１４ 知ること
先ずは乙女ゲームの基本として
１、ヒロインの共通点。
ヒロインは男爵、子爵辺りの御令嬢若しくは平民上がりの養子。イレギュラーとしては聖女。見た目はピンクブロンドか金髪、空色の瞳、若しくは最近の流行りで赤眼もあり。
体格はあくまでもヒーローによるのであまり参考にならないが男性の庇護欲を唆るようなタイプがマスト。
２、上手い具合に何故か攻略対象者に近づくスキルが高い
出会い頭のぶつかりスキル、迷子スキルが高く、わざとらしさ満載の自然な出逢いが彼女によって演出される。
そして不敬という不文律が吹き飛ぶ。
場所は貴族の通う学園が圧倒的多数だが、王城内や下町での出逢いなど攻略対象者に対する積極的なアプローチ方法を何度か試み最終的には対象者を攻略する技量は目を瞠るものがある。
３、世界の常識が通用しない
何故かヒロインの周りの攻略対象者は全て婚約者がいるが彼女自身を含めて男どもは常識が無い、若しくは彼女に感化されて吹っ飛ぶ。
ヒロインが魅了のスキル持ちだったり、平民寄りの場合は天然の明るさで周りを巻き込むのが常套手段であることが多い。
４、あくまでも性格はカワイイ寄り
裏の姿はさて置き全般的に天然と言えるほどの明るい性格であざと可愛さを全面的に打ち出してくる。
色っぽいというヒロインは少数派である。
又、大抵が料理が上手く対象者を胃から攻略する。
あと、特筆するとドジっ子性質である事が重要ポイントらしい←庇護欲を引き出す重要要素？
そして攻略対象者の婚約者達はそれに対抗しようとしても、高位の貴族故の気位の高さのせいか手を出せずに泣きを見る。
そして下手に手を下し大概失敗の上、婚約者と決別となる。
そこまで抜き出して、うーんと唸るイリス。
一夜明けて彼女は公爵家内の自室に戻った後、夜会で王子を先に攻略しとくか～ と軽く考えてはみたものの、敵を知ることから始めねばとノートとペンを片手に自分の中に眠る知識を抜き出すことにしたのだ。
そして一言、
「いや、なんだコレ駄目じゃね？」
