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35 そして


 そして、あっという間に2年後である。


 アーレスとイリスは無事婚姻式を行った。


 王都の大聖堂で大々的に行われた目が覚めるような美男美女のカップルの婚姻式は王国民に熱狂的に祝われ、王都は飲めや歌えの大騒ぎが三日三晩続いた。









 彼女はあの後、無事に貴族学園を卒業し周りのご令嬢達と、ぶっといパイプを作り上げ、上級生からは『非の打ち所がないご令嬢』として、同級生たちからは『才女』として下級生からは『イリスお姉様』と絶大な人気を得た。


 因みに貴族子息たちからは『絶世の美女』と女神のように奉られたが、鬱陶しいのでほぼスルーで、ごくごく普通の所謂貴族としてお知り合いという程度の弁えたお付き合いであった。


 肉食系ヒロインは自分の目の前には現れず、平和な学園生活であったと言えよう。


 だって攻略対象者である王子がいない学園で何かが起こるはずがないのである。


 変わったことといえば婚約者として王城に通ううちに立太子したアーレス殿下の執務を手伝うようになり、王族の執務の激務に違和感を覚えて仕事の細分化に着手し成功して、臣下への仕事の配分を増やしたことである。


 それに伴い優秀な文官や武官の雇入れも増やし、行き場のない貴族の子息子女、特に2番目以降の優秀な人材の発掘を心がけた。


 王都や公爵領を手始めに領地経営もこのやり方を採用し、優秀な平民の雇用も積極的に取り入れさせ各領地に王家直轄の役所を配置した上に、各地に元々ある教会を上手く利用して国全体の識字率を底上げした。


 それと共にこれまで取り沙汰されることがなかった、平民の最低賃金を国として制定し転職や休業、怪我や病気などについても国をあげて補償制度を充実させた。


 平和な時は仕事がないと言われていた武官や騎士達は災害時の復旧作業に国として派遣し、国全体を警巡させるシステムに切り替えた。


 所謂自衛隊と警察を作ったのである。


 彼女は、そんな風に国全体を細かく見直すことにより、結果として緩やかな経済成長を促すことに成功していった。


 

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