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第一話 目が覚めたら、最弱でした。

この作品を手に取っていただき、ありがとうございます。

数ある物語の中から本作を選んでいただけたこと、心より感謝いたします。

どうかお楽しみいただけますように。

目を覚まして、俺は気付いた。


からだ⋯⋯ない⋯⋯


正確に言うと、ないわけじゃない。

あるにはある。だけどーーーぷにぷに?とぼんやり?が共存しているような感じだ。


視界はやけに暗く、あたりは岩肌剥き出し。

湿った空気と、どこか生臭い匂い。


ここ⋯⋯どこ⋯⋯?


そう思った瞬間、視界の端に半透明の文字が浮かんだ。


ーーーーーーーー

種族:未分類最下等魔物

レベル:1

ーーーーーーーー


ふえ⋯⋯


一瞬、フリーズした。

いや、マジ?


ちょっと待て待て。未分類?最下等?


多分俺、角にぶつかったら死ぬタイプの生命じゃない?


ゆっくり自分の体を見下ろす。性格には意識を向ける。

そこにあったのは、手足のない小さな半透明の塊。


スライム⋯⋯ですらないのか?


未分類最下等魔物だもんな。字面で受け取ったら分類するまでもないような下等ってことなんだろう。


その時。


ズズ⋯⋯という音とともに暗闇の奥から何かが動いた。


赤い目。

牙。

どう考えても俺より”強そう”。


ーーーーーーーー

ゴブリン(幼体)


レベル:3

ーーーーーーーー


詰んだな。


心の底から、そう思った。


俺は名前もついていない存在でレベル1。

相手はレベル3。

計算するまでもなく、俺が勝てる要素は一つもない。


いや、待て。待て待て待て⋯⋯


ここで死んだら文字通り終わりだ。

何がなんだかわからないうちから死ぬなんて嫌だ。


ーーー動け。

ーーー隠れろ。

ーーー生きろ。


俺はプルプルと体を震わせながら、岩陰へと必死に移動した。


⋯⋯生き残ってやる。


最弱でも。

下等でも。

この世界で生き延びてやる。


心のなかで涙を流しながらそう誓った瞬間、新しい文字が浮かんだ。


ーーーーーーーー

スキル《生存本能》を獲得しました。

ーーーーーーーー


⋯⋯お?


ほんの少しだけ、希望が見えた気がした。

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