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私の推しは北方の白銀王子  作者: 美雪


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10.コネ中のコネ



 コランダム公爵家に戻ると、コランダム公爵夫妻が温かく迎えてくれた。


 王宮住まいのルクレシアも帰省して、四人で帰国を祝う夕食会をした。


 ノーザンのお土産話はたくさんあるけれど、ヴァリウス様とアルード様の二人で氷竜の大規模生息地を潰した話が一番盛り上がった。


 やっぱりディアマスはすごい、王太子と王子は最強だと。


「アヤナ、留学をやめてしまって良かったの?」


 ルクレシアは心配していた。


「また留学に行きたいって言っても、同じようにするのは無理よ? オルフェ様のお世話になることも、王城に下宿することもできないわよ?」

「わかっているわ。今度は自費で行くからいいの」


 ルクレシアは首をかしげた。


「自費で行くなら、留学のままで良かったでしょう?」

「違うわ。コランダム公爵家、ディアマス王家、ノーザン王家に甘えてすがって頼り切っているじゃない。自立していないわ。そんな女性じゃオルフェ様に認めてもらえない」


 推し仲間や王宮の人とはうまく付き合えたけれど、医療班では他の人ばかりに仕事をふられてしまって雑用のみ。


 光魔法の実力があっても活躍する機会を貰えない。お小遣いも稼げない。


 オルフェ様と話すどころか、会える機会もほとんどなかったことを打ち明けた。


「そうだったのね。アルード様の試し切りの時は普通に仲良くしているように見えたのに」

「アルード様とルクレシアのためのサービスよ。私は二人の付属品でしかないわ。そんな立場をズルズルと続けたくなかったの。オルフェ様に直接私を見てほしいのよ!」

「わかるわ。でも、難しいわよね。アルード様や私とアヤナはつながっているわ。この絆をなくすなんてできないし、私だって嫌だわ。ずっとずっとアヤナとは強い絆で結ばれていたいの!」


 嬉しい。でも、困っているのも確か。


 私を通してオルフェ様がアルード様やルクレシアを見てしまうから。


 そして、自分のものにならなかったルクレシアに対する思慕をこじらせ、闇落ちしたらダメだから。


「私だって主人公と悪役令嬢の最高ペアを解消する気なんてないから」

「良かったわ!」

「とりあえず、就職先を探すわ。コランダム公爵夫妻に縁談を勧められたら大変だし、その前にお金を貯めて自立できるようにしておきたいのよ」

「アルード様に就職先を世話してもらう?」

「とりあえず、聞いてみてよ。王子の紹介なら好条件の就職先がありそうだし」

「わかったわ」


 ルクレシアは優秀だけに仕事が早い。


 王宮に帰ってすぐにアルード様に聞いてくれた結果、第二王子の婚約者付きの侍女としてなら採用できると言われた。


 ようするにルクレシアのお世話係。


 完全なまでににコネ中のコネだわ!


 自立している感じが全くしないけれど、王宮に住み込みで給与もいい。


 ルクレシアと毎日一緒にいられるのもある。


 ルクレシアもコランダム公爵夫妻も最高の就職先だと喜んでくれたので、断れなかった。


「嬉しいわ! 王宮で寂しかったのよ!」


 アルード様には王子の仕事や魔法大学での勉強があるので常に一緒に過ごせるわけじゃない。


 花嫁修業ということで王家のしきたりや礼儀作法を学んでいるけれど、ルクレシアにとっては楽勝なので時間が空く。


 独学であれこれ魔法関連の勉強をしているけれど、一人になってしまう時間をつらいと感じてしまうこともあったらしい。


「アヤナが一緒にいてくれるなら心強いわ!」


 愛する人と結婚できるのは幸せなことだけど、苦労がないわけじゃない。


 王家の家族関係は複雑だし、王宮に住むことに慣れないといけない。


 王族妃になることが決まっている者としてふさわしくあるよう求められるからこそ、同等の立場で付き合える相手がいない。


 ルクレシアの寂しい気持ちを慰めるための侍女採用なら、重要な役割だと思った。


 悪役令嬢にも闇落ちルートがあるので。


「早速魔法の練習に行きましょう! アヤナの結界がどれぐらい強くなったか、私の魔法で調べてあげるわ!」


 どう考えても、ルクレシアのストレスを解消するためよね。


「仕方がないわね。主人公と悪役令嬢で対決よ!」

「勝つわ!」

「絶対に負けないわよ!」


 ゲームでは主人公と悪役令嬢が勝負をする。


 魔法の練勝負をしておくことで大まかにはシナリオ通りということにしておけば、本当に私とルクレシアが対決するのを防げるかもしれない。


「燃え尽きなさい!」

「できるわけがないでしょう!」


 私とルクレシアの真剣勝負。


「ルクレシア、頑張れ!」

「アルード様がルクレシアを応援するのは当然だが、結界が壊れたら不味い気がする」

「アヤナが死にそうだ」


 アルード様、カーライト様、ネイサンが見学に来た。


「アヤナは自身に防御魔法をかけているはずだ。ルクレシアは自らの魔法で出した火を支配できる。すぐに消せば問題ない」

「それもそうか」

「遠慮は無用で思いっきりやれるな」


 なんとなく、私を応援してくれる人がいない気がする。


 主人公よりも悪役令嬢が人気なんて……まあ、普通よね!


 悪役主人公にジョブチェンジするかを本気で考えた。


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