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僕の母親探し  作者: K
1/2

学校

俺は、人が嫌いだ。何故かは自分でもわからない。本当なら今回の引っ越しもついていくことなく今まで過ごしたこの家にいるつもりだった。でも、付いて行ったら母親の手がかりがあるかもしれないと思った。だから付いてきた。それだけなのに・・・・・・

「はい、えー、それでは今日からここのクラスになる大狼(おおがみ) 天夜星(あやせ)君だ。えー、みんな仲良くするようにお願いな!」


ここはど田舎といっても過言ではないど田舎の高校。そんなところに引っ越してきた俺、(さっき聞いたと思うけどもう一度聞いてくれ)大狼 天夜星は今日が初登校日だった。


パチパチパチ・・・・・・ みんなつまんなそうに拍手をし、今日から俺の担任の松井先生が

「えー、じゃあ大狼の席は・・・ 一番後ろの窓側な。」 

「・・・・・・はい。」

「ほんじゃまぁ、授業を始めるぞぉ。えー、歴史の教科書125ぺージから、中2の復習で文明開花をちょこっとやってから今回の内容に入るからな。えー、以前に若い軍士によって犬養毅元首相殺害されたよな? この事件の名前を答えられる奴はいるか?」

「松ちゃん文明開花じゃないと思いまーす!」

「うるせぇ、大体あってればいいんだよ。しかも松ちゃん呼びやめろ。チョーク頭にぶち当てるぞ。」

「松ちゃんが怖いでーす。」


クラスに笑い声が充満する。俺はここからすぐに出て行きたかった。気持ち悪い。反吐が出る。


学校がやっと終わり、急足で家に向かう が、クラスメイトに囲まれる。


「なぁなぁ、俺は田中! お前何処からきたんだよ?」 「ちょっと大狼君が驚いてんじゃん! もう少し大人しくして!!」 といった具合に沢山話しかけて正直対応に困っていたし、うざいとも思っていた。 すると、


               「ねぇ、邪魔だからどいてくださる?」


      その場を制した凛とした声で割って入って来た一人の女子にを見た瞬間俺は思った。

             

               あ、俺こいつのこと好きになりそう


「ちょっと森川さん、大狼君の席の隣だからって調子乗んないでくれる?」

「あら、山崎さんからしたらそんなちっぽけなもので調子に乗るお馬鹿さんに見えてしまいますか? 私からしたらただ今日転校してきただけの大狼君に興奮しているお猿さん達にしか見えないのですが?」

「な、何よそれ・・・・・・ 悪かったわよ。」

「私も少し言いすぎたわ。ごめんなさい、山崎さん。ついキツイことを言ってしまうみたいなの。」

「全然大丈夫だよ! 私もなんか色々とごめんね!」


となんか友情が育まれました。おめでとう!イエイ!! みたいな場面ではもう俺はおさらばしていた。

見慣れない風景の中俺は新しい家に着いた。既に当たりは暗くなっており、夕日が真っ赤になりながら向こうの山から顔を沈んでいくのを見届けてから家に入った。表札には望月と書かれている家に。

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