真夏
濃い影を
アスファルトに刻み込みながら
手に負えない
暑さは帽子の上からも
カーッてその熱を
押しつけてくる
夜でも
その機械がないと
どうすればいいのだろうか
そこは
泣いて縋って尊べばいいのか
エアコンの風に
生かされてている
心の中に
薄赤い
靄がかかって、さ
やっぱり罪を犯さず
生きてゆくのは無理なんだろうか、ね
そういう誠実を
数えきれないくらい
選びつづけてきたけれど
むかし死んだ人の
声が聴こえたりするから
大きな満月がみえなかったとしても
12色で輝くちりばめられた星屑たちの
清冽なきらめく踊りを
みせてほしいと想ってしまった
雨もなく
雷だけが泣く真夏
どこにいても私のちいさな白い純情は
わがままな私に引きずられて
あらためて吹く風も知らず
どこへ行くのやら