7話
お待たせしました。
感想、評価、ブックマークなどお待ちしております!
『アクティブスキル《火属性魔法》を入手しました』
『アクティブスキル《水属性魔法》を入手しました』
『アクティブスキル《風属性魔法》を入手しました』
『アクティブスキル《土属性魔法》を入手しました』
『アクティブスキル《氷属性魔法》を入手しました』
『アクティブスキル《雷属性魔法》を入手しました』
『アクティブスキル《木属性魔法》を入手しました』
『アクティブスキル《光属性魔法》を入手しました』
『アクティブスキル《闇属性魔法》を入手しました』
『アクティブスキル《時空間属性魔法》を入手しました』
あれから数日、体力作りと魔法の基礎を徹底的に叩き込まれて……。
めちゃくちゃ魔法スキルを入手できた。
先生の言ってた通り1回感覚を掴んでしまったら、次からは割りかしスムーズに発動することは出来るようになった。
まだ複雑な魔法は使えないけどな。
魔力を球体にして放つ『〜ボール』って魔法が、各属性で扱えるようになっただけ。
大きな前進ではあるけどさ。
流石に大規模な魔法を、いきなり使えるようになるなんて思ってないよ。
「今日は戦闘訓練の基礎でもある『型』と魔法の基礎である『身体強化』を同時に教える!」
「「はい!」」
「『型』と言っても武器によっても基本が変わってくるから、まずは自分の感覚で武器を選んでみろ!」
「自分の感覚ですか?」
「そうだ! もちろん途中で合わないと思ったら、いつでも変えられるからな! あまり重く考えるなよ!」
武器ねぇ……。
とりあえず準備されてるのは、全部木製の武器だな。
そりゃそうか。
木製でも威力としては充分なのに、未熟なやつにマジの刃は危なすぎる。
片手剣、両手剣、短剣、槍、斧、槌、棍、杖……。
拳用のグローブに弓、盾に刀まである。
「悩みますね」
「もちろん、武器の種類はこんなもんじゃない! 今は仮の武器として気楽に選べ!」
「じゃあ僕は両手剣かな」
「速っ! もう決まったのかよ」
「もともと冒険者になるなら、両手剣使いたかったんだよね」
「そっか……」
まぁベタに片手剣と盾か?
斧や槌、両手剣みたいな重量級って感じの武器はオールラウンダーが持つって感じじゃないもんな。
刀には憧れがあるけど、難しそうだし……。
うん、決めた。
「俺は片手剣と盾だな」
「ベタだねぇ」
「いいの! こういうのから始めなきゃ!」
「冗談だよー」
分かってるって。
悪気があるような言い方なら、こっちもイラッとするかもしれんがな。
なんちゃって。
「では、まず構えからだな! シュウ、利き手に持つのは剣と盾どっちにする?」
「そこは自由なんですか?」
「それぞれ流派はあるがフィーリングで選んでも良いとは思うぞ!」
「軽く振ってみて良いですか?」
「もちろんだ!」
やっぱり剣が利き手なのかなぁ?
そうなると盾が右手ってことになるよね?
思ったより難しいぞ、これ。
利き手に盾を持ってみるか。
おや。
こっちの方が安定するというか、なんというか動かしやすいな。
右手の剣を動かすのも違和感が少ない気が。
こっちの方が好きだ。
「じゃあ左手に盾にします」
「よし! では、2人とも自分なりに振り回してみろ!」
「振り回す?」
「癖を見るところから始めないとな! 矯正していくぞ!」
「「はい!」」
……疲れたよ、疲れた。
めちゃくちゃ疲れたよ。
よくない癖を無くすためにやってるけど、癖を無くそうと思えば思うほど色々な癖が出てくる。
しかも自分じゃ分からない!
分からないから変に意識しちゃって、身体中に力が入りまくってる。
普通に運動するより疲れるんだな、これ。
「どうだ、マルク?」
「大変すぎるよ。腕が上がらないかと思うくらい」
「だよな」
こんなにハードだとは。
たぶんゴードン先生の指導が的確だから、ビシビシきてるんだろう。
もしかしたら、めちゃくちゃ無駄なトレーニングをさせられてる可能性も……。
そりゃないな!
「これ続けたらムキムキになれるかなぁ?」
「ちゃんとやってたら間違いなくなれるとは思うけど、マルクってムキムキになりたいの?」
「なりたいよ! 冒険者の前衛だもん! ムキムキでしょうに!」
「お、おう……」
ものすんごい熱量。
そんなに憧れますか。
分かりますよ、冒険者を目指すわけだから目指す理想像はあるだろう。
ムキムキかぁ。
俺も筋肉は付けたいけど、どっちかというとバランスよく付けたいかな?
ムキムキってよりはね。
「よおし! このまま身体強化に移るぞ!」
「はい」
「単純だがな! 無属性魔法を身体に纏わせながら発動するだけだ!」
「纏わせながら……」
「難しければ、まずは大きな球体を作り、伸ばす感じでもいいぞ! 理想は薄く纏わせることだが、いきなりは難しいだろうからな!」
なるほど。
纏わせる……。
薄い膜に覆われてるようなイメージで発動させれば良いのかな?
「これは……」
「維持したままでは動けんだろう! 簡単に破けてしまいそうで!」
「はい」
「それが完璧に身体の表面と同化して動かせるようになれば、身体強化の完成だ!」
「分かりました」
身体の動きに魔力が同調してくれない。
これが自在になれば習得できたってことか。
「すごいね、シュウは」
「ん?」
「僕は身体に纏わせるなんて、まだまだ無理そうだよ。球体から伸ばすだけでも難しいのに」
「いつかは慣れるさ」
身体の中を循環させるトレーニングはしてたからな。
魔力操作に関しては、多少慣れてる。
それでも同調は難しいんだから、1から始めた場合は大変だろうね。
ゆっくり歩くくらいは出来るようになってきた。
ゴードン先生いわく、型くらいはこなせないと習得とは言えないらしい。
かなり難しいぞ。
しかも理想は薄く纏わせるんだもんな。
これだけ分厚く纏わせてると、破けるリスクは少なくなるけど……。
消費する魔力も大きい。
そりゃあ薄く纏わせるのが理想だわな。
分厚く纏わせてるのと薄く纏わせるので、身体強化の効率が変わらないんだから。
この魔法って技術は、ほんとうに意地悪だ。
とにかく初めの1歩目が難しすぎる。
当然なのかもしれないが、まずスタート地点で心を折りにくる。
不思議パワーだから仕方ないけど、断念する人が多いのも理解できる。
子供の頃から徹底的に教え込むのは分かるな。
「ていうかシュウって魔力多すぎない? まだ魔力切れ起こさないの?」
「まだ一応余裕はあるかな……」
「僕より何倍もチャレンジして失敗してるのに? めちゃくちゃじゃない?」
「自分では分からないけどなぁ」
「確かに魔法を使い始めたにしては、魔力量は大きいかもな!」
「そうなんですか?」
「ただ初期値が大きいからといって成長率も高いとは限らない! 精進せよ!」
「はい!」
特別な才能ってわけじゃなさそうだな。
あってくれても良かったんだけど。
こんなことでテンション下がったりしないけどさ。
もし成長率が低くても時間かけて成長させてやるし。
……次は武器を持って型と同時にやってみよう。
歩く時よりも、さらにスローペースで。
じゃないと簡単に破れちゃう。
なんか前世の病院でリハビリ室でやってた健康体操みたいなスピードだな。
けっこう足腰にも来るぞ、これ!
『アクティブスキル《身体強化》を入手しました』
きた!
やっとだよ……。
もう今日は無理ですよ、これ以上は。
足もプルプルしてるし、魔力が空になってきた。
まだ薄く纏わせるのは無理だけど、軽く動くくらいなら可能になった。
試しに激しく動いたら、すぐ破れたけど。
当然ながら剣術みたいなスキルは入手できてないな。
型を少しやったくらいじゃダメか。
「よし! 今日はここまでだ! 各々、しっかりと休むように!」
「「はい!」」
1日かけて身体強化の入り口に立てたくらいか。
収穫としては少ないかもしれないけど、これくらいのペースでも構わない。
成長を感じられるのは嬉しい。
これだけ身体も魔力も酷使してるんだから、スキルを入手できなくても成長はしてると思うし。
前世だと当然だもんな、スキルみたいなものが現れないって。
基本的に使う武器も決まったし、だんだん方向性が定まってきたよ。
いずれは、いろんな武器にも手を出したいけどな。
まずは基本の軸を作りたい。
冒険者として活動を始める時期なんて決めてないけど、いつまでも学生ってわけじゃないしね。
次は武器スキル入手だな!
この話を読んで
「面白い」
「続きが読みたい」
などと少しでも思っていただけたら評価をお願いいたします。
下の★★★★★で応援いただけると力になります。