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私の推しは北方の白銀王子  作者: 美雪


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44/45

44.私の答え



 ホルンのおかげね……。


 私も本音をオルフェ様に伝えたい。ちゃんと。


「オルフェ様の答えはわかりました。でも、私が知りたいのはオルフェ様の気持ちです。私のことが好きですか? それとも嫌いですか? どちらかで答えてください!」

「好きです」


 オルフェ様はすぐに答えてくれた!


「嫌いなわけがありません。ですが」

「ありがとうございます!」


 それだけで十分。


 その一言で私は幸せになれる。


「私もオルフェ様が好きです! だから、もっともっと好きになってもらえるように頑張ります!」

「アヤナはわかっていません」

「わかっています! オルフェ様は私のことが好きだから、ノーザンにいてほしくないのです。自分が氷竜の呪いにかかって苦しいから、私を同じ目にあわせたくないって思っています」


 私はしっかりとオルフェ様を見つめた。


「でも、私はオルフェ様の側にいたいです! そして、オルフェ様にかかった氷竜の呪いを解いてあげたい。光魔法は愛の魔法。愛する人の呪いを絶対に解けます。私を信じてください! 必ずオルフェ様にかかった呪いを解いてみせますから!」


 どんなことがあっても私はオルフェ様を諦めない。


 たとえ、オルフェ様に拒絶されても、否定されても。


 だって、それはオルフェ様の本心じゃない。


 オルフェ様は優しいから、自分やノーザンのことよりも私のためを思って遠ざけようとしているだけだから。


「呪いを解く方法はわかっています。ノーザンにいる氷竜を全部倒せばいいだけです。永久凍土の極寒地から氷竜が来たら、それも倒せばいいだけです。私は光魔法しか使えませんが、あらゆる方法で氷竜を倒してみせます!」

「アヤナ……」

「必ずオルフェ様の呪いを解いて幸せにします! だから、私と結婚してください!」


 言ってしまった。


 今しか言うチャンスがないって思ったから。


「ノーザンでは愛する人に氷竜の鱗で作られたものを贈ります。私も贈りました。特別な槍です。受け取ってくれましたよね?」

「あれは」

「私からです。アルード様でもディアマスからではありません。受け取ったということは、オルフェ様は私の恋人です!」


 ノーザンの慣習では愛する者に氷竜の鱗で作られたものを贈る。


 受け取るのは了承の証。


 だから、恋人にする気がない人からは絶対に氷竜の鱗で作られたものを受け取らない。


 アルード様は結婚祝いとして氷竜の鱗で作られた槍をもらったけれど、ルクレシアに贈られたような気がしてしまった。


 氷竜の鱗で作られたものを大事な人、家族に贈ることもある。


 ルクレシアは槍を使わない。魔物を討伐するアルード様の勇ましさを称え、応援する意味で贈った。


 気にしなければいいだけ。でも、気になって仕方がない。


 そこで、私にくれた。


 魔物を討伐するオルフェ様の勇ましさを称え、応援するという意味で贈ればいい。


 私がオルフェ様に渡すことで、間接的に返すことができる。


 オルフェ様が受け取らなくてもいい。私のものになるだけだと考えた。


「違うと言うなら返してください。でも、返したら絶対に後悔します。あれほどの槍は手に入りません。だって、世界で唯一の槍です。オルフェ様のためだけに私が作ってもらった槍ですから!」

「そうですね」

「槍を返されても、私の気持ちは変わりません。追い返されたって何度もノーザンに来ます!」

「追い返すわけがありません」


 オルフェ様が困ったように微笑む。


「アヤナが来るのを待っていました。ようやく会えたというのにホルンを連れていました。私に声をかけることもなければ、最後まで訓練を見ることもなく、ホルンと一緒に行ってしまいました。私の胸がどれほど痛んだことか……」


 抱きしめられた。


 オルフェ様に。


「冬の猛吹雪は激しくとても長い。それでもアヤナと一緒であれば、私の心は穏やかになるでしょう。アヤナ、私と一緒に猛吹雪の日を過ごしてくれませんか?」


 ついに……ついに言われたわ!!!


 猛吹雪の日を一緒に過ごしたいというのはノーザンにおけるプロポーズの言葉。


 つまり、オルフェ様は私にプロポーズしてくれている!!!


「はい! オルフェ様と一緒に過ごします! 猛吹雪の日も、それ以外の日も。妻としてずっとオルフェ様を支え続けます!」

「アヤナはノーザンを心から理解してくれています。ディアマスの者だというのに、そのように答えてくれるとは思いませんでした」

「本気の本気でオルフェ様と結婚したいからです! そのためには絶対に知っておかないといけない言葉です。でないとプロポーズだと気づけません!」

「そうですね。アヤナは完璧だと思います」


 オルフェ様も完璧だった。


 猛吹雪の日にプロポーズするのも、誓いのキスをするのも。


 全部、ノーザンの人々が受け継いで来た伝統であり王道。


 さすがノーザンの王子だと思った。



 次が最終話です。

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