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33 やっぱ役得だろ?! 


 『媚薬の凄い所って、ハジメテでも全然痛さを感じない事なのね~』


 思いがけず処◯喪失の憂き目に遭った翌日の早朝。


 まだまだ起き出すには早い時間だなと壁時計の針を確認しつつ、ボーッと昨晩の出来事を思い出す公爵令嬢。



 いや、確かにさ、痛かったのは痛かったのよ。


 でもさ~ 痛いんだけど、それ以上にカ・イ・カ・ンが勝っちゃってそれどころじゃなくなった・・・ しまいにゃ、自分でアーレス王子を押し倒し、騎乗位、座位、シッ○ス・ナインなんかもシまくった覚えがあるのよ。しかもアーレス王子もノリノリで、それを思い切り愉しんでいた・・・絶対だ。



 バッチリ外○しだったので、多分、きっと、恐らくだが、王国の後継者は身籠っていないだろうと思われる。しかし・・・しかしである。



『お互い媚薬でおかしくなっちゃってたとはいえ・・・絶倫かよ?! この人!?』



 イリスはいつの間にか王太子夫妻の寝室に運ばれており、身体も綺麗にして貰ったようで見慣れないガウンを着せられている。


 昨晩は色々な液体でシーツなんかぬかるんだ沼地のようになっていただろうし、なんなら自分の身体もべっとべとだったに違いない。



 なんだろな~ありがたいけど恥ずかしいよね。


 王宮勤めのランドリーメイドさんごめんなさい・・・犯人は王子と私です。



 しかも腰が重くて腹部には鈍痛が・・・これは隣で満足しきった顔でスヤスヤ眠っている、何故かお肌ツヤッツヤのアーレス王子のせいだろう。



 いや、自分も悪いんだけどさ~。



 悶々と考えているうちに、王子が目を閉じたまま片手で何かを探すような仕草をするのでその手に触れるとガッチリ体をホールドされた。


 反対の腕にはイリスの頭が抱え込まれているのに、である。



『ま、いいか。この人何か可愛いし。しかし、媚薬とか誰が仕込んだよ? ・・・ハッ! まさかフローラ様・・・イヤイヤイヤイヤいくらなんでもそれはないよね!?』


 

 とんだ濡れ衣である。


 王妃だったりしたらおそるべき醜聞だ・・・



 誰が媚薬を仕込んだのか謎は残るが、手っ取り早くアーレス王子を意図せず堕としちゃったな、とポジティブ思考へと切り替えることにした。


 ――でも最初から、選定の儀以来一目惚れで自分に堕とされちゃってるアーレス王子の事をイリスは全然知らない――



 まあ、いいや。どうせ彼と結婚するんだし。



 そもそも今世の貞操観念が薄れちゃってるイリスは初夜に拘る気はないし、アーレスだって今更気にもとめるまい。


 寧ろ昨日の王子の絶倫っぷりを思い出し、そのままナニもないまま2年間過ごせるなどとは到底思えない気がして、そちらの方がヤバいかもと気が遠くなりかけるイリス。



 特に世継ぎにつけよう・・・ 



 流石に正式な婚姻式前にコウノトリのお世話になるのは不味いだろう。



 特に父である公爵が泣くだろう・・・



 まあ、既に昨夜の時点で泣いているのは確定だが――


 柔らかなアーレス王子の金の髪を撫でているうちにだんだん瞼が重くなり、イリスはもう少し自分も眠るために目を閉じた。



「体力つけないと付き合えないかも・・・」



 眠りに落ちる寸前にボソリと呟いたイリスであった。




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