しました。
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熱が引いた。
スキルの確認はあとだ。
この場にはまだ敵がいる。
ゴブリンたちの方を見ると、なんとも力のない目をしている。
無理もない。この場でいちばん強い自分たちを守ってくれる存在が倒されたのだから。
戦意も喪失している。
こうなれば、俺にできることは一つ。
苦しませずに殺すことだけだ。




