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第百五十二回植物学会

作者: 灰色セム

・床から天井までを埋め尽くす書類の山々が雪崩を起こす。部屋が。その中、かろうじてベッドだとわかる場所でハルディンが寝ていた。紙束の隙間から太陽光が細く、差し込んでいる。

・ノックの音とともにリヒトが入室する

「先生。ジェルバ先生。起きてください。遅刻しますよ」

「んーー……あと五十分……」

「もう五十分経ちました」

「ふぅん……えっ?」


・飛び跳ねるように起き上がるハルディン。その衝撃で紙のタワーが一部崩壊する。


「――交通状況は!?」

「陸海空すべて混んでます。開始時間は確か……」

「三十分もないわね。ああん、やっちゃった。空間転移するしかないわ。ええと空間転移申請の書類は……」


 ハルディンが手を宙空に踊らせる。続々と雪崩を起こす書類の山から該当する物が抜き出され、彼女の手元へ滑り込んだ。


「わたしがしておきますよ。先生はご飯でも食べててください」

「ありがとう、助かるわ。申請先は会場でお願い。詳しい手順は向こうが教えてくれるから大丈夫よ。それじゃあ、よろしくね」

「はい、わかりました」


・指パッチンで書類が幻想的に舞い、綺麗に整理される。ついでに服が飛んでくる。

・着替え始めるハルに慌て、部屋から出るリヒト。

・空間転移魔法使用の申請シーン――行き先は第百五十二回植物学会の会場

・書類を見ながら電話をかける


「すみません、学会の参加者です。そちらの会場へ転移したいのですが……」

「では参加証を書類と重ねてください」


「……はい、確認できました。座標をお送りしましたので、認証をお願いします」

「あの、どうすれば」

「お手持ちの書類が青く光ったら、参加証をかざしてください。参加証が青くなったら認証成功です」


・青く発光する書類にそっと重ねられた参加証が、きれいな青に染まる。


「はい! 参加証が青くなりました」

「よかった。転移の際に参加証が必要となりますので、なくさないようにお願いします。……失礼ですが、転移魔法の経験はおありですか?」

「いいえ。あっ、でも先生なら、たぶん……呼んできたほうがいいですか?」

「大丈夫ですよ。ギリギリに申請される方はだいたい慌てていらして、魔法どころではありませんからね。高度な魔法の構築には時間がかかるものなんです。マニュアルを転送しますので、やってみてください」

「そうなんですか。ありがとうございます。ええと、ここの住所は――」

「それなら逆探知したので大丈夫ですよ。そろそろ届くと思いますが――」

「ひゃっ。あっ、はい! 届きました! ありがとうございます!」

「ふふっ、お役に立てたようで、よかったです。ではこれにて失礼いたしますね」

「はい! 失礼しますっ」


・スーツに着替えたハルがぱたぱたと階段を降りる。フリルのついたブラウスが豊満な胸と一緒にふるりと揺れていた。



・マニュアルを抱え庭に出る。緊張した面持ちで魔法陣を地面に転写する。ささやき、いのり、えいしょう、ねんじろ。


・ハルの準備が整う(ヒール(歩きにくいと愚痴らせる)かんざしでまとめられた髪(ふわりと香る香水とともに描写))描写

・小物

多機能ポーチ(発表用のメモリカードとか応急手当セットとか杖が3本(二本は予備)入ってる)

飾り気のない木製のタクトを収納したホルダー(後述する魔法の描写でふんわり記載する)

ボストンバック(香水がたくさん入っている)


魔法陣をしばし見つめるハル。


「すごいわ。初めてにしては上出来よ」

「えへへ……ありがとうございます」

「あとは魔力を通して、と……。さぁできたわ。準備はいい?」

「はい!」

「ふふっ。それじゃあ会場に行きましょうか」


しあげに呪文を唱えながら魔法陣に魔力を注ぎ、空間転移。


学会会場

・とにかく丸く小さい老人。コミカル。ハルをスカウトした師匠。

・半円形の会場(百五十人ほど収容できる)の空席でポヨポヨ跳ねる老人。


「ジェルバ教授が来ないねぇ。遅刻かな? あの子は少しのんびり屋さんだからねぇ……」


・モブが時計を見て老人を急かす。

・そこに転移してきた二人。

・座標は二人が割り当てられた席。


「ひゃうっ!? 先生、足元に人が!」

「あらら。ごめんなさい会長。お怪我はありませんこと?」

「やぁやぁ、ミス・ジェルバ。私はこれこの通り怪我ひとつないよ。なにせ毛がないからね。はっはっはっ!」

「うふふふ。お元気そうでなによりですわ」


・愛想笑いで包まれる会場

・モブに怒られる三人。

・ぽよぽよと会長が壇上へ飛んでいく。

・もう一度謝り、着席する二人。


「えーー、では改めて。今ここに第百五十二回植物学会の開催を宣言するよ」


・盛大な拍手。口笛。どこからともなく舞う紙吹雪。

・色とりどりの光が帯となり玉となり、会場を駆け巡る

・三回転し、振り向きざまに手を振ると袖から鳩が何羽も飛び出し、開いていた窓から大空へと羽ばたいてゆく。


「今日は忙しいなか時間を作ってくれて、ありがとう。植物学をメインに活動する者として、この盛況ぶりは素直に嬉しい。あつ、そうそうコレお土産ね。(竜転移の前フリ)」

「会長、時間です」

「ああ、ごめんよ。――さあ、みんなの研究成果を思う存分聞かせておくれ」


・一人二人と前に出て発表する。魔法使いは三十六人。助手は一人か二人。最大で学会参加者は九十名程度。スピーチは五分、質疑応答は五分。九十分で一コマ。休憩は十分。ニコマ→お昼休憩→ニコマで閉会。レッツ夕飯。


・お昼休憩中に余興を求められ、手品を披露するハルディン。

・手品のシメとともに鳴り響く警報。空間に亀裂が入り、天井と壁の一部にめり込んで出現するドラゴン(空間転移してきた)

・壁際にいたためドラゴンの手にすっぽりと収まってしまうリヒト


文字通り飛んできた会長とモブ(副会長)の指揮のもと、ドラゴンを拘束することに。拘束魔法の三段打ち。

(逃がせば被害が出る、暴れられたらリヒトが危ない)


・炎を防ぎ、拘束し、落ち着かせようとする魔法使いたち。会場運営スタッフも加勢する。単独では魔法を使えないリヒトが、ドラゴンの怪我に気づく。痛いから気が立っているのではと思いつき、もぞもぞ回転して応急処置を施しにかかる。


・ドラゴン

・会長が詠唱完了した転移魔法を発動。

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