15話
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「マジか、おい……」
「まだまだ諦めんぞ! こんなところで諦めるわけにはいかんのだ!」
「だーかーら!」
「いくぞ、シュウ・アルウィン!」
どれだけ戦ってると思ってんだよ、コイツ!
めちゃくちゃ戦えるのかと思いきや、ただ突っ込んでくるだけだし!
アンタが諦め悪いのは分かったから!
「とうっ!」
「もっと俺の都合も考えてくれませんかねっと」
「すまないが、それは出来ん! うわぁーっ!」
こうなったら投げ技の練習にさせてもらうわ。
本格的に投げるってより、体勢を崩す程度の完成度だけどさ。
思いっきり突っ込んでくる相手だからな。
力を受け流す練習にはなる。
いかんいかん。
少し油断しかけてるな。
いくら連続で似たような展開が続くといっても、こんなレベルで集中を切らしちゃダメだ。
「こうなったら最後まで付き合います。気が済むまで戦いましょう」
「恩に着るぞ、宿敵よ!」
「宿敵なんかじゃないってば!」
「君を超えねば、私はステラ嬢に釣り合う男になれないのだ!」
「そっちで勝手にやってくれよ、それは……」
「覚悟! とうっ!」
「せいっ!」
「ぬわぁ!?」
こうなったら根比べだ。
向こうさんが諦めるまで、絶対に負けてやらない!
立ち上がる気力さえも無くなるまで、叩き潰してあげましょう。
「はぁ、はぁ、はぁ……。さ、さすがだ、シュウ・アルウィン」
「少しは気が済みましたか?」
「まだまだ、と言いたいところだが。もう足が動かせない。完敗だ」
「そうですか」
「情けない限りだ。こんなことではステラ嬢に合わせる顔がない」
「別に姉さんは強い人を求めてるわけでもないと思いますが?」
「そうかもしれん。だが、自慢の弟である君を超えねば……。私は……。ぐぅ」
「泣くなよ……」
激情型の人すぎるだろ。
一途なのは良いかもしれないけど、あれだけ喧嘩売ってきて負けて泣いて……。
忙しい人だなぁ。
「アンタねぇ。文官になりたい人間が冒険者志望の人間に簡単に勝てるワケないでしょ?」
「姉さん。買い食いがダメとは思わないけど、咥えたまま喋るのはどうかと思うよ?」
「いいのよ。公の場でもないんだし」
「ステラ嬢……。ご覧になってたんですか」
「ええ、途中からだけど」
「申し訳ありません。情けない話ですが、一矢報いることも叶いませんでした」
「そりゃそうよ。私の自慢の弟だもの」
「無念です」
「人には得意不得意があって当然でしょ。アンタの得意分野で頂点を目指しなさいよ」
「私の得意分野で……」
「まぁそもそも? 隣に居るのに、誰かに勝つ必要なんてないけどね」
「ステラ嬢……」
「アンタの惚れた女は、目の前の女を大切にすることが出来る男に傍にいてほしいだけよ?」
「本当に情けない限りだ。ただの身内自慢への嫉妬に狂って、大切な人の気持ちを見失うなど」
「そうね。たまには嫉妬されるのも悪くないけど」
「まだ傍にいても良いのでしょうか……」
「アンタの想い人って、そんなに器の小さい人なの?」
「いえ!」
「じゃあ好きにしたら良いんじゃない?」
「ありがとうございます!」
ええと?
俺は、いったい何を見せられてるワケ?
なんとなく理解はしたけど。
変な嫉妬なんかで決闘まで申し込まれた側としては、たまったもんじゃないんですが。
「ってことで帰ろうか、シュウ」
「良いんですか、彼氏置いといて」
「別に彼氏じゃないわよ?」
「は? さっきの、やり取りは?」
「仕方ないじゃない。アイツが自分から言ってきたんだもん。『立派な男になったら告白しても良いですか』ってね」
「なんか、まどろっこしいような」
「これはこれでロマンチックってやつよ」
「姉さんが納得してるんなら良いけど」
金輪際こんなことが無いならね。
姉さんの交友関係に口を出すつもりもないし。
「そういうわけだ、我が弟よ!」
「復活から調子乗るまでが速すぎです。家族になった覚えもありません」
「なかなか手強いな、弟君! そうでなくてはな!」
「さっきまでの涙は?」
「男は過ぎ去った時を振り向かないのさ!」
「ま、頑張ってくださいよ。応援しないでもないんでね」
「おお! 我が弟よ! 見ていてくれ。私はいつか最高の文官になってみせるぞ!」
「だから弟になった覚えはありませんって。暴走はしないようにしてくださいね」
「うむ! 気をつけよう!」
ホントかよ。
今のところ、その言葉に関しては全く信用できないんですけど。
軽い暴走なら受け止めて……やる気はない。
さすがに面倒っす。
『アクティブスキル《体術》を入手しました』
よし。
まさか、この決闘で入手できるとは思わなかったが。
やっと体術も入手できた。
「何してんの? 帰るわよー」
「はーい」
「ちっ!」
「ほら、どうしたどうした!? まだやるか!」
「当然!」
父さんとの初組手。
今日は体術をやったと言ったら、体術を徹底的に叩き込むことになった。
分かりきってたことだけど、めちゃくちゃ強い。
ゴードン先生とも毛色の違う強さがある……ような気がする。
細かいことは分からん!
「シュウ。共同戦線だ」
「どうするの?」
「小回りが効くシュウが突っ込んで撹乱。俺が仕留める」
「そんな小細工通用しないと思うけど?」
「いいからやるぞ」
「仕方ないなぁ」
覚悟決めて特攻だ。
トーマス兄さんに使われてるだけなのは、釈然としないけどな!
「せいっ!」
「ほう……」
あちゃー。
完全にバレてるやつだ。
こうなったらトーマス兄さんを囮にして、俺がメインアタッカーのつもりでいくか。
「もらったぁ!」
「甘いな、トーマス」
「ぐぇっ」
「シュウも狙いは悪くないが、素直すぎたな」
「うお!?」
やっぱり手も足も出なかったか。
隙を見出すことすら不可能だった。
どこまで訓練を重ねたら、これくらいの領域に辿り着けるんだろうか?
そもそも年季が違いすぎるわな。
あの人と俺の決闘どころじゃないな、力の差が。
なんてったっけ、名前。
そうそう、アンディさんだ。
姉さんから帰り道に聞いたんだった。
なぜか名前の印象が薄いんだよな、あれだけインパクトある出会いなのに。
「おい、シュウ……」
「なに? トーマス兄さん」
「お前、俺を囮にしたろ?」
「あ、バレた? さすがに初撃で見透かされてたからさ。追撃も必要だと思って」
「ぐっ……。文句言いたいのに反論できん」
「もっと考えた作戦じゃないと、まったく通用しないみたいだね」
「ああ、地力も必要だな」
「うん」
そこが最大のネックだよなぁ。
特に俺の実力が低すぎる。
体力だけは正直言って、かなり自信がある。
けども戦闘技術においては、まだまだ伸ばさなきゃいけないだろう。
「よし。もう1発やるか」
「そうだね。作戦は?」
「当たって砕けろ!」
「豪快なこって」
トーマス兄さんだって勉強は嫌いだけど、頭が悪いわけじゃないのに。
まぁ今の俺たちの実力じゃ、そういうくらい思い切った方がいいのかもね。
とにかく全力や!
「……まだまだだな」
「「うわぁ!?」」
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