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変態日本陸軍事情―火力はパワーだぜ!編―


『おっ、今年もこの季節か!』

『年に一度の命の洗濯だな!?』

『ここに比べれば内地は天国だぜっ!』


 ある者たちは、極寒の地から快哉を叫び。


『いよっしゃあぁぁぁ! この代り映えしない風景とおさらばじゃあっ!』

『いや、一時的なものだし。どうせ戻ってくるし』

『なら、おまえは除外な?』

『それだけは勘弁してくれ!?』


 またある者たちは、灼熱の南国からの脱出を切に願う。

 この光景は海外領土に展開する帝国陸軍の秋の風物詩と化していた。


 軍人となった平成会のモブ――いわゆる平成会派は年に一度勉強会を実施しており、史実知識を活かして近代兵器とその運用について熱心に説いていた。その招待状を文字通り一日千秋の思いで待ち受ける者が大勢いたのである。


 内容がどのようなものであれ、勉強会に喜び勇んで参加する者など酔狂扱いされてもおかしくない。しかし、過去のやらかしで僻地に左遷(とば)された将兵となると話は違ってくる。


 勉強会は、大手を振って内地に帰還出来る数少ないチャンスであった。

 娑婆(しゃば)の空気を吸いたいがために、彼らは勉強会に執着していたのである。


『……で、箸にも棒にも掛からないどころか、現状では害悪にしかならない軍人はどうするんです?』

『勉強会で再教育してから中央に戻す。このままだと陸軍の組織運営に支障が出てしまう』


 問題行動を起こした軍人の再教育も勉強会の目的であった。

 その中には、やらかし済みの旧満州派の将兵たちも含まれていた。


 新兵を一から教育するよりも再教育したほうが早いし安上がり。

 うまくすれば、史実で問題を起こした軍人を矯正出来る。


 さらに言うならば、この世界の帝国陸軍は志願制であった。

 史実の如く、兵士を一千五厘の消耗品の如く扱うことなど到底許されるものではない。


 将校であれば、兵士以上に補充が難しい。

 一将功成りて万骨枯るとまでは言わないが、一人前の将校を養成するのにかかっているコストを考慮すると安直に更迭(こうてつ)することは不可能であった。


 たとえ勉強会で再教育しても効果が出るかは未知数であった。

 それでも未来の破滅を回避するためにやらないわけにはいかなかった。陸軍の平成会派にとって、勉強会は必須事業と化していたのである。


『勉強会に参加すればただ酒が呑めるらしいぞ!?』

『本当かそれは!? これは参加するっきゃねぇ!』


 とにもかくにも参加してもらう必要があったので、勉強会の参加者には相応のエサが用意された。陸軍内部の不平不満のガス抜きを兼ねていたというのもある。もちろん、経費は全て平成会派持ちであった。


 そのせいか、勉強会の黎明期はただ酒目当てで参加する将校が大多数であった。

 勉強会の締めは熱海の旅館でどんちゃん騒ぎすることが恒例だったのである。これは今も変わらないのであるが……。


『酒を飲ませろっ!』

『ただ飯を食えると聞いた!』


 勉強会の噂は海軍にも伝わっていた。

 海軍随一の酒豪と力士並みの体格の大食漢によって、海軍でも勉強会が始まるのに時間はかからなかった。


 勉強会を重ねていくうちに純粋に勉強会に参加する者も増えていった。

 その結果、親平成会派とでも言うべき派閥が形成されていった。彼らの活躍によって、陸海軍のドクトリンは大きく変化していくことになった。


『おれはこの程度で終われる男ではない……!』

『勉強会で実績を残せば再び昇進の道も開けるはずだ!』

『これまで磨いてきた技術を書類整理で腐らせてたまるか!』


 ちなみに、統制派の将兵たちも勉強会には熱心に参加していた。

 旧満州派のやらかし後の報復人事――いわゆる昭和の大粛清で巻き添えを喰らう形となった彼らは返り咲きのために必死であった。


『うむ、こういう空気は嫌いではないぞ。若返った気分だな』


 その中には勉強会に喜び勇んで参加する禿げ頭――もとい、頭頂部が寂しい眼鏡の大佐殿もいたりしたが。当初は返り咲きのために参加していたのが、いつの間にかに純粋に勉強に勤しんでいたのは生粋の秀才らしいと言うべきか。


 毎年、勉強会になると水を得た魚の如き成績を叩き出して教官モブを驚愕させたのは言うまでも無い。その結果、彼は左遷先の久留米の歩兵旅団長から陸軍省(出世コース)に舞い戻ることに成功していた。


『邪魔するぞ』

『大佐殿!? 何故ここに?』


 なお、舞い戻った足で陸軍省の『タヌキの巣』へ顔を出したのは別の話である。

 勉強会で平成会派に好意を持った彼は、総理に就任してからも恩義を忘れていなかった。


 それは同時に地獄の始まりでもあったが。

 2代目丸眼鏡の悪魔によって、陸海軍の平成会派は馬車馬の如くなんて言葉が生温いくらいのブラック環境に晒されることになる。


 1935年10月上旬。

 今年も恒例となった平成会主催の陸軍の勉強会が開催されようとしていた。


『時は来た! 今こそ偉大なるステイツを無法者どもから解放し、法の光をもって照らし出すのだ!』


 同年1月に勃発したアメリカ内戦は、今年の勉強会に多大な影響を与えることになった。仮想敵国のアメリカが内戦に突入したことにより、軍事費が大幅にカットされるのは既に決定事項であった。


『新型戦艦の建造が間に合って良かった。もし来年にずれ込んでいたらと思うとゾっとするな』

『どさまぎで予算を分捕っておいて良かったぜ』

『アメ公がサウスダコタ級を追加配備してくれたおかげだな』

『まさか敵に感謝することになるとはなぁ』


 海軍にとっては幸いなことに、前年から建造を開始していた3隻の新型戦艦関連の予算は認められた。戦艦派が胸をなでおろしたことは言うまでも無い。


『代わりに戦艦以外の艦艇の建造が軒並み中止に追い込まれたけどな……』

『駆逐艦はともかく、巡洋艦の数が足りんぞ。どうすりゃいいんだよ!?』

『あの時戦艦派の連中を抹殺しておくべきだった!』


 代わりに、それ以外の艦艇の建造は軒並み延期か中止にされていたが。

 おかげで戦艦派はそれ以外の派閥から猛烈な恨みを買うことになった。


『アメリカが内戦に突入した今こそ、装備を更新するべきだ!』

『これまで海軍に振り回されて予算が無かったからな……』

『英軍の装備の進歩は著しい。このままでは共同作戦が取りにくくなる。装備の刷新は急務だ』


 新型戦艦の建造以外は軒並み予算カットされた海軍とは違い、陸軍は予算の増額が認められた。これまで海軍の艦艇建造で予算を喰われたせいで、装備の更新が遅れ気味だったからである。


 様々な事情が作用したとはいえ、今回の陸軍の勉強会では多くの新装備が採用されることになった。後世の歴史家たちは1935年の勉強会をエポックメイキングと評することになる。







「……元来、下士官用に開発された14年式拳銃は大型で将校用拳銃としては不適です。新たな拳銃を開発する必要があるでしょう」


 勉強会の会場に指定された平成銃器株式会社。

 その会議室では陸軍の新型制式拳銃についての話し合いがもたれていた。


 平成計算機工業の一部門が独立して出来たのが平成銃器である。

 現在は陸軍や同業銃器メーカーの下請けに甘んじていたが、技術モブたちは今回の勉強会で成果を挙げるべく燃えに燃えていた。


「将校用の拳銃をわざわざ開発する必要があるのかね? これまで通り輸入すれば済む話だろう」


 銀茶の襟章を付けた士官が異議を唱える。

 彼は陸軍兵器行政本部で勤務する主計大佐であった。


 陸軍兵器行政本部は兵器資材の製造、修理、調弁、貯蔵、補給を一元的に処理する部署である。その業務には陸軍で使用されている自動拳銃の調達も含まれていた。


『日本が条件付きとはいえ輸入を解禁したぞ!?』

『今がチャンスだ! バスに乗り遅れるな!!』

『1個でも多く商品を売り捌くんだっ!』


 1932年7月上旬。

 一時的断交により中止されていたアメリカからの輸入が再開されていた。


 スターリングブロックに所属している日本は、英国の植民地や自治領と自由に貿易すること可能であった。英国本国の了承さえ得られれば、スターリングブロックに加入していない国家とも個別に貿易出来たし、満州国を介することでマルク・元ブロック圏の国家とさえ交易も不可能ではない


『でも、日本に何を売る?』

『そりゃあ、石油じゃないのか?』

『今の日本は産油国だぞ。石油なんぞ買ってくれねぇよ』


 この朗報にアメリカの輸出業者が色めき立ったのは言うまでも無い。

 しかし、程なくして彼らは輸出品の売れ行きの悪さに頭を抱えることになった。


 この世界の日本は産油国であるし、日英同盟で各種資源はお友達価格で輸入出来る。アメリカンビーフは韓牛(コリアンビーフ)に価格で勝てないし、カリフォルニア米はオーストラリア米に以下略。


 ならば品質で勝負といきたいところであったが、国産ブランド相手に歯が立たなかった。それでも必死になって輸出攻勢をかけた結果、アメリカ側が想像もしていなかったものが日本で大うけしていた。


 その数少ないメイドインUSAが映画と自動拳銃であった。

 特に自動拳銃は赤字出血大サービスとばかりに価格破壊しており、そのコスパの良さから陸軍だけでなく海軍の将校たちもこぞって購入していた。


 扱いやすく信頼性抜群。

 しかも破格の値段で購入出来るとあって、警察など官公庁でも現在進行形で導入が進められていた。


 仕事柄、主計大佐は14年式拳銃の製造コストを知悉していた。

 米国産と国産でダブルスコアが付きかねないほどの価格差がある現状で、わざわざ国産拳銃を新規開発する意義を見いだせなかったのである。


「現在のアメリカは内戦の真っただ中です。今後は継続的な輸入は難しくなるでしょう。それくらいならば、将校用としても使用出来る国産の中型拳銃で全てを代替してしまったほうが長期的にコストを抑えることが出来ます」


 これに対して、平成銃器の技術モブが真向から反論する。

 彼は現状ではなく、将来を見据えた提言をしていた。


「確かに輸入量は減っているな。市場に出回っている在庫が尽きたら値上がり不可避か……」


 アメリカ内戦の影響は確実に出始めていた。

 例年と比較して、輸入される米国製自動拳銃は確実に減少していたのである。


「それにス式短機関銃の後継銃の問題もあります。いい加減に使用弾薬は9mmに統一するべきでしょう」

「確かにそうだ。輸入する弾薬が安いからと気に留めてもいなかったが、弾薬が共用出来ねば短機関銃の意味が無い」


 この世界では第1次大戦時にステンガンが開発されていた。

 史実でもアホみたいに製造コストが安かったステンガンだったが、円卓の技術チートも加わったことで高品質を維持したまま大量生産が実現。そのコスパは頭がおかしいレベルに達していた。


 西部戦線に派遣されていた帝国陸軍2個師団にも補給物資として供給されており、軽便簡易な火力投射手段として現地の日本兵から大歓迎された。製造権を買って自国生産するよりも安かったので、戦後になってからも帝国陸軍はス式短機関銃として輸入していた。


 その一方で、軍用拳銃の開発は史実と同じ流れであった。

 現場では8mm南部弾と9mmパラベラム弾が混在する非効率な状況になっていたのである。


 軍用拳銃と弾薬を共用出来るからこその短機関銃と言える。

 実際にス式短機関銃運用している部隊からも、弾薬をどちらかに統一するべきという意見は日増しに強くなっていた。


『製造コストがかかるんだよな8mm南部弾は。現状だと9mm弾のほうが圧倒的に安い』

『8mm南部は形状のせいで閉鎖機構がどうしても複雑化してしまう。9mmだと簡略化出来るから、こっちを採用したい』

『ストレートネックにして強装薬の高速弾にするという手もあるが、需要が無いからなぁ』


 無論、どちらの弾薬が良いかなんて論ずるまでもなかった。

 開発に携わる技術者だけでなく、実際に運用する兵士たちも圧倒的に9mmパラベラム弾を支持していたのであるから。


「将来的な米国製拳銃の調達の不安に加えて、拳銃と短機関銃の弾丸統一問題か。ここまで問題が出そろうと反対しにくいな……」


 数々の問題を指摘されたことで件の主計大佐も弱腰となる。

 国産の自動拳銃の開発が決まったのは、まさにこの瞬間であった。


陸軍兵器行政本部(行本)の意見の取りまとめは任せてもらおう。ただし、条件がある」

「可能な限り安く作れ、ですね?」


 念押ししてくる主計大佐に技術モブは内心で苦笑する。

 とはいえ、言っていることは間違っていない。


「うむ。米国製並みとまでは言わんが、さすがに倍額だと説得材料に欠けるからな」

「了解です。プレス加工を多用して可能な限りお安くしてみせましょう」


 大量に調達することになるので調達単価は安いに越したことはない。

 このことは契約条件にしっかりと記載されることになる。


 1935年12月。

 陸軍兵器行政本部より、次世代軍用自動拳銃についての開発計画が告示された。


 求められた性能は以下の通りである。


・従来品に比べて安価に調達出来ること。

・使用弾薬は9mmパラベラム弾にすること。

・劣悪な環境下でも整備分解が容易であること。

複列弾倉(ダブルカラム)を採用していること。


 この計画に多数の銃器メーカーが参加したものの、求められた条件の厳しさに大半が辞退することになった。最終選考まで残ったのは平成銃器と中央工業のみであった。


『あっちが出してきたのって、完全に史実のニューナンブM57じゃねぇか……』

『なんの、こっちだって史実のグロックだぜ! ポリマーじゃなくてベークライトでフレーム作ったけど』

『流石にベークライトでフレームを構成するのは無理があるんじゃないか? あ、フレームにひびが……!?』


 提出された二つの銃は陸軍の試験隊によって過酷なテストを受けた。

 最終的に中央工業の提出した銃が『九七式自動拳銃』として採用されることになる。


 なお、短機関銃については陸軍兵器行政本部が独自に開発を進めていた。

 開発は順調で大きな問題も無く、このまま行けばドイツ帝国が採用しているMP18に毛が生えたような短機関銃が採用されるはずだったのであるが……。


『9mmオートの製造に投資した分を回収出来ないと会社がヤバいぞ!?』

『いざとなったら支援をくれるだろうが、周囲の視線が痛くなるだろうな……』

『サブマシンガンなら製造ラインを流用出来る。陸軍の同志に口を利いてもらおう!』


 新型軍用拳銃のトライアルに敗れたことで危機感を募らせた平成銃器は、史実のウージーを丸パクリした新型短機関銃を突貫で作り上げてデモンストレーションを実施。これが陸軍のお偉方の目に留まることになった。


 平成銃器の新型短機関銃は砂塵に強く、しかも着剣可能であった。

 コンパクトなサイズの割に重かったが、その分フルオート射撃が安定していて命中率も高かった。とはいえ、これだけならば陸軍兵器行政本部が提出したモデルと大差は無い。


 大きな差が付いたのは製造コストであった。

 双方のモデルでは、価格と納期に大きな差があったのである。


 平成銃器が提出したモデルは大量生産に適したプレス加工を多用していた。

 これは最初から輸出を前提にしていたからに他ならない。


 陸軍兵器行政本部側は新型短機関銃を空挺や騎兵隊用途向けにしか考えていなかった。切削加工と木製銃床という構造は少数生産には適してはいたが、実際の製造には手間がかかってしまう。結果的に納期と価格を押し上げることになってしまった。


 急遽実施されたトライアルの結果、新型短機関銃は平成銃器の案が採用された。

 九八式短機関銃名で制式採用された本銃は、宇治式短機関銃という製品名で大々的に輸出されることになるのである。







「……現在の主力である八〇式自動小銃の今後の運用について忌憚なき意見をお聞かせ願います」


 拳銃や短機関銃についての話し合いとは別の部屋。

 熱気あふれる室内では、歩兵の主力兵器たる自動小銃についての議論が交わされていた。


「八〇式は反動がきつい。連射すると照準がぶれて命中率が落ちてしまう」

「だが、その分遠くまで届く。修正射撃で接敵までに命中させるのは容易だ」

「大陸だと交戦距離が長くなりがちだし、陣地に籠って射撃するから問題は無かったな」


 八〇式を実際に使っている兵士たちから様々な意見が出される。

 多数の意見が出されたが、概ね肯定的な意見で占められていた。


 彼らの大半は、過去のやらかしで左遷された旧満州派であった。

 古巣の関東軍は装備面で優遇されており、八〇式自動小銃を定数いっぱいまで装備していたのである。もっとも、口さがない連中からは師団規模の実験部隊と陰口を叩かれてもいたが。


 それでも、八〇式自動小銃で実戦を経験している事実には変わりない。

 彼らは今回の議論には必要不可欠な人材であった。


「……それでは資料の56ページをご覧ください。今後予想される戦場は太平洋における島嶼戦、同盟国であるマハルリカ共和国でのジャングル戦になるでしょう。本案件への忌憚なきご意見を求めます」


 現状における八〇式自動小銃の運用に問題が無いことを確認した後に新たな議題に突入する。むしろ、ここからが本題である。


「島嶼戦ってことは砂浜への上陸か。不安定な足場で命中させるのは難しいかもしれんな……」

「ジャングルでの戦闘というのもちょっとなぁ。反動きついから、いきなり出くわしたら命中させる自信が無い」

「補給無しで長時間行軍する可能性を考慮すると携行弾薬は増やしたい。昔、ドイツ兵とやりあった時はあっという間に弾切れになったからな」


 途端にあふれ出す八〇式へのネガティブ意見の数々。

 想定される戦闘環境の変化は、運用の工夫という兵士の努力ではどうにもならないレベルであった。


 第一次大戦時に英国海外派遣軍(BEF)が使用したバトルライフル(Rifle No.4 Mk 3)は平成会の技術モブたちに衝撃を与えた。彼らが手っ取り早く自動小銃を完成させるべく、史実のAK47をパクろうと考えたのが八〇式自動小銃開発の発端である。


 銃本隊の構造はAK47のコピーであるが、使用する実包は三八式普通実包(史実九九式普通実包)であった。オリジナルの7.62x39mm弾に対して初速はほぼ同等であるが、エネルギーは5割増しで反動が強すぎることは開発当初から懸念はされていた。


 しかし、史実では同弾薬を使用した四式自動小銃が開発されて一応の成功を収めたので問題無いとされて開発は続行された。結果として、八〇式自動小銃はアホみたいに頑丈でローコストな自動小銃として完成を見た。


 泥に浸けても作動する銃本体を見た陸軍のお偉方は武人の蛮用に耐えると激賞した。実際に試射したら反動が強すぎてフルオート射撃の制御など出来たものでは無かったのであるが。


『なんじゃこりゃ!? 反動が強すぎて制御出来んぞ!?』

『これでは発砲しながら突撃するのは難しいな……』

『中間弾薬じゃなくて、フルサイズ弾薬で作るからこんなことになるんだよっ!?』


 実際に試験した陸軍の平成会派は八〇式を駄作銃扱いしていた。

 生前に叩き込まれたCQC(Close-quarters Combat)には、強すぎる反動は邪魔でしかなかった。


 フルオート射撃のコントロールが困難であろうとも、安くて信頼性が高い自動小銃であることには変わりない。帝国陸軍の上層部が配備を強行した結果、平成会派の懸念の声はかき消されてしまった。


 その一方で、関東軍では八〇式は高い評価を受けていた。

 これは前提となる戦術が根本的に違っていたからに他ならない。


 関東軍――旧満州派の兵士たちは、八〇式を連発出来るボルトアクションライフルとして運用した。指切りによるバースト射撃が基本であり、連続フルオート射撃の機会は限られていたので問題は顕在化しなかった。


 Rifle No.4 Mk 3を運用していた英軍でも同様の事例が見られた。

 セレクターをセミオート(単発)にしてしまえば、あとは弾切れまでひたすら引き金を引くだけ。マッド・ミニットが簡単に出来るライフルとして第1次大戦時のBEF兵士からは重宝されており、フルオートが使用されることは滅多に無かった。


 この時代は小銃の交戦距離が長く、それ故にフルサイズ弾薬が必須であった。

 仮に八〇式に中間弾薬を採用した場合、平成会派以外からは威力不足の駄作銃呼ばわりされる可能性が高かったであろう。


 史実のベトナム戦争において、M14はM16に取って代わられた。

 逆にアフガニスタン紛争以降は、M14を狙撃銃として引っ張り出すことになった。


 最適な小銃を決定する要素は威力でも射程でもない。

 使用する実包が想定された戦闘環境に適応出来るか否かが全てなのである。


「今後想定される戦場においては、より小口径の弾薬が必要になるでしょう。イギリスは既に動いています。資料の70ページをご覧ください」

「こ、これは……」

「小さすぎないか? 威力不足になりそうで不安なのだが?」


 ページの真ん中を占領する三八式普通実包よりも明らかに小型な小銃弾。

 資料に掲載されていたのは、史実の280ブリティッシュ弾であった。


 今後想定される戦場では、フルサイズ弾薬は威力も射程も過剰過ぎた。

 かといって、拳銃弾では非力に過ぎる。


 史実における280ブリティッシュ弾は拳銃弾とフルサイズ弾薬の中間――いわゆる中間弾薬として開発された。この画期的な弾薬を使用を前提に設計された新型自動小銃は、ブルパップ式レイアウトと光学照準器を備えた革新的な存在になるはずであった。


 しかし、脳筋なヤンキーのごり押しでNATO弾は7.62mm弾に決定。

 メイドインブリテンな画期的自動小銃は歴史から葬り去られてしまったのである。


「イギリスはこの弾薬の使用を前提とした新型小銃の配備を進めています。同盟国として共同作戦の可能性を考慮すると決して無視するわけにはいかないでしょう」

「小口径化していますが、改良によって高速化しています。威力低下はある程度補えます」

「弾丸の重量が軽くなる分、携行出来る弾数も増えます。長期戦に有利になるでしょう」


 ここぞとばかりに280ブリティッシュ弾の採用を訴える平成会派のモブたち。

 生前は89式小銃にしか触れたことのない彼らからすれば、中間弾薬の採用を拒否る理由は何処にも無い。むしろ、全力で推進するべき事案であった。


「まぁ、こういうのは実際に見てもらったほうが早いでしょう。おーい、準備はどうだ?」

「オーケーです。電気消しますね」


 モブが言うが早いか室内は真っ暗になる。

 続いて奥の壁から放たれる一筋の光が即席の銀幕を照らし出す。唐突に始まったのは上映会であった。


『GOGOGOGO!』

『MOVE! MOVE!』

『じゃまだ貴様らぁ!』


 銀幕の中で突撃する兵士たち。

 訓練された動きでゾンビを射殺しながら駆け抜ける。


 その洗練された動きに出席者たちは大いに感銘を受けることになった。

 上映会終了後は技術的な検証が話し合われ、次世代自動小銃の詳細が煮詰められていったのである。


 次世代新型小銃は1938年に『九八式突撃銃』として制式化されることになる。一回り小型化されたものの、構造そのものは八〇式自動小銃を踏襲したおかげで武人の蛮用に耐える堅牢さは継承されることになった。


『これだよこれ! やっぱりこれが付いてないと!』

『この時代にピカティニー・レールを採用出来たのはデカいぞ。オプション装備の開発が捗るな!』

『史実のM4みたいにゴテゴテするのは遠慮したいんだがなぁ……』


 九八式突撃銃は、ただ小型化しただけでは無かった。

 平成会派の先見の明によって、史実のピカティニー・レールが採用されていたのである。


 その結果、この時代としては異様にオプション装備が豊富な自動小銃として名を遺すことにもなった。


 初期段階でもレールカバーやキャリングハンドルが設定されており、後にはフォアグリップやサプレッサー、オプティカルサイトやグレネードランチャーまでもがオプション設定されることになる。


『バカヤロー! こんなに反動がきついとか詐欺だろ!?』

『サバゲーと実戦で同じ動きが出来なきゃ訓練の意味ねーだろうが!?』

『こんなクソ銃が良いって言ってるヤツは頭がいかれてるぜ!』


 ちなみに、九八式の配備を最も喜んだのは旧関東軍以外の兵隊サバゲーマーたちであった。八〇式のガスガンで慣れていた彼らは、遅ればせながら配備された実銃の反動の強さに辟易してしまったのである。


 ふざけているようにも思えるが、兵隊サバゲーは実戦に即していないと意味が無い。実銃とガスガンで動きが変わるなど論外としか言いようが無い。平成会派が主導した新型小銃の開発がスムーズにいったのは、彼らの後押しがあったからこそと言えよう。







「……こちらが数の上で現在のドイツ帝国の主力戦車である2号戦車。こちらはソ連の主力戦車であるT-32になります」


 平成車体株式会社の製造工場の一角。

 広い空間には鉄とオイルの臭いが漂い、壁には山とタイヤが積まれる。その片隅には戦車兵を中心とした集まりが出来ていた。


 平成車体は平成会傘下のグループ企業である。

 この世界で国内8番目の自動車メーカーにならんと奮闘している会社であった。


 現在の主な業務内容はカスタマイズ事業であり、メーカーから購入した車体を改造して付加価値を付けて販売していた。立ち位置的には史実の光○自動車に近いが、軍用車両も手掛けているのが最大の違いと言える。


「アメリカ連邦の戦車については残念ながら詳細なスペックは不明です。しかし、これらと同等の性能を持つと仮定する必要はあるでしょう」


 参加者に配られた資料には、英国から提供されたドイツ帝国とソ連の戦車の詳細なスペックが添付されていた。しかし、肝心の仮想敵国である米連の戦車については性能の一切が不明であった。


「ちょっと待ってくれ。こんな化け物を相手にしなきゃならんのか!?」

「以前戦ったドイツ戦車とは完全に別物じゃないか!?」

「八七式だと正面から対抗するのは不可能だぞこれは!?」


 欧州産の鋼鉄の猛獣を見た戦車兵――旧満州派の戦車兵たちが悲鳴を上げる。

 彼らは帝国陸軍で対戦車戦闘を経験した唯一の存在であったが、当時と現在の戦車の性能差はあまりにも隔絶していた。


 登場した時点での八七式中戦車は画期的な性能を有していた。

 だからこそ、満州事変でドイツ帝国の1号戦車相手にワンサイドゲームを決めることが出来た。


 しかし、独ソという二大陸軍国家のガチ殴りあいは両軍の戦車を飛躍的に進化させることになった。満州事変以降、長らく平和を貪っていた帝国陸軍は完全に置いてけぼりを喰らっていたのである。


「皆様方のご懸念のとおり、アメリカの戦車が独ソの戦車と同等と仮定すると現状の八七式で対抗するには厳しいものがあります。この問題を根本的に解決するためには、新型戦車を開発するしかありません」


 新型戦車と聞いて、戦車兵たちはどよめく。

 陸軍兵器行政本部では、原乙未生(はら とみお)陸軍少将が中心となって新型戦車の開発が急ピッチで進められていた。


 平成会の介入によって方向修正されたとはいえ、八七式は史実チハの歩兵直協――移動トーチカとしての性格を残していた。新型戦車は対戦車戦闘に特化して火力・装甲・機動力のバランスが取れた中戦車になるはずであった。


 とはいえ、平成車体の技術モブは新型戦車を重要視していなかった。

 現時点で設計にすら関われていないのだから、興味を持てと言われても無理筋であろう。


「しかし、最近の国際情勢を鑑みると新型戦車の完成を悠長に待ってはいられません。そこで八七式を改良することで対応します!」


 技術モブにとっての本命は八七式の強化プラン(以下、改型)であった。

 いつ完成するか分からない新型戦車よりも、既存の戦車を改良したほうが手っ取り早い。事業案件として飯のタネになってくれれば、言うこと無しである。


 新型戦車の開発は未だに基礎研究の段階から抜け出せておらず、早期の戦力化が危ぶまれている状況であった。それもこれも、一足飛びで史実の五式中戦車相当の戦車を開発することになったことが原因なのであるが。


 火力を上げるためには大口径の大砲が必要であるが、搭載スペースを確保するには大きな車体が必要となる。その結果、大砲と車体の相乗効果で自重は爆上がりとなる。


 防御力を上げれば装甲ガン積みで重量が増える。

 車体が大型化しているので、装甲が必要な面積が増えて自重は以下略。


 爆上がりした重量を従来のシーソー式サスペンションで支えるには無理があった。それ故に、新しいサスペンションを開発する必要も出てくる。


 大重量なのに機動力を確保しようとすれば、当然の如く大出力のエンジンを開発する必要が出てくる。完全に負のスパイラルに陥った陸軍兵器行政本部からすれば、平成車体の提案は渡りに船だったと言える。


 陸軍兵器行政本部は改型に対して以下の条件を要求した。


・早急に戦力化出来ること。

・欧州の戦車を正面から撃破可能な火力を確保すること。

・欧州の戦車の攻撃に抗甚出来るだけの防御力を備えること。

・機動力を損なわないこと。


 頭が湧いてるとしか思えない過大過ぎる性能要求であった。

 これが実現出来るなら、そもそも新型戦車の開発なんぞ必要ない。


『いやぁ、ここまで来るといっそ清々しいな!』

『生前の職場のブラック上司を思い出したわ』

『俺らを敵に回したことを後悔させてやるぜ!』


 しかし、平成車体の技術モブたちは無茶苦茶な条件を突き付けられて逆に燃えていた。『無茶を通せば道理が引っ込む』という(ことわざ)があるが、彼らはまさにそれを具現化しようとしていたのである。


『早急に戦力化する必要があるから、車体に大々的に手を入れるのは無しだ』

『攻撃力はHEAT弾で確保するしかないですね』

『この時代なら砲弾直径の倍がせいぜいだが、理論的には12倍の厚さまでぶち抜ける。改良の余地は大いにあるな』


 攻撃力を確保するために、改型には成形炸薬弾(HEAT)が採用された。

 平成銃器が開発した新型成形炸薬弾は口径の4倍近い180mmの装甲を貫徹可能であり、これは3号戦車の正面装甲すら抜くことが可能な数値であった。


『防御力は装甲板を貼り足すしかないな』

『手っ取り早く装甲板を溶接しちゃいましょう』

『全面的に貼ると重量が増えすぎるぞ?』

『砲塔正面と側面、車体前面がせいぜいでしょうね……』


 改型には厚さ100mmの装甲板が溶接された。

 砲塔正面と側面、車体前面は125mmの装甲圧となり、正面だけならば88mm(アハトアハト)にも限定的に抗甚(こうたん)可能であった。


『さすがに元のエンジンだと機動力がなぁ……』

『全然走りませんねぇ』

『装甲だけでだいぶ重量が増えちゃいましたからねぇ』


 87式の前面に装甲を溶接した結果、4t近く重量が増すことになった。

 その代償は機動力の低下という形で現れた。


『機動力を確保するにはエンジンをパワーアップするしかないな』

『過給圧を上げるだけじゃ足らん。インタークーラーも付けよう』

『強化コンロッドや鍛造ピストンも入れましょう』


 機動力低下という問題に対して、技術モブたちはエンジンをチューンナップするというシンプルな手段を選択した。平成会のテコ入れで統制型ディーゼルの部材や加工精度は大幅に向上しており、湾○ミッ○ナイトばりのチューニングに耐えるれるだけの素地があった。


 エンジンチューンによって五割増しの出力を手に入れた結果、改型のパワーウェイトレシオは21.9に達していた。これは史実のクロムウェル巡行戦車に匹敵する数字であった。


『なんだこれは……たまげたなぁ……』


 ちなみに、試験場でのお偉方の第一声がこれであった。

 従来の八七式とは完全に別物と化して爆走する改型は、従来の戦車のイメージを良くも悪くもぶち壊してしまったのである。


『いよっしゃあぁぁぁ! 制式採用勝ち取ったどーっ!』

『無茶ぶりを全部満たしてやったんだ。当然だろう』

『あの時の連中の顔ったら無かったな! 笑いをこらえるので必死だったぜ』


 改型は1937年に『八七式中戦車改』として制式採用された。

 陸軍からの初の大型案件であったので、モブたちが大いに喜んだのは言うまでも無い。しかし……。


『なんで全部こっちに持ち込みなんだよ!? 数が多すぎるだろうが!?』

『こんなことなら、契約のときに他の会社にも声をかけておくべきだったな……』

『んなことしたら利益が減っちゃうだろ!?』

『おまえら黙って手を動かせ! 目の前に置いてあるやつだけでも今日中に仕上げる必要があるんだぞ!?』


 平成車体の工場には改修予定の八七式が大挙して列をなすことになった。

 工場の受け入れ能力を考慮せずに、ホイホイ契約してしまったのが悪い。自業自得と言えばそれまでなのであるが。


 生産された1000台超の八七式全ての改修が終わるまで、モブたちは不眠不休の改修作業に追われることになった。新型戦車までのストップギャップであるはずの改型は、モブたちの血と汗と涙によって成り立っていたのである。







「戦車の敵は戦車だけに非ず! これからの戦場では歩兵でも戦車に対抗する必要があるでしょう」


 工場内の別のグループでは、対戦車兵器についての議論が交わされていた。

 史実のウクライナ紛争を知るモブからすれば、わざわざ対戦車兵器だけのワーキンググループを作るだけの価値はある。もちろん、戦車よりもお安くそろえられるという懐事情もあったが。


「そういえば、満州でドイツ野郎がそれっぽいのを使ってきたなぁ」

「あぁ、小銃と擲弾筒の合いの子みたい見た目のヤツか」

「そうそう。擲弾筒のように使ったかと思えば、水平撃ちしてきやがったし。あの時は肝が冷えたなぁ」


 議論の中心となったのは、旧満州派の戦車兵であった。

 彼らはドイツ軍の戦車だけでなく、歩兵部隊とも激しい戦闘を繰り広げていた。


 歩兵VS戦車。

 この世界におけるノモンハンとでも言うべき戦闘は、ドイツ帝国陸軍遠征軍と関東軍によって発生した。


 当時のドイツ兵が特段に対戦車戦闘を好んでいたわけではない。

 味方の戦車大隊が関東軍の戦車部隊に壊滅させられてしまい、生身で戦闘するしか対抗手段が無かっただけである。


『敵戦車が退いていくぞ!』

『我らの勝利だっ!』


 戦闘の結果は、辛うじてドイツ側の勝利となった。

 その勝利も複数の要因が絡み合ったうえでの薄氷の勝利に過ぎないわけで、撃退したというよりは関東軍が退いてくれたと言うのが正解であろう。


「その時にドイツ軍が使用した対戦車兵器がマウザー 1915(ツヴァイ)です。って、重いなコイツ……」


 テーブルの上にメイド・イン・ジャーマニーな対戦車兵器を放り投げるモブ。

 武骨なデザインなのに何とも言えない凄みを感じさせるのは、幾多もの戦車を葬り去った業物だからであろうか。


「こんな外見をしていたのか……」

「えらく不格好だよな」

「あの時は戦車の中から見てたからよく分からんかったからなぁ」


 現物を初めて見た兵士たちが目を丸くしたのは言うまでも無い。

 その評価はお世辞にも褒められたものでは無かったが。


「ライフルの化け物っぽいが、こいつは擲弾筒(てきだんとう)じゃないのか?」

「擲弾筒を水平撃ちしていると考えれば、理屈は通るな」

「お、鋭いですね! このグレネードランチャーは、我が軍の擲弾筒を参考に開発されていると言われているのですよ」


 少数ながらも、マウザー 1915Ⅱの構造や運用に擲弾筒との共通点を見出した兵士もいた。彼らはモブの推薦で対戦車兵器開発要員として引っ張られ、左遷先から一抜けすることになる。


「独ソ戦ではグリスを塗りたくった靴下に手りゅう弾を入れた即席吸着爆弾を作って敵戦車のキャタピラを破壊する戦術を実行しているそうです。もちろん、あくまでも非常手段だとは思いますけどね」

「なるほど。キャタピラを破壊すれば戦車を無力化出来るな」

「地雷を仕掛けるよりもお手軽だな」


 モブからもたらされる独ソ戦の情報に関心する兵士たち。

 彼らがお茶請けを食べながら茶を(すす)っている今この瞬間も、ウクライナの地では未だに二大陸軍の激戦が続いていた。


「……戦車を破壊するために兵士の身を危険に晒すのはナンセンスです。戦車の脅威の及ばぬ距離から一方的に破壊すること対戦車兵器の存在意義と考えています。そこで我々が考えたのがこれです!」


 そう言って、またしても足元から何やら取り出す技術モブ。

 テーブルに置かれたのは、鉄パイプの先端に重りが付いたようなシロモノであった。


「説明しても良いですが、論より証拠というべきで。眠気覚ましに移動しましょう!」


 言うが早いか、パイプを担いで技術モブは歩き出す。

 残された兵士たちは仕方なくついていくことになった。


「皆さん注目! あそこに置いてあるのが見えますかぁ!?」


 工場裏は廃棄車両が積み重なって迷路のようではあったが、奥に進むと開けた場所に出る。行き着いた場所はスクラップヤードであった。


「なんだありゃ? 戦車の張りぼてかぁ?」

「そういえば、資料で見たヤツとなんとなく似ているような似てないような……」


 奥に置かれた戦車もをどきを見て戸惑う兵士たち。

 これから何が始まるのか分からないことが彼らの不安を助長させていた。


「よいしょっと」


 そんな兵士たちを無視してモブは準備を進めていった。

 発射筒から弾頭を取り出し、信管と点火薬を挿入する。


 弾頭を発射筒に再装填した状態で安全ピンを外して照準器を立てる。

 安全レバー前方に移動させて準備完了である。


「……」


 照準器の30と刻印された穴を覗き込んで角度を調整する。

 弾頭のポッチ部分が視界に入った瞬間、トリガーを押し込む。


「うわっ!?」

「なんだぁ!?」

「あちちちちち!?」


 爆発的に噴出したマズルブラストに兵士たちは慌てふためく。

 事前に警告しておいたのに、迂闊に後ろに立ったのが悪い。


「おおっ!?」

「命中した!?」

「すげぇ、吹っ飛んだぞ!」


 数瞬後、飛翔した弾頭は見事にターゲットを破壊した。

 これには兵士たちも驚愕しきりであった。


「……と、まぁこんな感じです。これが我々が開発している対戦車兵器です。これより試射タイムを設けますので、感想をお聞かせください」


 技術モブの説明が終わるや否や、兵士たちが対戦車兵器に殺到する。

 その様子は新しいおもちゃを手にした子供と変わりなかった。


「弾道が山なりで命中させるのにはコツがいるな。慣れの問題と言えばそれまでだが」

「可能ならば待ち伏せしてギリギリまで引き付けたいところだが、発射時の噴流が邪魔だな」

「嵩張らないのは良いな。これなら通常装備といっしょに持っていける」


 平成車体の技術モブたちが、あり合わせの材料で製作した対戦車兵器は概ね好評であった。史実のパンツァーファウストをパクったのだから、当然と言えば当然なのであるが。


『素晴らしい! 歩兵で戦車の撃破が可能となると戦術の幅が広がるぞ!』

『軽便安価と来れば文句の付けようも無いな!』

『これは早急に制式化する必要があるな!』


 後日、陸軍兵器行政本部に提出された和製パンツァーファウストは担当者から大絶賛された。そのコスパの良さに完全にほれ込んでしまい、提出から1か月半という驚異的な速さで『九五式個人携帯対戦車弾』として制式化されたのである。


 九五式個人携帯対戦車弾は、命中すれば140mmの装甲板を貫徹可能であった。これはヨーロッパのあらゆる戦車を撃破可能な数値であり、軽便安価な火力投射手段として現場で大歓迎されたのは言うまでも無い。


『九五式があれば戦車など恐れるに足らず!』

『戦車一両作る金があれば携帯対戦車弾は100本以上作れる。新型戦車などいらん!』

『全ての戦車師団は解体して、歩兵部隊にするべきだ!』


 同時に帝国陸軍内部に深刻な戦車不要論を巻き起こすことになったのであるが。

 そのあおりを喰らう形となった新型戦車の開発はさらに遅れることなってしまい、関係者は頭を抱えることになる。







『タリホー!』


 夜空を飛行する2機のフェアリー FB-1A改 ジャイロダインが目標を発見して攻撃態勢に移る。一気に高度を下げて、地面を舐める勢いで接近していく。


『こちらでも視認した! 先にいかせてもらう!』


 先行した機体の機首に搭載された機関銃が地上を薙ぎ払う。

 直撃はしなかったが、衝撃波でゾンビがバラバラになっていく。


『こいつも喰らえ!』


 後方に位置する機体の主翼から、閃光と共にロケット弾が発射される。

 着弾したロケット弾は派手に爆発してゾンビ共を吹き飛ばす。その威力は地面にクレーターが出来るほどであった。


『GOGOGOGO!』

『MOVE! MOVE!』


 超低空でホバリングする機体から武装した隊員が次々と飛び降りていく。

 全員が降りたのを確認すると低高度まで上昇して警戒態勢に移行する。機首の機関銃が時折火を噴くのは、隊員たちを援護しているのだろう。


「……と、このようにヘリコプター、この場合はオートジャイロですが垂直離着陸(VTOL)機は極めて有用です。陸軍の新しい目となり、牙となることでしょう。我が平成飛行機では、イギリスからヘリコプターのライセンス契約を取り付けております。是非、採用をご検討ください!」


 平成飛行機の大会議室。

 教材を兼ねた映画の上映会が終わった後、平成飛行機の技術モブは熱心に売り込みをかけていた。


(ふふっ、勝ったな……)


 目の前の軍人たちは、VTOL機の活躍を食い入るように見つめていた。

 この時点で技術モブは勝利を確信していた。


 勉強会が始まって早々に映画鑑賞させられたのは、陸軍の佐官クラスの軍人たちが中心のグループであった。前線で部隊を直接指揮する彼らにとって、VTOL機の有用性は充分理解出来るはずであった。


(ドーセット公に頭を下げてライセンス契約も結べて良かった。これで国内の市場を独占出来るな)


 捕らぬ狸のなんとやらで、技術モブは久方ぶりの大型案件に心を躍らせる。

 それもこれも全ては萱場(かやば)製作所打倒のためであった。


 これほどまでに平成飛行機が対抗意識を燃やすのは、萱場製作所が国内のオートジャイロ市場を独占しているからに他ならない。日本国内ではカヤバ(イコール)オートジャイロは既に常識であった。


 平成飛行機はオートジャイロ用のエンジンを萱場製作所に供給していた。

 それなのに、そっち方面での知名度はゼロに近かった。対抗意識を燃やすのも分かろうというものである。


 今回の売り込みで平成飛行機側の熱意は並々ならぬものがあった。

 ヘリコプターのライセンス生産をするべく、駐日英国大使のテッド・ハーグリーヴスに仲介を頼むことまでしていた。


『平成会がヘリのライセンス生産を頼んできたけどどうしよう? まだガスタービン関連の技術は渡したくないんだけどなぁ』

『マイフレンド。そういうことなら、レシプロエンジンを積んだヘリを供与すれば良いじゃないか』

『そんなんあるの?』

『ウェストランド・エアクラフトが史実のレシプロヘリを再現しているよ』

『じゃあ、それにしよう』


 厳正に検討に検討を重ねた結果、史実のホワールウィンド(シコルスキー S-55)の生産ライセンスが供与されることになった。平成飛行機側は大量受注に備えて十全の準備を整えていたと言えよう。しかし……。


「そういうことなら、うちにも噛ませてもらわないと困りますね。なにせ、カヤバは安心安全のブランドですので」

「んなっ!?」


 『なんでここにいる』という二の句を口に出せなかった。

 よりにもよって、不俱戴天の仇とでも言うべき萱場製作所の技術モブが紛れ込んでいたのである。


 二人は同期で、しかも知り合いであった。

 とどのつまりは、二人とも転生者であった。


 このようなケースは珍しいことではない。

 最近では平成会傘下の企業以外にも転生者が積極的に就職していた。


『飛行機に関われるなら堀越二郎(ほりこし じろう)先生と仕事をしたい! YS11を作るんだ!』

百瀬晋六(ももせ しんろく)先生に師事したい。この世界でスバルに天下をとらせたい!』

『中島飛行機に入社して、糸川先生にお近づきになってロケット開発を!』


 生前に技術者だったせいか、史実の偉大なる先達に積極的に関わろうとする技術モブは後を絶たなかった。平成会としても就業の自由は認めていたし、モブが成長してくれれば将来的なコネとなると考えていたことも動きを後押ししていた。


『あの新人、ひょっとして平成会の関係者じゃないか?』

『最近噂になっているという、あの平成会ですか?』


 その一方で、企業側にも平成会のモブを取り込むメリットが存在した。

 これまでメディアでの露出こそ無いものの、平成会は政界を中心に影響力を増大させていた。目端の利く敏腕経営者がそれを見逃すはずも無い。


 モブが成長してくれれば、平成会に対して金にもコネにもなろうというもの。

 将来の大型案件の呼び水として大いに期待されていたのである。


『真面目で優秀だし、うまく育てていきたいものだな』

『突拍子も無いことをすることもありますけどね。でも、その大半がモノになってしまうんですよねぇ』


 もちろん、技術者として普通に優秀だったということもある。

 生前に同じような職に就いていたからか技術者としては即戦力であったし、史実知識を活かした新技術の開発までやってのける。転生者は上層部だけでなく、現場でも必要不可欠な人材になっていた。


『平成飛行機の計画は堅実ではあるが、萱場製作所のも捨てがたいな』

『競合させれば、より良い機体を開発してくれるかもしれませんな』

『可能な限り安く作って欲しいものですな』


 このようなやり取りが陸軍兵器行政本部であったかどうかは定かではない。

 しかし、1社特命になるかと思われた陸軍の輸送用ヘリコプター事業が2社の開発コンペとなったのは事実である。


 平成飛行機側は、かねてからの計画遂行に余念が無かった。

 ライセンス生産用の機体を早々に組み上げ、採用を見越して工場ラインの立ち上げも進めていった。


 これに対して、萱場製作所は総力を挙げて新型オートジャイロの開発に邁進することになった。まずは技術実証デモンストレーターとして『ヘリプレーン1型』を製作。多くの部品を流用したとはいえ、年内に完成させるという突貫作業であった。


 ヘリプレーン1型は史実でも萱場が製作した機体である。

 この世界では映画の映画を影響を受けたのか、前進用プロペラが推進式となっていた。


 史実では機体構造やエンジンの問題で飛行出来ずに開発は中止された。

 しかし、この世界では技術モブが関わったおかげで諸問題は全て解決。計画通りの性能を達成したことで、本命である2型の開発に進むことになった。


 ヘリプレーン2型には推進用プロペラにダクテッドファンが採用されていた。

 単純な推進式プロペラよりも推進効率を向上させて高速化をはかっており、新設計の胴体は大型で収容力に優れていた。


 平成飛行機の旋風(ライセンス版ホワールウィンドの日本側呼称)と、萱場製作所のヘリプレーン2型は陸軍の輸送ヘリコプターの座を争うことになる。どちらにも一長一短があり、現時点ではどちらが制式採用の座を射止めるかは誰にも分からなかったのである。







「それでは、勉強会の無事の終了を祝しまして。乾杯っ!」

「「「かんぱーいっ!」」」


 創業1806年という熱海でも屈指の老舗温泉旅館。

 108畳もの広さを誇る大広間では、浴衣姿の軍人たちが気勢を上げていた。


「やっと終わったな……」

「むしろこれからだろ」

「今回は無事に終わるといいな……無理だろうけど」


 飲めや食えやで騒ぐ陸軍関係者を割と冷ややかな目で眺めるモブたち。

 彼らは打ち上げのお目付け役である。


 打ち上げにお目付け役が必要なのは何故なのか?

 それは参加者の大半がヤクザと大差ない連中だからに他ならない。


 この時代の軍人など、制服を着たヤクザも同然。

 そういう意味では海軍も陸軍も大差ない。


「貴様ぁ! それが上官に対する態度か!? 無礼講と言っても限度があるだろうがっ!」

「ちょっ!? 閣下、もう酔ったんですか!?」


 お目付け役のモブたちの願いも空しく、さっそくトラブル発生である。

 駆けつけてみれば、二人がもみ合ってる光景が飛び込んで来る。


(げぇっ!? 中将閣下じゃないか)


 思わず頭を抱えたくなるモブたち。

 トラブルメーカーの片割れはモブたちが良く知る人物であった。


 (くだん)の中将閣下は素面(しらふ)の時は温厚なのだが、極めて酒癖が悪かった。

 過去の勉強会の打ち上げでも問題を起こしていたことから、今回の打ち上げに参加することを知ったモブたちが対策を取ったのは言うまでも無い。


(酔って暴れているってことは、ノンビアはお気に召さなかったんだろうなぁ)


 モブたちの取った対策とは、中将閣下のビールをノンビアにすり替えることであった。気付かずに飲んでくれればとトラブルを回避出来ると考えていたのであるが、その目論見は完全に破綻してしまっていた。


 ちなみに、ノンビアは史実の大正末期から昭和初期にかけて日本で大流行したビール風味のノンアルコール飲料である。1%未満の微量のアルコールが含まれるので正確にはノンアルでは無い。ビールテイストの炭酸清涼飲料水と言える。


「早く、早くなんとかしてくれっ!」

「貴様ぁ!? 儂を差し置いて何を企んどるかぁ!? 部下のくせに生意気だぞぉ?」


 絡まれている浴衣姿の中年が、駆けつけたモブに救援要請を送ってくる。

 美女同志の絡みならともかく、老人とおっさんの絡みなど見たくない。しかし、助けないわけにもいかなかった。


「しょうがない。まだ時間は早いが……おーいっ!」

「「「はーい!」」」


 モブがパンパンと手を叩けば、舞台袖から出てくるのは大勢の芸者たち。

 大広間に備えられた舞台は、たちまちのうちに華やかなものとなった。


「「「おおおおおっ!?」」」


 唐突に舞台で始まった素囃子(すばやし)に、その場に居た全員が注目する。

 素囃子は金沢芸妓(かなざわげいぎ)の芸の一つであり、加賀百万石以来の金沢の伝統芸能であった。


 わざわざ芸者を金沢から呼び寄せたのには当然理由があった。

 基本的に対面か少人数の芸者遊びに対して、金沢芸妓は舞台芸にも対応していた。この時代の荒くれものを手っ取り早く黙らす有効な手段だったのである。


「おお、これは素晴らしい……」


 件の中将閣下も舞台に釘付けになっていた。

 その隙に絡まれていたおっさんが離脱する。後で礼を言われたのであるが、じつは部下で陸軍中佐であった。モブにとっては激しくどうでも良かったが。


「今回も切り札は切りたくなかったなぁ」

「しょうがないだろ。あの酒乱が参加していた時点でこうなることは決まっていたんだ」

「待機と実働じゃ料金が倍以上違ってくるのに。それでなくても旅費代の負担も痛いのに。はぁ……」


 同時に芸者の代金の全額支払いが確定した瞬間でもあったが。

 歓声を送る浴衣姿の軍人たちとは対照的にモブたちは黄昏ていた。


 素囃子の後に始まったのは、お座敷太鼓に切り替わる。

 大太鼓と締太鼓(しめだいこ)を対とし、三味線の曲にあわせながらの打ち分けも見事なものであった。


「「「……」」」


 一調一舞(いっちょういちぶ)が始まるころには、舞台を見ながら黙って酒を酌み交わしていた。

 美人芸者の芸を肴に酒を飲むのは、この時代では最高の娯楽と言えよう。


(((最初から静かに酒を飲めるならそうしてくれよ……)))


 もっとも、そういう価値観はモブたちには理解出来なかったのであるが。

 生前に芸者遊びを体験することなど滅多に出来ないことであるからしょうがない。


「ささ、大佐殿。ご一献……」

(わし)なんぞにくっ付かないで他の連中のところに行ったらどうだね? 他にも有望なのは大勢いるだろうに」


 禿――もとい、頭髪が不自由なメガネで壮年の軍人にお酌をするサラリーマン風な男。宴会場の片隅で誰も注目していなかったが、異様な光景ではあった。


「御冗談を。今の大佐殿よりも有望株はおりませぬよ」


 とびきりの営業スマイルで男は迫る。

 彼は鮎川財閥(あゆかわざいばつ)の敏腕ビジネスマンであった。


 史実の鮎川財閥は満州に積極的に進出することで財を成した。

 戦前は三井、三菱に次ぐナンバー3の財閥であった。


 そんな鮎川財閥であるから、日本の大陸撤退には頑強に抵抗した。

 政府が大陸撤退の意思を固めていることを知るや否や、あらゆる方面に働きかけた。


 働きかけた勢力の中には関東軍の満州派も含まれていた。

 他にも対ソ戦に拘る統制派や大陸浪人などなど。鮎川財閥としては、満州の権益を守るために手段は選んでいられなかった。


 そういう意味では、この世界における満州事変の黒幕は鮎川財閥であった。

 史実では対立関係にあった関東軍と手を組んだのは歴史の皮肉としか言いようがない。


 しかし、満州派は近衛師団によって即座に鎮圧された。

 トカゲの尻尾切りで公安の追求こそかわしたものの、満州に投下した莫大な資本は泡と化してしまった。


 鮎川財閥は国内と満州の2本立て構造であり、その片割れが消滅したことで企業規模を著しく減じることになった。現在は国内で民生部門で巻き返しをはかっている最中であった。


 巻き返すのに手っ取り早い手段。

 それは権力中枢に近づくことに他ならない。


 鈴木商店を筆頭に、三井、住友、三菱の4大財閥は早い段階で平成会と接触していた。勉強会の打ち上げにビジネスマンを派遣して、平成会のモブとよろしくやっていたのである。


 これまで満州に注力していた鮎川財閥は平成会とのコネが絶無であった。

 どうにかして平成会とコネを作りたいが、勉強会を含めて主要なコネクションは4大財閥に既に握られていた。ならばどうするか?


 答えは『平成会の覚えめでたい人間に近づいて間接的にコネを作る』であった。

 なんとも遠回りな話ではあるが、それほどまでに両者の関係は疎遠だったと言える。


(今年の勉強会でも主席だったと聞く。平成会が注目しているのは間違いないだろう)


 目の前の軍人――東條英機陸軍大佐を鮎川財閥はマークしていた。

 満州派の巻き添えを喰らって左遷されたものの、勉強会でずば抜けた成績をあげ続ける才子。それ故に周囲からは、平成会からの覚えがめでたいと思われていた。


 同様の光景は日本の津々浦々で見られた。

 とにもかくにも、平成会とのコネを作りたいという一心であったことは間違いない。


 この時の努力が実ったのか、はたまた別の原因があったのか。

 衰退の一途だった鮎川財閥は持ち直して、中堅財閥として成長していくことになるのである。






以下、今回登場させた兵器のスペックです。


中央工業 九七式自動拳銃


種別:軍用自動拳銃

口径:9mm

銃身長:117mm

使用弾薬:9mm×19mm(9mmパラベラム弾)

装弾数:13+1発

全長:216mm

重量:980g(弾薬除く)


1937年に制式採用された帝国陸軍の軍用自動拳銃。

見も蓋も無い言い方をすれば、ダブルカラム化した史実のニューナンブM57A1もどきである。


史実オリジナルと同様に内部構造はブロック化されている。

そのおかげでフィールドストリッピングは容易であった。


元々は将校用拳銃の代替として製造されたのであるが、手ごろなサイズと値段だったことから事実上の陸軍制式自動拳銃になっている。



※作者の個人的意見

デザインが好きなんですよね。

古き良き時代を感じさせるというか。






平成銃器 九八式短機関銃/宇治式短機関銃


種別:短機関銃

口径:9mm

銃身長:260mm

使用弾薬:9mm×19mm(9mmパラベラム弾)

装弾数:20・25・32・40・50発

全長:470mm 650mm(ストック展開時)

重量:3800g

初速:410m/s

発射速度:600発/分

有効射程:200m


平成銃器が開発した新型短機関銃。

その見た目と名称は史実イスラエルが開発した短機関銃に極めて酷似しているというか、そのまんまである。


なお、名称については平成会鳥取県人会出身の技術モブが関わっているからとされている。開発拠点があった鳥取県岩美郡岩美町の宇治から命名されたと社史に記載されていたりするが、事の真偽は不明である。


旧式化したス式短機関銃ステンガンを置き換えるべく開発されており、1938年以降は順次置き換えが進んでいる。



※作者の個人的意見

某艦隊シリーズの丸パクリじゃありません。

あっちは京都の宇治。こっちは鳥取県の宇治ですっ!( ゜д゜ )クワッ!!






平成銃器 九八式突撃銃


種別:アサルトライフル

口径:7mm

銃身長:400mm

使用弾薬:九八式普通実包(7mm×43)

装弾数:30発(箱型弾倉)

全長:860mm(本体のみ)

重量:3300g(弾薬除く)

発射速度:毎分600発前後

銃口初速:770m/s

有効射程:300m


帝国陸軍に1938年(皇紀2598年)に制式採用された突撃銃。

八〇式自動小銃が史実AK47とすれば、九八式突撃銃は史実AK74と言えなくも無い。


同盟国である英国との共同作戦を考慮した結果、使用弾薬は280ブリティッシュ弾になった。平成銃器側が史実知識を活かしてピカニティ・レールを装着しており、拡張性を活かしたオプション装備が多数開発されている。


※作者の個人的意見

拙作の八〇式自動小銃の弾薬を280ブリティッシュにして、その分小型化したアサルトライフルです。ピカニティ・レールを採用したので、史実M4ばりにオプション装備が付くことになるでしょうね。






2号戦車


全長:5.81m  

全幅:3.16m  

全高:1.85m  

重量:32.0t  

速度:35km/h

行動距離:200km

主砲:24口径75mm戦車砲

装甲:15~50mm

エンジン:4ストローク直列6気筒液冷エンジン300馬力

乗員:5名


1号戦車の後継として開発されたドイツ帝国陸軍の主力戦車。

史実のデスワゴン2そのものである。


2号戦車の開発では1号戦車を反省して火力と装甲が重視されている。

当初の計画では、V12ガソリンエンジンで600馬力を発生、最高速度50km/h超えを目指していたがエンジンの開発が間に合わなくて速力は妥協されている。


車体正面、車体側面、砲塔正面、砲塔側面は50mmの装甲で構成されている。

当時は(この世界の英国戦車を除けば)最強クラスの防御力であった。


搭載砲はT-32とほぼ同じであるが、仮想敵国である英国の戦車に対抗するために徹甲弾が最初から用意されていた。もっとも、英国の戦車は史実のマチルダⅡ以上の重装甲なので全く通用しなかったのであるが。それでもT-32を撃ち抜くには十分な威力であり、距離を問わずに一方的に撃破することに成功している。



※作者の個人的意見

本家WOTではティア4屈指の苦行戦車です。

宮海さんの動画(【WoT】霊夢の日雇い戦車道 12日目【ゆっくり実況】)で霊夢の顔芸で有名ですよねw


計画通りマイバッハ製の12気筒ガソリンエンジン(600馬力)が搭載されていれば、もっさりとした重戦車らしい動きではなく機敏な中戦車として活躍出来たんじゃないかと思ったので登場させてみました。実際に改良型として出すかは微妙ですが、エンジンの出力倍増と長砲身化するだけでもだいぶ化けると思うのです。


でも、この世界のドイツ帝国だとパンターを開発しちゃいそうですけどね。

T-32を鹵獲したら航空用ディーゼルエンジンを転用するという手がありますし、既存のガソリンエンジンだって自動消火装置を組み込むという手もありますし。


戦略資源にも困っていないから、犯罪級に銅を消費するモーター駆動なんて手もありますね。ポルシェ博士大歓喜間違いなしです(オイ






3号戦車


全長:6.316m(車体のみ)  

全幅:3.705m  

全高:3.0m  

重量:57.0t  

速度:40km/h(整地) 20~25km/h(不整地)

行動距離:100km(整地) 60km(不整地)

主砲:56口径88mm戦車砲

副武装:7.92mm機銃

装甲:25~100mm

エンジン:4ストロークV型12気筒液冷エンジン700馬力

乗員:5名


2号戦車の拡大発展版。

史実の虎戦車そのものである。


1935年のカイザーシュラハトで2号戦車はT-32相手に圧倒的なキルレシオをあげた。


この結果を受けて、より重装甲大火力を目指して3号戦車は開発された。

しかし、鹵獲したT-32を解析結果を知った陸軍上層部は走攻守のバランスの取れた中戦車の開発を決定。3号戦車は少数生産にとどめられた。


1937年の春季大攻勢においては、3号戦車がT-32を圧倒してそのコンセプトが間違っていなかったことを証明した。機動力を必要としない防衛戦闘であれば重戦車が役立つことが再認識され、ドイツ帝国内では拠点防衛用として研究開発が進められることになる。



※作者の個人的意見

この時代なら移動トーチカと割り切れば重戦車は一騎当千の戦力です。

カイザーも大きいものは大好きそうだし、この世界でもマウスが生まれるかもしれませんw


開発中の4号戦車は当然ながらパンターなのですが、エンジンはディーゼルになります。史実とは違ってドイツ帝国の燃料事情は良好なので、Uボートに軽油を取られることはありません。肝心のエンジンについてですが、航空用ディーゼル(ユモ207とか)があるので採用しない理由はありませんね。






T-32改(1937年型) 


全長:5.76m(車体のみ)  

全幅:3.00m  

全高:2.60m  

重量:30.5t  

速度:55km/h

行動距離:340km

主砲:41.5口径76.2mm戦車砲

副武装:7.62mm機銃×2(車体&砲塔)

装甲:16~65mm

エンジン:4ストロークV型12気筒液冷ディーゼル500馬力

乗員:4名


1937年の春季大攻勢で投入されたソ連の中型戦車。

T-32のマイナーチェンジバージョンである。


最高速度が大幅に低下した代償に装甲が強化されており、傾斜装甲と相まって(場所によっては)2号戦車の攻撃を弾くこともあった。主砲は口径こそ同一のままであるが、長砲身化されて徹甲弾も用意されている。


1937年11月中旬のモスクワ防衛戦に投入されたT-32改にはパイクリート製の増加装甲が装着された。これは砲塔の上から被せて装着するようになっており、その厚さは正面で300mm、側面200mm、背面でも150mmにも達している。これだけ分厚い追加装甲でも重量は1t程度であり、機動力に悪影響は出なかった。



※作者の個人的意見

実質的に史実T-34初期型です。

しかも、大量生産キチガイによって品質は保証されているというおまけ付きw


パイクリートは強化コンクリ並みの強度があるので、季節限定のバフだと思えば悪くないかと。分厚くすればHEATのスタンドオフを狂わせることも出来るので、この世界の赤軍は多用することになるでしょう。






八七式中戦車改


全長:5.55m  

全幅:2.33m  

全高:2.23m  

重量:19.7t  

速度:65km/h 

行動距離:200km 300km(車体側面外部燃料タンク込み)

主砲:47mm戦車砲 

副武装:八七式車載重機関銃×2(車体前面 砲塔天蓋)

装甲:125mm/25mm(車体正面/側面) 20mm(車体背面) 

   125mm/125mm/10mm(砲塔正面/砲塔側面/砲塔天蓋)

エンジン:統制型八二式発動機空冷4ストロークV型12気筒ディーゼルエンジン改2(インタークーラー+過給機付き)440馬力 

乗員:4名


八七式中戦車の改良型。

陸軍の内部文書では改型と呼称されているが、平成会のモブからは『キングチーハー』呼ばわりされている。


改型は新型戦車が実戦化するまでのストップギャップとしての役割を期待されており、短期間での戦力化が求められた。そのため、無理に性能を追い求めるのではなく目的に特化することで要求性能を満たす方向で改造が進められた。


具体的には、仮想敵に対して不足する攻撃力は新型砲弾によって補っている。

平成銃器が開発した新型成形炸薬弾は口径の4倍近い180mmの装甲を貫徹可能であり、条件さえ良ければ3号戦車の正面装甲を抜くことが可能であった。


不足する防御力に対しては、砲塔正面と側面、車体前面に100mm厚の装甲板を溶接することで対応している。その結果、4t近く重量が増すことになった。


大幅な重量増加による機動力低下はエンジン出力向上によって解決している。

統制型八二式発動機空冷4ストロークV型12気筒ディーゼルエンジンの過給圧を大幅に上げ、さらにインタークーラーを追加したことで五割増しの出力を得ることに成功している。


既存のエンジンをチューンナップすることで馬力を確保したのは開発期間を短縮するためであったことは言うまでも無いが、強化コンロッドやピストンなど多くの部品が強化部品に交換されているので中身は完全に別物であった。



※作者の個人的意見

キングチーハーというフレーズが頭から消えずに、気が付いたらこんなん出来ちゃってましたw

カタログスペックだけなら超優秀です。実際戦闘したら思いっきりボロが出そうですけど(;^ω^)


新型HEATの威力は保証済みですが、レアメタルを多用することになるので調達コストがえらいことに。でも、性能要求で弾薬費用をケチれって言われなかったのノープロブレムです(酷






九五式個人携帯対戦車弾


種別:携帯式使い捨て対戦車無反動砲

口径:150mm(弾頭;最大部分)

全長:1000mm(弾頭部分除く)

重量:3.2kg

有効射程:30m


平成車体が開発した和製パンツァーファウスト。

コスパに優れるので大量に生産された。


性能的には史実のパンツァーファウスト30(ファウストパトローネ)相当で当時としては充分過ぎる威力であった。しかし、恐竜的進化を遂げる戦車に対して早々に非力となり強化型の開発が進められることになる。



※作者の個人的意見

最初はバズーカにしようと思ったんですけど、意外と嵩張るし分解する必要があるので没に。このまま開発を進めていくと、変態日本の対戦車兵器はRPG系列になってしまいますねw


ちなみに、この世界の英国は25ポンド・ショルダーガン(バーニー・ガン)を開発していたりします。携帯用にはちと思い(30kg級)ですが、弾道が安定しているので遠距離からでも比較的命中が期待出来ます。PIATも捨てがたいので、改良型としてスペックを考えてみましょうかねぇ。






萱場製作所 ヘリプレーン1型


全長:7.4m 

全幅:2.74m(短固定翼)

全高:3.2m

ローター径:11.0m   

機体重量(自重/全備):650kg/1200kg  

最大速度:180km/h(最大巡航速度)

航続距離:360km(通常巡航速度)

上昇限度:3600m

武装:非武装

エンジン:平成飛行機工業 甲突 空冷星形9気筒 493馬力

    :萱場 ラムジェット 推力25kg×3(メインローター)

乗員:4名(パイロット+乗客3名)


萱場製作所が製作した次世代オートジャイロ用の技術実証デモンストレーター。

この機体をたたき台にして、より大型で高速な2型の製作が進められている。


見た目は史実のヘリプレーン1型を推進式にしたような外観である。

胴体後方に配置された推進プロペラは後にダクテッドファン化されて推進効率が向上しており、2型にも取り入れられている。


見た目は史実の機体と酷似しているが、3型オートジャイロの構造を踏襲したので構造は完全に別物であった。推力向上のために採用されたラムジェットは期待されていたほどの効果を発揮出来ず、早々に撤去されている。



※作者の個人的意見

カリオストロの城でもありましたが、チップジェットのオートジャイロはカッコいいですよね。まぁ、実用性はいろいろとアレなんですけど(ノ∀`)アチャー


ラムジェット自体は使える技術なので、萱場製作所で研究が続行されればいずれモノになるはず。早く『かつをどり』を作りたいなぁw






平成飛行機 旋風


全長:12.85m 

全幅:3.35m(短固定翼)

全高:4.06m

ローター径:16.16m   

機体重量(自重/全備):2380kg/3600kg  

最大速度:163km/h(最大巡航速度)

航続距離:580km(通常巡航速度)

上昇限度:3218m

武装:非武装

エンジン:平成飛行機工業 目黒 空冷星形9気筒 900馬力

乗員:12名(パイロット2名+兵士10名)


英国ウェストランド・エアクラフトが生産しているワールウィンドを平成飛行機がライセンス生産した機体。価格も実用性も申し分なく、現時点では帝国陸軍制式輸送ヘリの最有力候補となっている。



※作者の個人的意見

ワールウィンドはシコルスキー社のS-55のライセンス生産なのですが、この世界ではテッド君が召喚した機体をウェストランド・エアクラフトがリバースエンジニアリングしたという設定です。


実用的なヘリならガスタービン技術は必要不可欠なのですが、現時点でガスタービン関連の技術を日本に積極的に渡す理由は無いのでこのチョイスとなりました。レシプロエンジンヘリですけど、黎明期のヘリとしては実用的な性能なのでこれはこれで使えるでしょう。

この手の話を書くと、ただでさえボリューミーで時間がかかるというのに、仕事の忙しさも加わったせいで更新が遅れてしまいましたm(__)m


>やらかし済みの旧満州派の将兵たち

本編第67話『昭和の大粛清』参照。


>海軍随一の酒豪と力士並みの体格の大食漢

古村啓蔵(こむら けいぞう)(最終階級海軍少将)と山口多聞(やまぐち たもん)(最終階級海軍中将)です。多聞丸は言わずもがなですが、古村啓蔵もホビージャパンの第二次世界大戦軍事録で取り上げられています。酒のエピソードしか無いですけどw


>頭頂部が寂しい眼鏡の大佐殿

いったい誰なんでしょうねぇ?(オイ


>左遷先の久留米の歩兵旅団長

史実の東条英機も務めたポストですが、この世界では昭和の大粛清による左遷人事という扱いです。


>『あの時戦艦派の連中を抹殺しておくべきだった……!』

>前年から建造を開始していた3隻の新型戦艦

自援SS『変態日本海軍事情―新型戦艦建造編―』参照。

2隻だけだったはずが、ハワイへのサウスダコタ級6隻配備にビビり倒した政府が3隻目の建造を認めてしまったことで戦艦以外の予算が軒並みカットされるハメニなりました。


>平成銃器株式会社

元々は平成計算機工業の一部門でした。

銃好きなメンバーが多く、そういった仕事を受けているうちに経験を積んで独立しました。


>彼は陸軍兵器行政本部で勤務する主計大佐であった。

史実の陸軍兵器行政本部は、1942年から1945年まで設けられた陸軍省の外局です。陸軍の兵器について、製造・補給、研究開発・試験、教育を一元的に統括していました。


>1932年7月に実施されたアメリカからの輸入再開

本編第93話『黒歴史』参照。

 

>この世界の日本は産油国

尖閣油田だけでなく海南島まで領有しているので、この世界の日本は世界屈指の産油国だったりします。


>その数少ないメイドインUSAが映画と自動拳銃であった。

本編第93話『黒歴史』参照。


>西部戦線に派遣されていた帝国陸軍2個師団

本編第21話『ブリテンの背進』参照。


>流石にベークライトでフレームを構成するのは無理があった

ベークライトは固すぎて脆い材質のため、銃のグリップがせいぜいです。


>それでも、八〇式自動小銃で実戦を経験している事実には変わりない。

本編第65話『満州侵攻』参照。


>バトルライフル

基本的にはアサルトライフルが誕生する過程で生まれた、現行のアサルトライフルとは少し特性が違うライフルのことを指します。


>史実九九式普通実包

7.7mm×58のフルサイズ弾薬です。

これを連射するのは、さすがにきつすぎる(;^ω^)


>マッド・ミニット

直訳すれば『地獄の1分間』ですが、第1次大戦の英軍がエンフィールド小銃でやった速射のことを指します。エンフィールド小銃は速射が可能で、機関銃の代替として使用されてたりします。


>この画期的な弾薬を使用を前提に設計された新型自動小銃

いわゆる中間弾薬の始祖とでも言うべき存在なのですが、パワー馬鹿のヤンキーのせいで潰されました(怒


>唐突に始まったのは上映会であった。

上映されたのはドーセット警察広報映画である『ポリス・ヒストリー』だったりします。


>ピカティニー・レール

小火器用の規格化・システム化されたオプション取り付け台です。

このシステムを使用すれば、オプションの脱着が簡単に出来ます。


>国内8番目の自動車メーカーにならんと奮闘している会社が平成車体である。

この世界の日本では史実並みに自動車メーカーが勃興しています。

豊田、日産、三菱自工、本田技研、昴、東洋工業、五十鈴の次で8番目というわけです。


>理論的には12倍の厚さまでぶち抜ける。

対戦車榴弾は現在のもので漏斗の直径の約5~8倍(理論的には約12倍)、第二次世界大戦期のもので2倍程度の均質圧延鋼装甲を貫通することが可能です。漏斗部分をレアメタルで作ったり形状を工夫することで直径の4倍の厚さを抜くことが可能になりましたが、砲弾のお値段が跳ね上がることになりました。


>4t近く重量が増すことになった。

八七式中戦車の正面面積(砲塔正面と側面、車体前面)を5㎡と仮定した場合、厚さ100mmの装甲板1㎡の重さが約785kgなので5倍すると3925kgでほぼ4tになります。


>このグレネードランチャーは、我が軍の擲弾筒を参考に開発されていると言われているのですよ

本編第66話『武装解除』参照。

この世界の三年式重擲弾筒をヒントにドイツ帝国陸軍が開発しています。


>グリスを塗りたくった靴下に手りゅう弾を入れた即席吸着爆弾

おいらが最初にこれを知ったのは、竿尾悟先生の迷彩君でしたw


>教材を兼ねた映画の上映会

またしてもドーセット警察広報映画である『ポリス・ヒストリー』が上映されていたりしますが、最新装備が適切に描写されているので教材としては最適だったりします。


>最近では平成会傘下の企業以外にも転生者が積極的に就職していた。

自援SS『変態日本海軍事情―艦載機開発編―』参照。

三菱や中島に紛れ込んだ技術モブたちのおかげで、いろいろと捗っていたりします。


>創業1806年という熱海でも屈指の老舗温泉旅館。

熱海温泉の老舗旅館『古屋旅館』です。

一番大きな宴会場は108畳の桃山宴会場で舞台も併設されています。


>鮎川財閥

別名『日産コンツェルン』ですが、自動車の日産とは直接関係が無いのがややこしいです。この世界では満州事変の黒幕になってしまいましたが、お目こぼししてもらったのでこれからも生き延びることでしょう。

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宇治式wwww なんというかこの、なんというかwwww >あっちは京都の宇治。こっちは鳥取県の宇治ですっ!( ゜д゜ )クワッ!! わかるかんなもんwwwww >勉強会 旧日本軍の二次創作で一番厄…
キングチーハーwでも、この世界だとやっぱり力不足になるの早そう
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