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5 スマン!と心の中では思ってます


 読者諸氏は最初から読めば分かるように、彼女はよくある転生ストーリーのような前世を思い出すと共に気を失うだとか、熱が出るだとか、命の危険に晒されるなどということは全く無いまま、朝自室の鏡の前に立ったと同時に『あ、転生してる』と、気がついただけという実にお粗末な気付き方・・・


 そして落ち着くために直ぐにポケットの中に手を突っ込み煙草の箱を探そうとする癖があるという事だけが判明しているのが現状である。



 何だろうオッサンだったのか?



 ただ、己の姿を見て『七五三みたいな格好』は、『ダサい』と判断したのは恐らく前世の審美眼だ。


 やたらと濃過ぎた化粧も慌てて入浴からやり直し、ペロっと拭き取りナチュラルメイクに変更させた為、ぶっちゃけ『七五三』の面影はなくなった。


 猫のような目はぎゅうぎゅう引っ張った髪型を解くと目尻が下がり程良い感じのツリ目になった。


 メイドにはクドいくらい物申して、清楚系メイクにやり直し。


 トレードマークだったであろうソフトクリームもかくや、というグリングリンの縦ロールはストレートヘアに戻され緩いハーフアップに変更した。


 そうして出来上がったイリスは、実父と古参の家令、メイク担当のメイド位しか誰だか分からない状態である・・・


 実の所、王子はこの清楚系美人ちゃんが、イリスだとは分からないんじゃないかなと思いながら眉根を寄せている公爵令嬢である。


 案の定王子様は、1番端の最後の位置に立ったイリスの前に佇むと困惑の表情をした。



 仕方ないよねえ・・・



 イリスの記憶通りなら、初めて御目通りをして以来あのお蝶○人もかくやという縦ロールと如何にも肌に悪そうな厚化粧、そしてピンクピンクした七五三のような衣装しか彼には見せていないはずだ・・・



 改めて



『スンマセン困惑するよね』



 と



『メイク一つでこんなに顔が変わるとか知らなかったんだよ』



 と遠い目をし、心中で王子に土下座する公爵令嬢。


 色んな意味でメイク恐ろしやと実感したイリスである・・・




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