表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/40

12 王子チョロい?


 王子と2人で軽やかにファーストダンスを踊った後、他の候補者も混ざり貴族達の華やかなダンスが始まる。



 2年後イリスが18歳になると婚姻の運びとなる事が国王の宣言によってこの場で決定した。


 因みにどうでもいいかも知れないが、その時点で王子は20歳である。



 まあ、年の差としてはいい感じなんだろうね。


 やだなあ、その間にピンクブロンド若しくは金髪の薄い水色の目のペッタン胸の男爵令嬢あたりが現れてこの人攻略されちゃって自分は断罪後に国外追放とか修道院に送られちゃうのかしら? 


 エロゲだと娼館送り?



 ゲームだったら有り得そうな展開を頭で反芻しつつ、蕩けそうな表情で自分を見つめている王子に気が付かないまま、ダンスを続けるイリスであった。


 因みに父である公爵閣下は、国王夫妻と別室でこの期に及んで未だに揉めているのは想定内の出来事なのでこの場では割愛である。


 仲が良いほどよく喧嘩する~ とでも言っておこう。


 知らんけど。









「どうして、普段からその姿じゃなかったのかな? 君は?」



 王子に連れられて、手に果実水のグラスを持ったまま会場からバルコニーに移動した。



「何というか、子供時代との決別とでもいいましょうか。この夜会で女性として認められることに対するケジメですわ。今までは子供として周りから許されることも、これからはそうはいきませんでしょうし・・・」



 慌てていることをおくびにも出さず、上手い具合に言い繕う。


 流石元社会人だ。多分だが。



「成程。アレは子供のする我儘だったのか・・・しかし、貴方の美しさを何というか・・・」


「阻害していましたでしょう?」


「ああ。申し訳ないがそう思うよ」


「あれは、子供でいてほしいという、父の希望から来るものでしたので。本来ならこの様に控えめな衣装が好きなのですわ」



 上手いこと言うなぁ、自分。



「そうか。アレは父上が君に何時迄も子供でいて欲しいという願いだったのかも知れないね」


 

 上手いこと王子は理解してくれたようである。しかも結構良い感じで曲解もするようだ。


 ――単に彼は、公爵と両親のやり取りを知っているだけなのだが・・・彼女はその事実を知らないため、 



『うん。チョロいな王子』



 と、勘違いしてしまう。



 

『こんな感じにヒロインにも楽勝で攻略されるんかな~・・・』



 ちょっとばかり誤解もあるが概ね2人の相性は良い? のかも知れない・・・



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ