目覚め
懐かしい夢を見た。
私も友人たちも中学生。舞台は体育祭。序盤に行われる100M走の途中から始まった。夢の中の私は先頭を走っていた。抜かされそうになりながらも一生懸命走っていた。あともう少しのところでしんどくなった。
―いつもここで諦めちゃうんだよなぁ。
心ではそんなことを思っていた。けれど、体は最後の力を振り絞ってラストスパートをかけていた。
―あれ、私諦めてない……。
体の感覚が妙にリアルで、気分の高揚さえ感じた。気がつけば1位だった。素直に嬉しいと感じていた。まさか、夢の中で“やればできる”なんて自信がつくとは思わなかった。
でもやっぱり夢は夢。
体育祭当日なのにチームもチームメイトもわからないとか、その場でチームリーダーを決めるとか(そしてなぜか私がリーダーになってしまうという…。)、なんの疑問も持たずに受け入れてるとか、好きだった人と素直に普通に話せている、とか。
ふと気がつくと目が覚めていた。
―夢、だったのか。
起きてすぐ、センチメンタルな気持ちに浸るとは思わなかった。少し経って、眠る前に見た某無料投稿サイトの動画のせいだと気がついた。どうも私は、周りに影響されやすいらしい。
そんな自分に呆れながらも受け入れつつある事実に驚きながら、朝の身支度を始めた。