16話
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『アクティブスキル《錬金術・分解》を入手しました』
『アクティブスキル《錬金術・合成》を入手しました』
『アクティブスキル《錬金術・変性》を入手しました』
『アクティブスキル《跳躍》を入手しました』
なかなかスキルが増えないな。
まぁ新しく受けた授業もないし、繰り返しの訓練ばかりだったから仕方ない。
でも錬金術の幅が広がったのはデカい。
難易度も確実に大幅上昇したけど、その分いい訓練になってる。
今は鉄をくっ付けたり離したりするくらいしか出来ないけど、いずれは変性を使って別の金属に変えることだって可能になるかもしれない。
こんなことなら前世で原子だ分子だの勉強を、もっとしとけば良かったよ。
知識があれば鉄だけじゃなく色んなものに応用しやすくなる……はず。
確証はないけど。
戦闘に関するスキルも増えてほしいんだけどな……。
父さんとの組手も始まって結構経つのに、新しいスキルは跳躍だけか。
焦る必要はないと思う反面、どうしても新しい能力が欲しくなる。
手っ取り早く新しいスキルを入手するなら、別の武器に挑戦すりゃいいだけだ。
でも、それじゃ意味がない。
付け焼き刃のスキル数より、使える少数の技術。
頭では分かってる。
ただ、そんな悩みも少し和らぐかもしれない。
なんたって今日は、新しいダンジョンに挑戦できる日だからな。
学園の作った擬似ダンジョンじゃなく、本物のダンジョン。
出てくる魔物だって攻撃を仕掛けてくる、危険性も少しあるダンジョンだ。
怖くないと言ったら嘘になる。
だけど、自分の力を試す良い対象が出来た喜びも否定できない。
まともに攻撃してくる魔物か。
ゴードン先生や父さんと比べたら格下もいいところだけど、こっちの命を狙ってくる相手だ。
油断なんて、とんでもない。
ゴブリン。
浅く黒がかった緑の身体を持つ醜悪な魔物。
知能体力共に最低レベルだが、武器を使い攻撃を仕掛けてくる。
時には集団で襲ってくることもある。
コボルド。
犬のような顔を持つ二足歩行の人型の魔物。
ゴブリンよりも小型で非力だが、その分スピードに特化している。
噛みつき攻撃に注意。
スライム。
粘液と核となる物質で構成された不定形の魔物。
獲物を体内に取り込み、溶かして吸収する。
ほとんどの物理的な攻撃を無効化するため、魔法か魔力を纏った攻撃が推奨される。
グレムリン。
浮遊能力を有する小型の妖精。
基本的な攻撃は直接的なものだが、稀に魔力を使った攻撃を使用する。
風属性魔法に弱い。
こんなところだったな。
どの魔物に対しても注意は必要だけど、やっぱりグレムリンかな?
魔法を使ってくるってのもあるし、何より上を取られる可能性がある。
対空中戦なんて、想定訓練はしたことあるけど当然実戦は初めてだ。
なかなかに難しそうだね。
「おっす」
「リラックスしすぎじゃない? これから本気の実戦なんだよ?」
「マルクが緊張するの早すぎなんだよ。本番まで保たないんじゃねぇの?」
「不安になってきた」
「おいおい……」
大丈夫か?
気を抜きすぎもダメだけど、こんな手前からガチガチになっててもね。
心配になるって。
「「おはようございます!」」
「おはようさん! 昨夜はしっかりと寝られたか?」
「「はい!」」
「よろしい! 初の課外授業、本格的なダンジョンアタックだ! 精一杯頑張るように!」
「「分かりました!」」
「では出発!」
確かダンジョンは冒険者ギルドの近くにあったはず。
コアが破壊されたダンジョンだから、魔物が出てくる心配もない。
とは言っても街中にダンジョンがあるって不思議な感覚だよな。
そもそも俺の感覚の方が、こっちの世界では変だ。
コアさえ破壊されていればダンジョンは、魔道具の燃料である魔石を無限に生み出すようなもの。
実力者さえいればエネルギーが尽きることない夢の場所だからな。
この魔道具が普及した世界において、ダンジョンは重要施設だし。
踏破済みダンジョンがある土地に大きな都市が出来上がるくらいには。
この王都にも、確か4つくらいはダンジョンがあったはず。
大きなのが1つ、並が1つ、小さいのが2つ。
その2つのうち、規模が小さく魔物が弱いのが今回挑むダンジョンだ。
つまり王都最弱ダンジョン。
助かる。
往来に装備を固めた人が増えてきた。
さすがに全員が全員、冒険者ってわけじゃないだろうけどな。
「おぉー。ここが冒険者ギルドか……」
「あれ? シュウってギルド来たの初めて?」
「そう。登録する時まで用事無いじゃん? いつかは見てみたいと思ってたんだけど」
「よし! 登録していくか!」
「良いんですか、先生?」
「毎年のことだからな! 未登録の生徒を連れてくるのは!」
「へぇ」
そういえば学園に入学した時から、冒険者登録だけは自由に出来るんだったね。
まったく考えてなかったけど。
卒業してからかな……とか勝手に考えてた。
出来るんならしとけばいいわな。
「おーい、ミアはいるか!」
「はいはい。そんな大声で呼ばなくても居ますよ。お久しぶりです、ゴードンさん」
「登録を頼む!」
「はい。そちらの?」
「そうだ! マルクは登録済らしいから、こっちのシュウだけだな!」
「よろしくお願いします」
「代筆は必要かしら?」
「いえ、大丈夫です」
「じゃあ、ここに名前で……。ここに所属パーティ。なければ空欄で良いからね」
「分かりました」
今はパーティ組んでないし空欄でオッケー。
ってことは名前だけか。
簡単だな。
「登録者講習はどうします、ゴードンさん?」
「受けさせてやってくれ! 知識はあるだろうが、念のためだ!」
「じゃあシュウ君、講習室に来てくれる? そんなに時間は取らせないから」
「はい」
「どうせならマルクも同席しろ! ここにいても暇だろうからな!」
「わかりました」
「じゃあ行きましょう」
「「はい!」」
〜昔馴染み〜
「よぉ、ゴードン。久しぶりだな」
「おお! グスタフか! お前、王都に戻ってきてたのか!」
「一昨日からな。お前は相変わらず子守りか?」
「後進の育成だ!」
「はっはっは! そうだったな」
まさかゴードンに会うとは。
俺が王都を離れた時からだから、もう5年以上ぶりになるのか。
相変わらず声がデカいな。
元気そうで良かったが。
「それにしても慣れないな、お前が後進の育成なんて言葉を口にするのは」
「いい加減に慣れろ! もう何年にもなるんだぞ!」
「お前とパーティ組んでた時の名残りだ。そっちが諦めろ」
「ふん」
あの時は、俺こそが最強になる人間だって言い張ってたのにな。
若い人間を育てることに意味を見出すとは。
あの頃のゴードンなら、『自分だけで強くなれない人間なんて無意味だ』とか言っても不思議じゃないのに。
「お前は引退せんのか?」
「冗談はよせ。俺に最前線以外の場所なんて似合わんだろう」
「吾輩にだって教官として生きられる。お前にも可能だろう!」
「いつかは、そうするかもしれんがな。まだまだ身体に余裕がある。退くつもりはないね」
「……そうか。無理はするなよ!」
「お前こそ。生徒に良い格好しようとして、不覚を取るなよ?」
「誰がそんな情けないことになるか!」
「まぁゴードンに限って、それはないと思ってるけどよ」
「そりゃそうだ! よし! 今度、また酒でも飲みに行くか!」
「お前の奢りか?」
「バカ言うな! お前の方が稼いでるだろうが! よくて割り勘だ!」
「相変わらずケチだなぁ。仕方ない。付き合ってやるよ」
「じゃあ、また今度な!」
「ああ、適当な時に連絡する」
たまには労ってやらんとな。
少し老けたように見える。
やんちゃ共に振り回されてるようには見えないが、子ども相手なんて気苦労も多いだろうし。
「リーダー。行きますよ?」
「おうよ」
どれだけ呑むか分からんからな。
今のうちに金を稼いでおくとするか!
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