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25 エスコート


 今夜のパーティーは帝国の皇子と隣国の王子の2人と、それに伴われて我が国に滞在している侍従や護衛騎士達の慰労も兼ねた親睦パーティーである。


 そのため王国内の貴族だけでなく各国の外交官や、城勤めの武官、文官、侍女や侍従の一部も出席できるように取り図られた大々的なもので大広間を3つぶち抜き、庭園もライトアップされ開放される大規模なものだ。


 当然警備は此れでもかというくらい厳重で、見えないところに間諜まで配置されているという徹底ぶりである。









 婚約者であるイリスをエスコートする為に迎えに来たアーレス殿下は金色の前髪をキッチリとオールバックにセットしてあり、いつもより随分精悍で男らしく見えた。


 白いサテン生地に銀色の刺繍の入った貴族服はイリスの髪のように不思議な虹色の光沢を薄っすらと放ち、ドレスシャツは薄い菫色。


 同色のシャボをタンザナイトとプラチナで精巧に作りあげられたブローチで飾り、同じ宝石を大胆にカットしただけのシンプルなカフスが袖口でキラリと光った。


 王族であることを示す赤いサッシュを肩から腰に向かって斜めに掛け腰のあたりに首元のブローチと同じ意匠だが、一回り大きなサッシュ用の勲章を模した飾りで留めてある。


 胸には本物の勲章も幾つか飾られていたが。



「まあ、殿下その大きなタンザナイト・・・」


「君の瞳と同じ色の宝石を探すのに苦労したよ。やっと今日出来上がったんだ」



 照れたように笑う王子はなんだか少し誇らしげに見えた。


 そんな彼を見上げてふんわり微笑み、



「行きましょうか?」



 と、イリスは声を掛けて王子が差し出した肘にそっと自分の右手を添えた。



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