21話
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とりあえず追加のカリキュラムの中から、呪法を習得に向けて動こうか。
3つのうち騎乗術は騎乗できるパートナーである騎獣が必要だから後回し決定。
召喚術とは、どっちが先でも良いんだけど……。
まぁ呪法からで良いっしょ。
結局は全部学ぶつもりだしな。
呪法って聞くと禍々しい感じもするけど、要はデバフ全般みたいなもの。
相手にデバフをかけるのも当然だし、自分に向けられるデバフへの対策も学べたはず。
それが大きい気がする。
今は何にも抵抗できないからなぁ。
そういうトリッキーな魔物とかとの戦いも想定しておかないといけない。
単純に怖いしな。
それにしても、まだかな先生。
特別なカリキュラムだから同級生が居ないのは仕方ないけど、いい加減に寂しくなってきたけど?
時間も場所も間違ってないよね?
「ごっめーん! 遅くなりました! あ、君がシュウ君ね!」
「はい。よろしくお願いします、ヒルダ先生」
「他の先生方から聞いてるよ、面白い生徒だって!」
「そうなんですか? 自覚は無いですが……」
「そんなもんだって! 悪い噂とかじゃないんだから気にしない気にしない!」
「そうですか」
面白いかどうかは分からないけど、変わってるんだろうなってのは分かるし。
多少噂になるかもな。
変すぎて。
できれば優秀すぎて噂になりたいが、そこまでの才能なんてありやしない。
無いものねだりしても仕方ないしね。
「じゃあ改めて自己紹介。私はヒルダ。呪法の授業を受け持ってます! よろしく!」
「よろしくお願いします」
「使いこなせれば貴重な技術だから頑張ってね!」
「はい!」
「基礎的な魔法は使えるってことだから、適性はあるはずだし……。そうだ。方針を決めなきゃ」
「方針ですか?」
「最終的には両方教えるし、習得してもらうんだけど。かけるのか、抵抗するのか。どちらを重視するかによって少しだけ内容が変わるんだよね」
「なるほど」
最終的には変わらないと言っても悩ましいね。
どっちだろう?
まぁ、与えるのも悪くないけど……。
やっぱり抵抗する術を持っていた方が良いような気がするなぁ。
そういう魔物と相手するの怖いもん。
「じゃあ抵抗の方からで」
「オッケー。じゃあ、もう一つ選択ね。優しくとスパルタと、どっちが良い?」
「……途中で変更できます?」
「アハハ。もちろんだよ。数少ない受講者に離れられたくないからねぇ」
「ではスパルタからお願いします」
「やっぱり良いね、君。気に入ったよ。まぁスパルタと言っても無理すぎることはしないから安心して」
「分かりました」
どんな授業になるんだろう?
ちょっとだけ不安になってきたんですけど。
「待っていたぞ! シュウ!」
「あれ? ゴードン先生? 待ってたって僕をですか?」
「ヒルダ先生から聞いてないのか?」
「戦闘準備して訓練所に向かえとだけ……」
「言ってしまえば組手をするだけだからな! それで暇人が相手をすることになった!」
「そういうこと! ってことで頑張ってね、シュウ君」
「あ、ヒルダ先生。このまま普通に戦って良いんですか?」
「いいよぉ。普通に戦えたらの話だけどね!」
「ん?」
普通には戦えないのか?
まぁ呪法の授業なんだから、普通の組手じゃないのは当たり前なのか。
……あれ?
「気がついたみたいだね」
「なんか動きにくいというか、身体じゅうに少し違和感があるんですが」
「当然よ。私が弱体の呪法をかけてるからね! 呪法の抵抗力を高めるのなら、その呪法を耐えながら超越するのが一番手っ取り早いの! ね、スパルタでしょ?」
「確かに厳しいですね。望むところですが」
「今かけてるのは初歩の初歩の呪法だから、そんなに苦労しないと思うよ! じゃあゴードン先生、よろしくね!」
「よし! かかってこい、シュウ!」
「はい!」
武器が重い。
身体も普段とは全く違う感じがする。
これが弱体の呪法か。
初歩の初歩でこれなら、上級になってくると凄まじいことになりそうだな……。
「シッ!」
「鋭さが全くもって足りんぞ! そんなもんか、シュウ!」
「まだまだぁっ!」
いつもと同じ意識じゃ武器が振れない。
もっと全身に意識を張り巡らせて、効果的に動かさないとダメだ。
一つ一つの動きを丁寧に。
かつ全力をもって大胆に。
いつもの基礎だけど、もっと徹底的に浸透させないと呪法に負ける。
鋭く、重く、激しく……。
乗り越えろ。
この程度の呪法なんかに負けてたら、レベルアップなんて程遠いぞ。
「ほう? 雰囲気が変わったな」
「少し気合い入りました。ただ攻撃を喰らい続ける趣味は無いので」
「そうかそうか! いくぞ、シュウ! 簡単にへばってくれるなよ?」
「もちろんですっ!」
さすがに限界かも。
少しずつ弱体の呪法に慣れてきた感はあるけど、自分の身体を思ったように動かせないのは想像以上に効く。
無駄な力を抜くことも大切だし、いつも以上に力を込めるところは込めないといけないからな……。
動きの最適化。
ムズイ。
「なかなかやるね、シュウ君! 思ったより耐えられてたよ!」
「はぁ、はぁ、はぁ……。そうですか? 自分ではダメダメだった気しかしないですけど」
「途中から弱体の度合い上げたからねぇ。そりゃあ初めてにしてはキツいでしょう!」
「そうだったんですか」
組手に夢中になってて、それには気が付かなかった。
そういう細かいところに気が回らないのは大きな欠点だな。
一瞬の隙が命取りになる世界を目指してるんだ。
もっと注意力は必要そうだね、これは。
「まだ耐性は入手できてない感じかな?」
「うーん……。そうみたいですね」
「初日だもんね! 焦ることはないよ」
「はい」
そうトントン拍子にいくはずもないか。
いってくれても良かったけどさ。
気が抜けた瞬間、どっと重くなった気さえするよ。
呪法自体は解除されてるみたいだけど、この疲労感はヤバいね。
とにかく身体が重たい。
心身共に疲れてるって感じ。
「じゃあ今日は、ここまでね! しっかりじっくり休んでよ? こんなの初歩の初歩なんだから!」
「はい。ちゃんと休みます」
「ハッハッハ! どうせ考えなくとも気絶するように眠れるだろうさ! たまにくる呪法の受講生は、皆そうなる!」
「確かに……」
分かる。
それなりに体力には自信あったけど、この程度で満足できないのが突きつけられてる気がするよ。
魔法技術だけを追い求めてる人からしたら、このトレーニングは大変だろうな。
手加減はしてくれるだろうけど。
おん?
あれは……。
ジュードだよな?
なんだよ、ちゃっかりエミリーと一緒に帰ってるんじゃん。
全然進展してないって言ってたのに、2人で帰るくらいにはなってるのか。
良かった良かった。
あ、俺に気がついたみたいだ。
なんかアタフタしてる。
誰かに見られるのを想定してなかったんだろうな。
初々しいねぇ。
軽く手を挙げて挨拶だけして、別の道を使って帰るとしますか。
邪魔しちゃ悪いし。
「青春を語るには若すぎるけど……」
青春って感じするなぁ。
甘酸っぱい。
とにかく上手くいってくれるといいな。
こういうときに友人として、何をしたらいいのかも分からないけど。
応援してるぞ、ジュード!
「ただいま……」
家までの道のりが、こんなに遠く感じるとは。
めちゃくちゃ疲れてるんだな。
分からないなりにジュードを応援してる場合じゃなかったかもしれない。
でも心地いい気もする。
まるで前世では感じられなかった清々しさ。
ジュードと方向性は違うけど、俺も充実してんな。
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