12話
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「はぁ……」
キッツイ!
何体か倒してるけど、あれから1個たりともスキルが入手できてない!
これって経験値的なことなのか、1回ごとの確率なのかも分からん。
いや……。
経験値だとしたら《脱兎》は初回で入手できたのが不思議になるのか。
だとしたら確率?
一応《脱兎》の経験値が異常に高かったって可能性もあるけど。
それが1発目に来る?
分からないことだらけだなぁ。
「シュウ、大丈夫? けっこう疲れてきたね」
「そうだな。思ったより消耗が激しいかも」
「初ダンジョンだもんね。僕もけっこうキてるよ」
「もう少しだけイケるか?」
「ラストスパートだね? 了解!」
付き合わせちゃって悪いけど、この雰囲気のまま少し続けさせてもらおう。
考えたくはないけど、アーマーアントからは《学習》できるスキルがないのかもしれないが。
鍛練にはなるからな。
「よーし! 今日は、ここまで! お疲れさん!」
「「ありがとうございました!」」
「各々課題も見つかっただろうし、次からのトレーニングに向けてイメージを持っておくように! では以上!」
「「はい!」」
帰ってきたな……。
どう考えてもゴードン先生の方が手強い相手だけど、やっぱり実戦じゃないと得られないものもある。
ここから無駄を削ぎ落として、良いところを伸ばしていく作業が待ってる。
これからはトレーニングと実戦の繰り返しだ。
今得てるスキルを伸ばして、さらに戦闘力を上げる。
他のスキルも入手して汎用性を高める。
そういえば。
《脱兎》の効果って、どんなんだろう?
ちょっと調べてみるか。
ーユニークスキル《脱兎》ー
パッシブ・格上の相手からの回避、逃走時の能力上昇
意識を集中させたら内容が分かる、天啓と同じパターンか。
ってことは天啓並とはいかずとも、かなり特異なスキルなのは間違いなさそうだ。
つまり将来的には天啓を複数得られるようなもの?
さすがに、そこまでではないか……。
貰えるものは貰っておくけどな。
今日は帰ろう。
自主練する体力は残ってない。
運動量自体は、いつもの訓練の方が絶対に大きい。
だけど独特のプレッシャーの中での実戦は、かなり疲労感も大きい。
家で錬金術の修行でもするか。
数は少ないけど魔石もゲットできたし、これを触媒に使えば良いだろう。
修復対象はそうだな、木の棒か何か適当なものでいいや。
身体強化、魔力操作、治癒術、錬金術……。
4つまとめて修行大作戦だ!
「シュウ、ちょっといいか?」
「なに、父さん?」
「今日は初ダンジョンだったらしいな。そこで少し早いがプレゼントを渡そうと思ってな」
「え、いいの!? ていうか初ダンジョンでプレゼント?」
「あくまで仮だが冒険者デビュー記念だ。いらんのか?」
「いるいる。いりますとも!」
「これだ」
「小さな鞄?」
ベルトとかに付けられるタイプの鞄。
僅かながら魔力を纏ってるのか……。
まさか、これ!?
「収納のマジックバッグ!?」
「そうだ、よく分かったな」
「高価な物なんじゃないんですか、これ!」
「気にするな。これは変化型だから、大して高くもない」
「変化型ですか」
「使用者に応じて容量が変化するタイプだ。魔力を流して契約しておけよ」
「はい」
「固定型なら高価になるが、それなら初心者冒険者でも頑張れば買えるくらいだ。気にするんじゃないぞ」
「ありがとう、父さん」
「忙しくて、あまり構ってもやれないしな。大事に使ってくれるとありがたい」
「大切にするよ」
やった!
魔石とか数が多くなる物が増えそうだし、こういうのは助かる。
固定型なら一般的な一軒家くらいの収納が固定されてるらしい。
本で読んだだけだが、伝説の大賢者の使ってた変化型は城が複数入れられるくらいらしい。
とんでもないな。
今の俺の魔力量だと、せいぜい机の引き出し2段くらいかな。
でも、いい。
容量を増やしていく楽しみができたってことだ!
いずれは俺も城レベル……は高望みしすぎか。
『アクティブスキル《魔力操作》を入手しました』
『アクティブスキル《錬金術・修復》を入手しました』
やっと入手できたー!
ずっと何日もトレーニングしてたのに、一向に習得できなかったから……。
何かしらの不具合があるのかと思ってたよ。
無駄じゃなくて良かったぜ。
こうやってスキル入手が分かりやすいのも、良し悪しあるな。
実力は少しずつ上がっていても、スキル入手できないと不安になる。
自信を持つべきところと、疑うべきところ。
自分で判断していかないといけないんだな……。
「これで次のステップにいけるな」
「そいつはめでたいな」
「うわ!? ルーカスさん!?」
「よっ! 順調に強くなってるか?」
「どうでしょう? 自分では何とも……」
「そりゃそうだ」
「ルーカスさんは擬似ダンジョン帰りですか?」
「あぁ。泊まりがけの訓練の帰りさ」
「お疲れさまです」
泊まりがけかぁ。
それで、いつもより荷物が多いんだな。
いずれは俺も、そういう訓練をすることになるんだろう。
当然だよね。
冒険者やってダンジョンに潜ったりするのに、毎回帰ってくるとは限らないわけで。
むしろ深いダンジョンになれば、ダンジョンの中で休むことの方が多そうだ。
泊まりも増えるさ。
比較的安全な擬似ダンジョンで経験を積むのは良いことだ。
まったく考えてなかった。
今の俺には早すぎるけど、いずれは色々と経験したいな。
……ソロだと大変そうだけど。
別に何が何でもソロじゃないと嫌だってわけじゃないんだけどな。
自分で出来ることは自分でやりたいだけ。
前世では自分の好きなように行動するなんて、ほとんど無理だったし。
「今度、一緒に潜らないか?」
「そういうのってアリなんですか?」
「担当教官に申請して許可が出れば問題ないよ。そもそも学園側も推奨してるしな」
「へぇ」
「実際に冒険者やってると、複数パーティでのレイド攻略も行われるみたいだし」
「なるほど」
難易度が高いダンジョンだったり大変な依頼だったりしたら、レイドもあり得るのか。
これも考えてなかった。
「ぜひ、お願いします」
「その時を楽しみにしてるよ。ウチのパーティは良いヤツばかりだから安心してよ……あ」
「どうしました?」
「俺たちは慣れてたけど、1人変わり者がいてな。もちろん悪いヤツじゃないんだが……」
「大丈夫でしょう、悪い人じゃないなら」
「まぁ今度会わせてみるよ。それでダメそうなら遠慮なく断ってくれ」
「分かりました」
「じゃ、またな」
「はい、失礼します」
変わり者……。
どんなパターンの変わり者だろう?
まぁ口ぶりからして、ほんとに悪い人じゃないっぽいし。
なんとかなるっしょ。
むしろ少しくらい変わった人との付き合い方も学んでおかないと。
今の俺の周りには、良い意味で普通の人ばかりだし。
一番変わってるのが姉さんかも。
あのブラコンぶりは。
好かれるのは嫌な気はしないけどさ。
下手したら客観的にみて俺が最も変わり者かもしれない。
変な行動はとってないつもりだけど……。
冷静に考えて、前世の記憶がある時点でね。
こっちの世界の常識外の行動をとってしまってる時があるかもしれないからな。
気をつけないと。
変なことで目立ちたくないし。
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