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23 夜会


 翌朝。


 アーレス王子からいつもの赤い薔薇と共に、彼の瞳の色を彷彿とさせる深いブルーのシルクタフタで作られた豪華なトランペットラインのノースリーブドレスが送られてきた。


 金色の糸で豪華な薔薇が刺繍されていて、キラキラと光る小粒のダイヤモンドのビーズが薔薇の中心に縫い付けてある。


 それに合わせたブルーサファイアの装飾品と白いレースのオペラグローブ、金色のシルクサテンベースに薔薇の刺繍と小粒のダイヤで飾られたキュートで上品なハイヒールも勿論一緒にだ。


 ドレスの箱に添えられていた王家の家紋の封蝋で閉じられた手紙には、明後日に開かれる他国の王子達2人と、彼らの従者達を招いて開かれる夜会の招待状が入っていた。



「大々的な夜会でもう1回牽制するって・・・」



 美しいドレスをトルソーにセットしながら盛り上がる侍女やメイド達を横目に、アーレス王子の手紙の内容に目を泳がせるイリス。


 牽制って、他国の皇子達のコトかしら?



「そうねえ、もう1回ねぇ~」



 そう言いながらウフフと笑い手紙を畳むと、



「大々的にやっちゃいましょうねアーレス殿下?」



 そう言いながら美しいドレスを撫でるのであった。









 夜会当日の朝から、安全確保のためにと迎えに来た王家の護衛騎士の集団にガッチリ守られて、登城したイリスは本宮の奥にある見知らぬ個室に通された。


 広々とした部屋の壁や家具、執務机に至るまで全て白と金を基調としており、天井には美しいシャンデリアがキラキラと光を反射して輝いている。


 出窓の上に女神と小さな天使達が花の咲き乱れる野原を散歩する構図のフレスコ画が描かれている贅を凝らした作りの部屋だった。


 イリスの専属侍女が、安全のため部屋の中を全て確認した際にドアの1つが寝室に繋がっていて、そこに大きなサイズの寝台がデデンと設置されていたのを確認後、微妙な顔で帰ってきたのでイリスもどうやらここが王太子妃の部屋なのだろうと気が付いてつい侍女と一緒になって無言になった。


 但しそのすぐ後で王妃の侍女達がワラワラと部屋に現れて専属侍女と一緒になってキャッキャウフフと楽しそうに語らいながら、イリスを夜会に向けてこれでもかというくらいもみくちゃにして磨き上げたので、部屋の問題は記憶の彼方に去っていったが。


 ヘトヘトになった上、オイルマッサージで気持ちよくなり、ちょっとだけ船を漕いでしまったのはナイショである。



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