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私の推しは北方の白銀王子  作者: 美雪


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6.南の森の遺跡



 出発日。


「兄上もストレス解消で行く」


 国王代理になったせいで書類仕事が増え、ヴァリウス様の不機嫌率が増えた。


 側近のアレクサンダー様も苦労が続いているので、ストレス解消のために行くらしい。


 でも、二人は魔物を討伐したいので、私のお守りはしてくれない。


 アルード様はルクレシアとべったりしたいので、カーライト様とネイサンをつけてくれることになった。


 二人はすでに騎士の実力を持っているけれど、急な昇進は妬まれるのでまだ騎士見習い。


要人護衛の訓練ということで来るらしい。


 これで役者が揃った感はあるけれど、ゲームのことを話せるのはルクレシアだけ。


 なので、どうやって古代の術式がある場所に行くかが問題。


 ルクレシアとこそこそ話し合った結果、二手に分かれて廃墟と化した遺跡を捜索することにした。


「行って来るわ!」


 ルクレシアはアルード様と二人きりになりたいという理由で行動。


 もちろん、アルード様は大喜び。魔物が来ても自分が絶対に守ると言って出掛けた。


 ヴァリウス様とアレクサンダー様もストレス解消のために魔物を探しに行ってしまった。


「どうする?」


 ネイサンに聞かれた。


「南の森には初めて来たから……魔物以外は何もないようなところよね? 遺跡とかないの?」


 一応聞いてみた。


「ある」


 カーライト様が答えた。


 ラッキー! もう見つかっちゃったかも?


「子どもの頃から来ているからな。廃墟になった遺跡がある。はぐれた時の待ち合わせ場所で、昼食を食べる場所にもなっていた」

「そこに行きたいわ!」


 カーライト様がいてよかった! さすが攻略対象者の一人!


 カーライト様が案内してくれたのはゲームと同じ場所だった。


 あっという間に捜索完了。


 魔物もいたのでカーライト様とネイサンで倒してもらう。


 私は防御魔法や身体強化をするだけでいい。


「魔物がとても弱く感じる」

「そうだな。身体強化をしてくれると動きが非常に楽になる」

「ノーザンで修行しているから!」


 自分の魔法が向上していると感じられて嬉しい。


「遺跡の周辺に魔物がいるかも。ちょっと見て片付けて来てよ。私は遺跡を見ているわ。いざという時は結界に籠るから平気」

「わかった。近くを見回ってくる」

「短時間で戻るようにする」


 ネイサンとカーライト様は嬉しそうに行ってしまった。


 騎士団はほぼ対人の訓練ばかり。対魔物の訓練としての魔物討伐は歓迎だというのがわかりやすい。


 でも、私は二人を追い払いたいだけ。


 術式が書かれている場所を探した。


「あった!」


 かすれていて読みにくい。


 手帳と鉛筆は持って来たけれど、私の描き写しを見たルクレシアがちゃんと作れるかどうかが心配。


 なので、戻って来たネイサンとカーライト様にルクレシアを呼んできてほしいと頼んだ。


「私のメモじゃ汚くって! 魔法文字を調べる時に読めないじゃない?」

「そうだな」

「わかった」


 私のクセ字が酷いのは魔法学院時代からわかっているので、カーライト様とネイサンはルクレシアを探しに行った。


 ルクレシアは遺跡を探しながら豪快に火魔法で魔物討伐をしていたので、すぐに見つかった。


「魔法文字を書いてほしいと聞いたわ」

「そうなのよ。綺麗にメモをしたくて」


 ルクレシアは自分の手帳を取り出すと古代の斬撃アップの術式を書き写した。


「書いたわ」

「私の手帳にも書いてよ!」

「仕方がないわね」


 これで目的は達成。


 あとは魔法向上、ストレス解消、ディアマスの平和を守るための魔物討伐に向かうだけだった。


「燃やすわよ!」


 すでにルクレシアのやる気が燃えている。


 魔物討伐が怖いって言っていた頃のルクレシアが懐かしいわ……。


 南の森を全て焼き尽くさないようサポート作業に徹しようと思った。


 なのに。


「アヤナ、ルクレシアのことは私に任せろ。カーライトとネイサンのサポートをすればいい」


 アルード様が微笑みながら圧をかけてくる。


 ようするに二人になりたいから邪魔するなってことね。


「わかりました!」

「アヤナ、向こうのほうに移動しよう。私が飛行魔法で連れて行く」

「ルクレシアと一緒の場所では魔物を取り合うだけになる。もっと離れよう」

「そうだな。できるだけ離れよう」

「アルード様、それでよろしいでしょうか?」

「そのほうがいい。より多くの魔物討伐ができる」


 ルクレシアと二人きりのデートもできるしね!


 バレバレだと思った。



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