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私の推しは北方の白銀王子  作者: 美雪


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39.古代の遺跡



 ようやく目的地の遺跡についた。


 私、ルクレシア、ホルンで紋章を探す。


 他の人は魔力の休憩をしながら、持ってきた軽食を食べることになった。


「あったよ」


 ホルンが見つけてくれた。


 高い場所なので、浮遊魔法をかけてもらって私とルクレシアで手帳に描く。


「魔法文字も全部写したいわ」


 ルクレシアは文章らしい魔法文字を書き写し始めた。


「何て書いてあるのかしらね」

「氷の神を称える文章だよ」


 ホルンが言った。


「わかるの?」

「絶対に合っているかどうかはわらない。意訳は人それぞれだ。それでよければ」

「ぜひ、お願い! 参考にするわ!」


 ホルンはスラスラと意訳した。


「どこで勉強したの?」

「祖国で。古代の遺跡が多いせいでわかる」

「すごいわ! ホルンの祖国に行けば、古代魔法文字や古代の紋章が勉強できそうね?」

「もちろんできる」

「行ってみたいわ!」

「ちょっと待った!」


 私はルクレシアの手を引っ張った。


「ちょっと来て!」


 強引に移動すると結界を張った。


「ルクレシアに謝らないといけないわ。先に行っておくべきだったから」

「何を?」

「ホルンは攻略対象者よ」

「知っているわ」


 えっ!


「知っていたの?」

「同僚が推していたわ」

「クルセード様じゃないの?」

「二番目としてキープしていたわ。アイテムを貢いでくれるのよね?」


 わかる。それでキープするのは。


「アヤナも同じでしょう?」

「別にキープしているわけではないわ。魔物討伐を一緒にしてくれそうな人がいないかと思っていたら偶然会ったのよ。性格とかは知っているから、お試しペアを組んだわけ。ネイサンとペアを組んでいたのと同じよ」

「そう。だけど、私が話すぐらいいいでしょう? もうアルード様と婚約しているし、攻略対象者と仲良くしても関係ないでしょう?」

「バカね」


 めちゃくちゃ本心。


「ルクレシアが婚約したら安全なんて保証はないわ。アルード様から奪おうと思う人が出るかもしれないでしょう?」

「アルード様から奪う?」


 ルクレシアは驚いた。


「そんなの無理よ! できないわ!」

「できるわ。その気になるかどうかの話。だから、その気にならないように気をつけるわけよ。他国人は特に注意しないといけないわ。全員がアルード様に遠慮するなんて思わないで!」


 さすがに闇落ちする可能性があることは言えない。


 優しいルクレシアは絶対に不安になってしまうと思うから。


「ホルンも他国人よね? 遠い国なの?」

「そうよ。ホルンの国に行ったら一生戻れないわ。アルード様でも助けに行けないわ」

「どうして?」

「ホルンの国の名称もどこにあるかもわからないからよ。世界中を探し回っても見つからないわ。絶対にね。ゲームだけの話じゃない。現実でも一緒。ホルンと一緒に一生過ごすしかなくなるわ!」

「怖いじゃないの!」


 ルクレシアにガシッと掴まれた。


「どうしてそんな人と一緒にいるのよ! アヤナはオルフェ様狙いでしょう? ホルンの国に連れて行かれたら大変だわ!」

「相棒なら平気だと思うわ。ちゃんと適切な距離を保てばいいだけだしね。でも、一緒に行動するのはディアマス、ハイランド、ノーザンだけ。ホルンの国に行くっていうのは絶対ダメ! 古代魔法文字や古代紋章について興味があるなんていったら目をつけられるわ。もっと気をつけて!」

「わかったわ」


 結界を解いた。


 そして、ホルンのところへ戻る。


「ホルンにも話があるわ」

「わかった」


 今度はホルンと移動して結界を張った。


「親切にしてくれるのは嬉しいわ。だけど、ルクレシアは婚約しているわ。アルード様は心からルクレシアを愛しているの。だから、適切な距離を置かないと嫉妬されるわ」

「大丈夫だよ。面倒なことになったらディアマスを離れる。他にも多くの国があるし、俺は世界中を旅する吟遊詩人だから」


 ホルンは好感度が上がるほど本当の自分を出すようになる。


 長く一緒にいるほど好感度が上がるのはわかりきっているので、ここではっきりさせようと思った。


「王族の怒りを買って別の国へ行くのは吟遊詩人じゃないわ。逃亡者か国外追放者よ。世界中に入国禁止の国を作る気?」


 ホルンの表情が硬くなった。


「世界中を旅する吟遊詩人なら、どんな国に行っても人々に受け入れられるようにしないと。そして、音楽で幸せを奏でるのよ。人によって幸せは違う。だけど、本物の吟遊詩人はそれがわかっているから、さまざまな音楽を奏でるの。人々の心に寄り添って、感動を呼んで称えられるのよ」


 これはゲームの言葉じゃない。私の言葉。


 だから、ホルンがどう思うのかはわからないけれど、伝えたかった。


「ホルンは本物の吟遊詩人になれるわ。ハイランドのティールームでたくさん拍手されたでしょう? ノーザンでも村の人に拍手されたわ。ディアマスでも人々から拍手されないとね。そうやって旅で訪れた国で素敵な思い出を作るのよ。他の国に行ってもずっと覚えていられる。ホルンの心を一生支えてくれるはずよ!」

「アヤナ……」


 ホルンが私の手を取った。


「アヤナも一緒に行こう! 世界中を旅して、いろいろな国に行って、いろいろな人々に会って、いろいろな幸せを奏でる。俺の国に連れて行きたい。アヤナがいればきっと幸せになれる!」


 あーあ。


 ホルンルートの選択が出てしまった。


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