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11 君が婚約者


 指先に求愛を示されたイリス自身は、あら、良いのかなとコテンと首を傾げている。


 確かに最有力候補と言われているものの、自分はレージュ公爵家の一人娘である。


 後継者が居なくなってしまうんじゃないかなと更に首を捻ってしまう。



「殿下、少しだけよろしいでしょうか」


「何だい? レージュ公爵令嬢」


「今更ですが、我が家の後継者はどうなりましょうか? ご存知のように私一人娘なのですが?」


「大丈夫。後継者は派閥内で、キチンと教育するように陛下が同じ家門の親族に指示してあるよ」


「あら・・・さようでしたか。私自身がその辺りの事を、父から何も知らされておりませんでしたので。つまりはそういうことなのですね」



 つまり、公爵家としては私は王家に嫁ぐのだから公爵家の内情は教えなくても良い、と、当主である父が判断していたということかしら?



 本来の彼女なら、ここで父親を振り返り確認をしようとするだろうが、残念ながら今の彼女は妙に前世? の記憶がマッチしてしまったようでその辺りの機転が利くようになっている。


 だって冷静になろうとして自然とモクを探すくらいの大人である。


 多分、きっと社会人。かなりな大人だろう。ちょっとばかりおっさん臭いのが気になるが・・・



「分かりました謹んでお受け致しますわ」



 傾国の美女と謳われた母に瓜二つの美貌で優雅にニコリと微笑みながら彼女はスカートの裾を軽くつまみ王子に向けて膝を折った。



 会場は割れんばかりの拍手が巻き起こり、父である公爵は其れを見てガクリと膝をついた。



「そんなぁ・・・」



 公爵閣下、策に溺れ失敗の図。


 国王夫妻がキャッキャウフフと玉座で喜んでいるのが対象的であったという。


 笑。


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