14話
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「甲殻防御! ……うわぁ」
こりゃあ人前では使えないなぁ。
なんとなく腕をイメージしたからか、腕全体に甲殻がびっしりと。
確かに皮膚よりは防御力高そうだけど、これは……。
あまりにもインパクトが強すぎる。
自分の部屋で試して良かった。
使う時は最終手段として、だな。
普段から使えるスキルじゃないのが残念だけど、手札が増えるのは嬉しい。
しかもアーマーアントから取れた。
恐らく最弱だろう魔物からも取れたってことは、ほとんどの魔物から取れそうだ。
そうなるとスキルの数だけは豊富になる。
ちゃんと把握しとかないと。
まだ大丈夫だけどさ。
ってことは、だ。
やっぱり《学習》の力を活かしたいよな。
いろいろなジャンルのスキルを学習して、どんな状況でも対応できる冒険者!
良いじゃない。
くっきりと目標が出来たな。
「ぼっちゃん。食事の用意ができそうです」
「わかった。ありがとう、レオド」
「シュウ、ダンジョンはどうだった? 合同訓練をやったんだろ?」
「うん。いろいろ勉強になったよ」
「ほう? どんな風にだ?」
「やっぱりパーティ戦となると連携が大事だね。個人の能力もだけど、連携次第で良くも悪くもなり得るって体験した」
「そうか。シュウはパーティ組まないのか?」
「いずれは組むかもしれないけどね……。まだ冒険者やりそうな知り合いも1人しかいないし」
「いつか話してた同級生の子だな?」
「そう、マルク。今のところ一緒にパーティって感じではないかな……」
「そうか。よし。これからは俺も、お前たちの訓練に付き合えるだけ付き合おう」
「え、いいの!?」
「前々から付き合おうとは思っていたんだがな。なかなか仕事との兼ね合いで無理だった。だが、これからはゆったりとできそうだからな」
「ゆったり……?」
「新人も慣れてきたところだからな。忙しいのに変わりはないが、これまでほどではない」
「そうなんだ」
「厳しくいくぞ?」
「うん。望むところだよ」
今までは家で出来るのは基本の体力作りがメインだったけど、戦闘訓練も増やせる。
これは朗報だ。
スキルを入手するのは魔物から学習するだけじゃないからな。
普通のスキルは実際に入手してきてる。
訓練で入手出来るのは経験済みだし。
「こりゃあ俺も気合い入れないといけないな!」
「兄さん?」
「父さんが参加するんだ。弟に情けない姿は見せられねえだろ?」
「お互い頑張ろうね」
「たぶんキツくなるからな。体力作りも今以上に頑張らないと苦しいぞ」
「了解」
どんな訓練になるんだろうなぁ?
「おはよう、シュウ」
「おはよう」
「今まで、そんな体操してたっけ? なんか変な体操してたのは知ってるけど」
「増やしたんだよ。父さんに教わった体操」
「へぇ」
「マルクもやってみるか?」
「僕は僕なりにやるから大丈夫」
今日はダンジョンに潜らない日だ。
実戦は大事だけど、そればっかりってわけにもいかないしな。
ダンジョンで気がついた足りない部分を、ゴードン先生に矯正してもらう。
「そういえば、あの課題やった?」
「あの課題……。冒険者入門のヤツか?」
「そ。大変じゃない?」
「読むだけじゃん。気負わなけりゃ大丈夫だって」
「あ! その態度。もう読み終わったな?」
「うん」
「いいなぁ。めんどくさくて読む気にならないんだよね、アレ」
「まぁ、じっくり頑張れよ」
「はあ……」
大した情報量じゃないからな。
頑張ってもらうしかない。
前世でも今世でも本が好きな部類の俺からしたら、あれくらいの本は1日くらいありゃ読めるけど。
普段から活字に触れ合ってないと、キツいのかもしれない。
応援しかできないが。
「そんなんじゃ対応できないぞ!」
「はい!」
「もっと腰を入れろ。マルクは大振りになってきてるぞ!」
「はい!」
腰を入れる。
体重を乗せて振り抜くけど、けっして大振りにならないように。
最初から拳に力を入れすぎずに、インパクトの瞬間にピークを持ってくる。
言葉にして並べると、これくらいのことだけど実践するのが難しい。
武器を振るうのと共通するところと違うところがあるからな。
悪いクセとかあるみたいだし。
当然だけど体術も奥が深い。
得意な武器を使えない時や弾き飛ばされたりした時のために、こういうのも大切だ。
むしろ、こっちの方が基礎として重要なのかもしれない。
「ぎゃ!」
「まだまだ受け身の練習もしなきゃならないな! 大ダメージを負うことになるぞ!」
「はい!」
「もっと打ち込んでこい! 限界まで追い込め!」
「はい!」
とにかく基本に忠実に。
トリッキーな動きとか、今の俺には絶対に不可能だ。
「いって……」
「大丈夫? いつにも増してボコボコだね」
「まぁ体力が増えてきた証だと思えば」
「前向きだなぁ……」
実際に、そうだと思うからな。
体力が少なくて早々に脱落したら、ボコボコにはされないけど意味もなくなる。
実戦に限りなく近い実践にしないと。
攻撃と防御の切り替えとか意識せずに出来るくらいじゃないと。
いざと言うときに対応できないんじゃ無意味すぎる。
そこにフェイントとか入れていかないと、上級者とは言えないんだろうな。
今の俺の攻撃は素直すぎると思うし。
知性の低い魔物とか相手なら、それでゴリ押しも出来るかもしれないけど……。
そんな相手ばかりなわけない。
単純に強くなればなるほど、知性がある魔物の可能性も上がりそうだ。
どんな相手にも油断するつもりはないけどさ。
「よし、再挑戦!」
「え、もう休憩終わり!?」
「あぁ。さっきまでの組手を染み付かせたいし」
「じゃあ僕も付き合おうかな」
「無理はしてなさそうだな」
「ちょいと疲れてるくらいだよ。何より、あんまり置いてかれたくないからね」
「そんなら頑張りますか。俺も負けるつもりないし」
「先にギブアップしても良いんだよ?」
「絶対にイヤだね」
「よーし、ここまで!」
「「ありがとうございました!」」
今日も濃い1日だった。
スキルは入手できなかったけど、けっこう体術の基礎は学んだ。
身についたかと言われたら微妙だけど。
何発殴られたかな?
もちろん本気を出してないのは分かるけど、まさに大人と子どもの戦いだった。
躱す、防ぐ、反撃する……。
どれでくるのかも判別できなかった。
まだまだ道の入り口だってことか。
「腹減ったな……」
「動きまくったもんね」
「こればっかりは鍛えても、どうにもならなそうだよなぁ」
「確かに。……あれ?」
「どうした、マルク?」
「あの人、誰だろう? なんか、こっちを睨んでるような気がするんだけど」
「俺にも、そう見えるな。マルク……。なんか身に覚えは?」
「なんで僕なのさ。どっちかというと君を睨んでるんじゃない?」
「まったく身に覚えがないんだけど」
マジで。
あんな人、見たことないんですけど。
姉さんか、トーマス兄さんと同い年くらいに見えるけど。
関わったことないんだから、睨まれる覚えなんてあるわけない。
誰なんだろ?
あ、近づいてきた。
睨んでるような、じゃないな。
あれは間違いなく、俺のことを睨んでる。
「シュウ・アルウィン! お前に決闘を申し込む!」
「……えぇ?」
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