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18 王子様は婚約者がお好き


 他国の王子の婚約者の顔を拝みたいのならきちんと前もって国王陛下経由で申し入れをすればいいだけなのだが、各国の王子様達の癖に何たる軽薄、何という迂闊さであろうか・・・



『全員乙女ゲーの攻略対象者なのかも・・・』



 乙女ゲームの攻略対象者はオツムがマジでどうかしていると考えている彼女なので、当然の如く遠い目になるのはお約束。それに比べると、婚約者であるアーレス王子は遥かにマトモかも知れないと胸を撫で下ろす公爵令嬢イリスである。









 さて、今日は無事に何事もなく王城の門を潜り抜け、一安心である。


 王族の住まう場所である王宮内の本宮前まで馬車が進み、緩やかな階段が続くエントランス前で止まるとノックの音がする。


 それに侍女が返事を返しドアを開けると婚約者であるアーレス王子が立っていた。



「今日は何事もなく無事だったみたいだね」



 彼は苦笑いをしながら、エスコートの為の手を差し出した。


 本当に冗談でなく、2日に1回はトラブルに出会うので、朝昼夕と移動の間気が抜けないのには辟易する。



「こんな大騒ぎになるのなら、あの子供のような格好を辞めるのでは無かったと少しだけ後悔してますわ」



 はぁ、と溜息を漏らしながら思わず遠い目をしてしまうイリスを見ながら困った顔で微笑む王子殿下。



「私の婚約者が傾国の美女と謳われた君の母上と瓜二つで、とても美しいと貴族達に周知されてしまい他国で評判になってしまった様だからね。でも私は君の美しい姿を見るのが好きだし、他の者達に向かって美しい貴女を自分の婚約者だと自慢するのも好きなんだよ。だから元に戻って欲しくは無いかな」



 ちょっとだけ耳を赤くしながら一生懸命言い募る王子を、『可愛いなあ~』 と思ってクスクス笑ってしまうイリスである。




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