表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/48

変態スペイン国内事情―第2次共和制編―


「将軍。国内の経済状況はどうだ?」


 マドリード王宮の謁見の間。

 スペイン王であるアルフォンソ13世は、ミゲル・プリモ・デ・リベラ首相に問いただしていた。


「はっ、これまでの軍需偏重から民需へシフトが始まっております。合わせて民衆の不満も低下しているとの報告が来ております」

「それは何よりだ。今後ともこの調子で頼むぞ」

「御意にございます」


 史実では1923年からスペインを独裁的に統治したプリモ・デ・リベラであったが、この世界ではスペイン王直々の指名で第1次大戦後から宰相として辣腕を振るっていた。


 彼はナショナリストとして富国強兵を目指すだけでなく、低金利政策を採用して中産階級の生活水準の向上を計った。大規模な公共工事を断行してインフラ整備にも積極的に取り組んでいたのである。


 ドラスティックな改革は、封建制度の残滓である貴族の特権や軍にまで及ぶことになった。

 

 結果的に彼らの支持を失ったのであるが、それ以上にプリモ・デ・リベラは中産階級に支持された。それは結果的にアルフォンソ13世の権威を高めることになったのである。


 史実では放漫財政により破綻寸前に陥った財政も、戦災復興機構(WRO)によるポンド借款で乗り切った。その金額は膨大なものであったが史実のスペイン内戦を知る円卓からすれば、ここでスペインの政情が不安定化するのを放置するわけにはいかなかったのである。


「ところで、モロッコの戦況はどうなのだ?」

「それなのですが……」

「そんなに悪いのか?」

「そうではありません。むしろ始まる以前の問題というか……」


 アルフォンソ13世の問いにプリモ・デ・リベラは言葉を濁す。

 史実における第3次リーフ戦争は、この世界でも勃発していた。


「……族長アブド・アルカリームが行方不明となりました。統制の取れなくなった奴らは我が軍に各個撃破されております」


 想定外の戦況に目を丸くするスペイン王。

 報告するプリモ・デ・リベラも困惑していた。


 アブド・アルカリームが失踪したのは突然のことであった。

 何の前触れもなく彼が消えたことにより、スペインとリーフ族双方に極度の混乱をもたらしたのである。


 指導者を失ったリーフ族は、近代兵器を装備したスペイン軍に駆逐されていった。特にフランシス・フランコ大佐率いるスペイン外人部隊の活躍は目覚ましく、彼の名はスペイン国内外に轟いたのである。


 この世界における第3次リーフ戦争は、史実同様にスペインの勝利となった。

 しかし、その実態には天と地ほどの差があった。


 スペイン単独で第3次リーフ戦争に勝利したことにより、アルフォンソ13世の権威はますます高まることになった。プリモ・デ・リベラは、スペイン王の権威を背景に国内の改革を実現していった――というのが表向きの歴史である。


 実際は戦争の裏で英国が暗躍していた。

 その所業は多岐に渡るのであるが、当時の人々には知る由は無かったのである。


『……どこに連れて行く気だ?』

『すまんが答えられん。直に分かるから心配するな』

『……この状況で心配するなというほうが無理だろう?』

『すまんな。だが、悪いようにはせんよ』

『……気休め程度に覚えておくよ』


 円卓直属の特殊部隊『ブラックウィドウ』が、アブド・アルカリーム拉致に関わったことを記した機密文書が発見されるのは、20世紀末になってからのことである。







「陛下、カタルーニャとバスクの自治政府からの書状でございます」

「……予想された内容ではあるが、ちと早過ぎないか?」

(まつりごと)がいかに大変なものかは、実際やってみないと分からないものです。わたしも軍人に専念出来ていたころが懐かしいです」


 書状の内容は実も蓋も無い言い方をすれば泣き言であった。

 暗に再併合を示唆する内容だったのである。


 1923年に実施された選挙の争点は、カタルーニャとバスクの独立を認めるか否かであった。プリモ・デ・リベラ率いる与党『愛国同盟』のマニュフェストは地元民による自治政府の承認であり、対する共産党は完全独立を掲げていた。


・カタルーニャとバスクの自治を承認する。

・自主徴税権を認める。

・スペイン本国とカタルーニャとバスクの移動の自由を認める。


 上述の3点が与党側が独立派に示した条件である。

 独立派からすれば、満額回答とはいかないものの概ね満足出来る内容であった。


 結果的に、独立派は共産党から与党支持へ鞍替えすることになった。

 完全独立を掲げるも、まともな政権運営が出来るか怪しい共産党よりも与党に組したほうが良いと判断したからである。


 一部の保守層からは強い反対があったものの、最終的にカタルーニャとバスクの自治は認められた。しかし、アルフォンソ13世とプリモ・デ・リベラには別の思惑があったのである。


「くそっ!? こんなはずじゃなかったのに、どうしてこうなった!?」


 カタルーニャ自治州の州都バルセロナ。

 その郊外の一軒家で、スペイン共産党書記長であるアントニオ・ガルシア・モアンは荒れていた。


「最初からこうなることを見越していたのでしょう。我々はただのピエロだった……」


 執行役員のセザール・ロドリゲス・ゴンザレスが呻くように言葉を絞り出す。

 過去の選挙で、完全独立を認めない政府を舌鋒鋭く批判していた面影はどこにも無かった。


 現在のカタルーニャとバスク自治州の経済は悪化の一途であった。

 それだけならば、困窮した人々を取り込むことが出来るので共産党にとっては都合が良かったのである。しかし……。


『財源が無いのに、政策が実行出来るわけないだろいい加減にしろ!』

『自治が認められても、この体たらくなのに、完全独立したらどうなるか分かったものじゃない!』


 自治州に住む人々は、今更ながらに現実を突きつけられていた。

 当初は舞い上がって誰も気にしていなかったのであるが、理想だけで政治が上手くいくはずも無い。


 特に自主徴税権が認められたことは、自治政府にとって大きな打撃であった。

 一見すると良いことのように思えるが、裏を返せばスペイン本国からの支援は無いということなのである。


 さらに痛いのは、本国と自治州の間で移動の自由が認められたことであった。

 困窮する自治州とは裏腹に、隣のスペイン本国は猛烈な勢いで経済成長を続けていた。で、あるならば住民が取る手段は一つしかない。


『もうこんなところいやだ! おらはマドリードさ行くだ!』

『俺も俺も! マドリードへ行って金を貯めて牛を飼うぜ!』

『一旗揚げたら家族も呼ぼう。気合い入れるぜ!』


 経済難民を取り込んだことにより、スペイン本国の経済成長は加速した。

 これに対して、人口流出で自治州は困窮化していったのである。


 本国との再併合を望む声は、強くなる一方であった。

 完全独立を掲げていた共産党は、諸悪の根源の如く疎まれていたのである。


「こうなっては、致し方ないわ。フランス・コミューンを頼りましょう」

「これは内政問題だ。外部勢力を呼び込むとは正気か君は!?」


 副書記長であるドロレス・イバルリの発言に、ガルシア・モアンは反対する。

 他の参加者も最初は同意見であった。


「膝を屈して生きるよりは、脚で立って死ぬべきです! このままだと我らの存在意義が無くなってしまう! なんのために生きてきたのですか!?」


 しかし、イバルリの過激な発言に参加者たちも心を動かされた。

 最終的にガルシア・モアンも賛成せざるを得なかったのである。


「分かった。フランス・コミューンに助力を頼むとしよう。問題は誰が行くかだが……」

「当然、わたしが行きます。帰ってこなかったら死んだものと思ってください」

「そうならないことを切に願うよ」


 1927年10月。

 ドロレス・イバルリは、フランス・コミューンへ入国した。


 女性が単身で、しかも密入国という大胆不敵さは『現在のジャンヌダルク』と大いに賞賛された。彼女がフランス・コミューン首脳部と何を話したかは未だに不明である。しかし、間を置かずにコミューン人民軍が動くことになるのである。







「いよいよですな……!」


 先頭を進む旗艦『ジャンヌ・ダルク』の艦橋で艦長は興奮気味に上官に話しかける。


「うむ。我ら人民空軍の力を見せつける時が来た」


 興奮気味な艦長に対して、上官である空軍司令は冷静であった。

 しかし、口調こそ冷静であったが顔面は紅潮していた。


 1927年10月某日。

 深夜のイベリア半島上空には異様な光景が出現していた。巨大飛行船が列をなしてスペインの領空を侵犯していたのである。


 ジャンヌ・ダルク級航空戦艦は、全長240mに達する巨大飛行船である。

 史実アメリカの飛行船『アクロン』に匹敵するその姿は、日中であれば遥か遠い場所からでも視認出来たであろう。5隻の巨大飛行船からなるオルレアン戦隊が、人民空軍の隠し玉にして切り札であった。


 戦後のフランス・コミューンの軍関係者の頭を悩ましていたのが、来るべきドイツとの再戦で立ちはだかるであろう塹壕陣地の存在であった。軍の統制が崩壊するレベルの大損害を喰らった身からすれば、正面突破を選択するのは論外である。では、どうするか?


 戦後に設立された人民空軍は、戦時賠償で手に入れたドイツの飛行船を利用することを考えた。飛行機と違って無音航行が可能であり、闇夜に乗じれば高い奇襲効果を期待出来たからである。


 完全なる奇襲で要所を電撃的に制圧する計画は、陸軍にも大いに支持された。

 結果として、コミューン軍では空軍マフィアが力を付けていくことになったのである。


 ドイツから分捕った超ジュラルミンの製造技術をアメリカ企業に提供したことで、飛行船の建造は急速に進められた。アメリカ政府との密約でヘリウムが優先的に供給されたことも幸運であった。


 しかし、ジャンヌ・ダルク級の成功は人民空軍にとっては道半ばでしかない。

 全長500mに達する空前絶後の超巨大飛行船の設計が進められていたのである。


 この超飛行船のアイデアの元ネタになったのは、国外から流れてきた海賊版同人誌であった。もう誰の仕業かお分かりであろう。


 テッドが戯れで描いた同人誌に登場する羽衣〇がモデルになっていたのである。

 またしても、自覚無しに世界を変えてしまったテッド・ハーグリーヴスであった。


「!? 地表に明かりが見えます。降下目標のマーカーです!」


 地表を観測していた見張りから報告が上がる。

 事前に現地に潜入していた工作員が用意したかがり火を発見したのである。


「降下準備!」


 ジャンヌ・ダルク級5番艦『ジャン・ド・デュノワ』の艦長から降下作戦開始の号令が飛ぶ。


「了解。降下作戦発令します!」


 格納庫直通の艦内電話に副官が怒鳴る。

 ジャンヌ・ダルク級には当時最新の艦内電話が備え付けられていた。史実日本の高声電話よろしく、音質が悪いのが玉に瑕である。


「コンテナの固定を確認しろ!」

「降下要員は所定の位置へ移動しろ!」


 ガス袋の下に設けられた広大な空間。

 胴体下部の格納庫では、今まさに降下の準備が進められていた。


「ハッチ開けっ!」


 艦内にひと際大きいブザー音が鳴り響く。

 同時に、胴体後方に設けられた大型ハッチが油圧でゆっくりと開く。


「うおっ!?」

「落ち着け! 高度と速度を保つことに全力を尽くせ!」

「りょ、了解!」


 大型ハッチが開いたことによる空気抵抗は、巨大な船体を揺り動かすほど大きかった。急激な揺れで混乱する操舵クルーを艦長は叱咤する。


「揺れが収まった。コンテナを放り出せっ!」

「「「了解!」」」


 揺れが収まった後部格納庫では、クルーたちが重火器の入ったコンテナを投棄していた。コンテナの投棄が終わると、次は兵たちの番である。


「「「……」」」


 兵士たちの目の前に広がるのは、スペインの夜空と漆黒の大地である。

 そのものであり、降下を躊躇させるには十分であった。


「突入進路正常、タイミング合わせ。……3、2、1、降下、降下、降下っ!」


 とはいっても、訓練された肉体は号令に無意識に反応してしまうものである。

 闇夜に、次々とパラシュートが開いていく。闇夜で無ければ、空に咲く大量のパラシュートが眼下に視認出来たことであろう。


「艦長、全ての隊員が降下しました」

「よし、我らの任務はここまでだ。僚艦に発光信号。『貴艦らの無事の任務達成を祈る』だ」

「了解。発信します」

「通信が終わり次第回頭。帰還する」


 最初に降下を終わらせたジャン・ド・デュノワが帰還の途に就く。

 降下を終わらせていない僚艦は、第2、第3の目標に向けて飛行を続けたのである。







「おい、おとなしくしろ!」

「署まで来てもらうぞ!」


 警官たちが彼を見つけたのは偶然であった。

 マドリード市内を夜間巡回中に、空から降ってきた不審者とエンカウントしてしまったのである。


 常人よりも明らかに頭一つ分は高い。

 2mを優に越えるであろう大男である。


「……」


 男は、取り囲んでいる警官たちを完全に無視していた。

 業を煮やした警官たちは手を出したのであるが……。


「げふぅっ!?」


 一人は大振りな左フックで殴り飛ばされた。

 その動きは決してスピーディーでは無かったものの、圧倒的なリーチ差は回避を困難にしていたのである。


「うわぁっ!?」


 もう一人は、あっさりと投げ飛ばされた。

 片手一本で襟首を掴んで投げるのは尋常ではない。


「あ……あ……あ、あがっ……」


 最後の一人は、男に顔面を掴まれた。

 ミシミシと不穏な音が周囲に響く。


「……」


 何かが砕けるような音がして無言となる警官その3。

 技術もクソも無い。握力で頭蓋を粉砕されたのである。


 一瞬にして戦闘不能になった警官たちを放置して、不審者は市内をさ迷い歩く。

 その動きは、何かを探しているようであった。


「来たっ、来たぞ!?」

「おい、数が増えてるじゃねーか!?」

「うろたえるな! 警告は無しだ。総員構えっ!」


 マドリード中央警察署前には、武装した警官隊が集合していた。

 そんな彼らの目の前に現れたのは、両手では足らない数の大男の群れ。後続がいるらしく、その数は増加傾向であった。


 ファーストエンカウントの時とは違い、彼らは武器を所持していた。

 落下してきた収納コンテナから回収していたのである。


「……」


 男たちは無言のまま、腰だめで発砲する。

 相対的に見れば、獲物はさして大きくないように見える。しかし、実際は軽機関銃である。


「「「ぎゃぁぁぁぁぁっ!?」」」


 8mmルベル弾の猛射が警官たちを薙ぎ払う。

 ロングリコイルによる遅い発射速度に加え、ベルト給弾による大量の弾薬は制圧射撃に向いていた。


 軽機関銃でありながら、その射撃は完全にコントロール下であった。

 いわゆる史実のランボー撃ちであるが、圧倒的な体躯と筋力があるからこそ可能な荒業であろう。


「この野郎っ!」


 物陰に身を隠した警官の一人がライフルを発砲する。

 その狙いは、正確に左腕を射抜いた。


「ぐわぁっ!?」


 しかし、何事も無かったかのように応射を喰らってハチの巣となった。

 警官たちが使用しているデストロイヤー・カービンは、見た目はライフルでも使用弾薬は9mmパラベラム(拳銃弾)である。一般人ならともかく、イデアル部隊出身の薬漬け超人(ジャンキー)相手には無力であった。


「ひるむなっ! 隊列を立て直せっ!」

「応っ!」

「侵略者どもに目にもの見せてやるぜっ!」


 既に状況は一方的であったが、警官たちは勇敢に抵抗した。

 最終的に警官隊の死に物狂いの抵抗も虚しく、制圧されてしまうのであるが。


 スペイン軍参謀本部、新聞社、電報局など市内の重要施設でも同様の光景が繰り広げられた。端から戦力差は絶望的であり、防衛側に出来たのは時間を稼ぐことのみであった。


 マドリード市民が深夜の喧騒に怯えているころ、市内の制圧は電撃的に進められた。事の真相を住民たちが知るのは、夜が明けてからのことであった。







「コマンダー! 目標を視認しましたっ!」

「そうか。戦車隊を突出させろ」


 副官の報告に指揮官は的確な命令を下す。

 彼が指揮する第1機械化師団A大隊は、日が暮れると同時にスペイン国境を突破して南下中であった。


 人民陸軍の主力となっているのが機械化師団である。

 快速を誇る軽戦車と装甲車、随伴歩兵を輸送するトラック、輸送部隊もひっくるめて全て機械化されていた。


 このような画期的な部隊を人民陸軍が持つに至ったのは、フォードの影響が大きい。フォードの現地法人であるフォード・フランスは、装甲車とトラックのシャシー共用化を提言したのである。


 シャシー共用化と、フォード・システムによる大量生産の恩恵は大きかった。

 部品の共用率が上がったことで輸送トラックと装甲車の調達価格は劇的に下がり、大量調達が可能になったのである。整備性も向上して、前線での運用効率も上がって言うこと無しであった。


「突撃命令が来た! このまま突っ込むぞ!」

「了解! 飛ばすんで揺れますよっ!」


 先頭を進む戦車隊の中隊長は、突撃命令を受け取る。

 『FT-18A』軽戦車の車内は騒音で満たされており、二人は怒鳴るようにして会話していた。


『指揮車より全車へ。突撃体形を為せ。これより目標に向かって突撃する』


 操縦に専念する副官を横目に、僚車との通信を開始する。

 ただでさえ二人乗りで車長の負担が大きいと言うのに、彼は中隊長も兼ねているので多忙極まりない。


『火器使用自由! 各車長は個別の判断で砲撃しろっ!』


 レシーバー片手に、命令を下しながら砲弾を装填する。

 ちなみに、FT-18Aの主砲は37mmである。


 37mm砲弾の重量は1kg近い。

 連射すると相当な重労働であるが、ドライバーは運転に専念する必要があるために車長がやるしかない。フランスの二人乗り戦車の車長は、人民陸軍(ブラック企業)の車畜なのである。


FEU( フー)!」


 自分で号令をかけつつ発砲。

 その砲撃は、基地正面のゲートを吹き飛ばす。


 ようやく異変に気付いたのか、基地内に明かりが灯るが時すでに遅しであった。

 おっとり刀で駆け付けたスペイン兵たちは、訳が分からないまま戦車隊に蹂躙されたのである。


「総員降車! 整列っ!」


 戦車部隊に、やや遅れて進出してきた随伴歩兵を載せたトラックが基地内に突入する。


「第1中隊は司令部、第2は兵舎、第3は通信施設を抑えろ。残りの中隊は後備としてここに待機だ!」


 トラックから、ドカドカと兵士が降車する。

 大隊長の命令を受けて直ちに行動を開始する。


「くそっ!? なんで当ててくるんだ!? こっちは暗くて照準も……」


 暗闇で探り撃ちをしたスペイン兵は、最後まで言葉を発することが出来なかった。人民陸軍が制式採用しているベルティエ・カービンには、ラジウム塗料を使用した夜間戦闘用の照準器が取り付けられており、夜間でも優位に戦闘を進めることが出来たのである。


「武器を捨てて投降しろ!」


 深夜の奇襲により、まともな抵抗が出来たのは皆無であった。

 スペイン国内の陸軍基地や要塞は、次々と無力化されていったのである。


「参謀本部からは何も言ってこないのか!?」

「はっ、未だに……」


 とはいえ、全ての基地が陥落したわけではない。

 距離的な問題で強襲をかけざるを得なかった基地では、人民陸軍は激しい抵抗を受けた。


 特に抵抗が激しかったのは、モロッコ駐留軍であった。

 指揮官のフランコ大佐は奮戦し、一時的に人民陸軍は撤退に追い込まれたのである。


「しょ、将軍!? 参謀本部より停戦命令です」

「なんだと!?」


 電撃戦の開始から1週間後。

 最後まで抵抗を続けたモロッコ駐留軍が降伏したことにより、スペイン全土がフランス・コミューンの手に堕ちた。


 あまりの展開の速さに、英国側はどうすることも出来なかった。

 頼みの綱の英国海外派遣軍(BEF)は再編中で身動きが出来なかったのである。


 軍事介入をあきらめた円卓は、MI6を動かすことで事態の収拾を図った。

 舐めたマネをしてくれたカエル喰いと、スペインの左巻きどもに一泡吹かせるべく暗躍していくことになるのである。







「まさか、このようなことなるとはな……」


 出された紅茶を飲みながら、アルフォンソ13世はため息をつく。

 厳選された茶葉を使って抽出された紅茶の味は絶品であったが、彼の表情をほぐすには至らなかった。


「連中はおそらくフランス軍です。ただ、このタイミングで何故行動を起こしたのか分かりませんが……」


 隣に座るプリモ・デ・リベラは、砂糖をマシマシにしたハーブティーを飲んでいた。これまで不眠不休で動き続けた身体に糖分が身に沁みたが、とても休む気にはなれなかった。


 マドリードが襲撃されてからのプリモ・デ・リベラの行動は迅速であった。

 スペイン王を説得し、自らが車を運転して在スペイン英国大使館に駆け込んだのである。


「お待たせして申し訳ない。全権大使のジョン・ティリーです。この度は誠にご愁傷様でありましたな」


 ノック後に入室してきたのは、駐スペイン英国大使のジョン・アンソニー・セシル・ティリーである。


 史実では日本大使を務めていた彼であったが、この世界ではテッド・ハーグリーヴスが日本大使に就任したためにスペイン大使に横滑りしていた。


「……現在情報収集中ですが、情報が錯綜していて全容を掴むことが困難な状況です。確実なのは、ここマドリードが昨夜未明にフランス・コミューンらしき武力集団によって占拠されたということです」


 二人が大使館に駆け込んだ直後から、ジョン・テイリーは情報収集に躍起になっていた。しかし、深夜で目撃者も皆無な状況で情報を集めることは困難を極めていたのである。


「閣下! ラジオで緊急放送が流されています」

「今すぐ流せっ!」


 そんな状況であるから、ジョン・テイリーはノック無しで入室してきた職員を咎めなかった。急いで応接間にラジオを据え付けてチャンネルを合わせる。


『……突然の事態に混乱している国民の皆さん、ご安心ください。我ら新政府は国民に寄り添った政治を保証致します』


 ラジオ・マドリードから流されている緊急放送は、事実上のクーデター宣言である。予想されていたこととはいえ、その内容は衝撃的であった。


「この声……ドロレス・イバルリか!?」

「将軍。声の主を知っているのかね?」

「共産党の女性幹部です。しかし、何故彼女が? ガルシアはどうしたんだ?」


 プリモ・デ・リベラには、ラジオの声に聞き覚えがあった。

 その声は、スペイン共産党の幹部ドロレス・イバルリのものであった。


「共産党がフランスのアカどもを手引きしたということで確定ですな。急ぎ、本国に報告せねばなりますまい」


 フランス・コミューンが何らかのアクションを起こすことは想定済みであったが、スペインに牙を剥くのは完全に想定外であった。ジョン・テイリーの緊急電によって、英国政府と円卓がパニック状態になったことは言うまでも無いことである。


『……このような事態を招くことになったのは、ひとえに前政権の無能が原因なのです! 当然、彼らには責任を取ってもらいます』

『特に国王アルフォンソ13世と、その腰巾着であるプリモ・デ・リベラは極刑に値します。見つけた方はご一報を!』


 引き続き、ラジオからはお約束とでも言うべき内容が流されていた。

 前政権に責任をおっ被せるのは、クーデター政権の常とう手段である。


「好き勝手言いおって……!」

「目の前に奴らがいたら、縊り殺してるところだぞ!」


 名指しされた二人は、烈火の如く激怒した。

 世界大戦後のスペインを二人三脚で成長させてきた自負があるだけに、共産党の戯言を聞き流すことが出来なかったのである。


「ここに居ては危険です。既に本国には救援を要請しました」

「しかし、この状況でイギリスは救援を寄越してくれるのか?」


 アルフォンソ13世が心配するのも無理からぬことである。

 しかし、ジョン・テイリーは断言する。


「わたしは世界に冠たる大英帝国に不可能などないことを信じていますよ」


 実際、世界最強のロイヤルネイビーに不可能など無い。

 それが証明されたのは、5日後のことであった。







「まさか本当に救援が来るとは……」


 大使館の窓から空を見上げるアルフォンソ13世。

 その視線の先には、ホバリングしながら接近するオートジャイロがあった。


 1927年10月22日。

 早朝からFB-1B(オートジャイロ)のピストン輸送による救出作戦が開始された。


 大使館を包囲していたスペイン共産党と人民陸軍からすれば、空からの救出は完全に想定外であった。彼らは、目の前の救出劇を阻止することが出来なかったのである。


 それでも、何もしなかったわけでは無い。

 飛行経路から行先がバレアス海であることを知った共産党側は、バレンシアに駐留していた駆逐艦隊を出撃させていた。幸いなことに、イビサ島西20kmの海域でオートジャイロを捉えたのであるが……。


『こちらは、ジブラルタル駐留艦隊旗艦『クイーン・メリー』である。ただちに当該海域より離脱されたし』


 接近したスペイン艦隊の目の前に展開していたのは、クイーン・メリーを含めたクイーン・エリザベス(QE)型高速戦艦5隻を基幹とするジブラルタル駐留艦隊であった。


 航空機補修艦『ユニコーン』の航空甲板では、多数のオートジャイロが着艦と発艦を繰り返す。大使館で働く現地職員も亡命を希望したために、文字通り全員をピストン輸送することになって大わらわであった。その様子をスペイン側は見守ることしか出来なかったのである。


「二人を取り逃がしただと!? あなた方は何をやっているのです!?」


 占拠したマドリード王宮の一室で、ドロレス・イバルリが吠える。


「いや、しかし、あのような手を使われるとは想定外で……」

「まさかイギリスがあそこまで素早いリアクションを取るとは思いませんでしたし……」

「男のくせに言い訳しないっ!」


 ヒステリー染みた剣幕に、列席した共産党の幹部たちは首をすくめる。

 今やスペイン共産党の主導権は、完全にイルバリのものであった。なんといっても、フランス・コミューンの軍事介入を成功させたのである。武力を背景にした彼女の言葉に逆らえる者などいなかった。


 イバルリは、アルフォンソ13世とプリモ・デ・リベラを諸悪の根源として公開処刑するつもりであった。そんなことをしたらどうなるのか深く考えていない。ただ、己の激情に素直な女であった。


「国外逃亡してしまったのもはしょうがない。それよりも我らの存在を国際的に認めされることが急務だろう」

「……そうですね。今は共和制の実現を優先しましょう」


 書記長ガルシアの言葉に、不承不承といった感じで了承する。

 正論ではあるが、彼女は決して納得していなかった。


(……いずれ、適当な理由を付けて書記長から引きずり落としてやるわ)


 その目に憎悪の炎を燃やしつつも、新政権の閣僚リスト作りに加わるイバルリであった。


『……本日は、政治を国民の手に取り戻した歴史的な日です。ここにスペイン共和国の建国を宣言しますっ!』


 1927年10月27日。

 マドリード王宮前広場に設置された演説台で、スペイン共和国初代大統領ドロレス・イバルリが高らかに宣言する。


 史上初の女性大統領ということもあり、海外メディアからの注目されて大勢の報道陣が押しかけていた。


 彼女が初代大統領に就任することについては、共産党内で根強い反対があった。

 しかし、反対していた幹部が事故に遭って入院するようなことが繰り返された結果、最終的に彼女が押し切る形となったのである。


「ほら見なさい! わたしは間違っていなかったのよ!」


 史上初の女性大統領という事実は、世界中から好意的に報道された。

 それに釣られたのか、クーデター政権に不安を抱いていた国民も支持し始めたのである。己が目論見が上手くいってイバルリはご満悦であった。


 しかし、それも英国政府が公式声明を出すまでであった。

 事の経緯を徹底的に調べ上げた円卓は、お得意の口八丁で反撃を開始したのである。


『先日、建国宣言が成されたスペイン共和国なる国家を大英帝国は承認しない。正当なる政府はアルフォンソ13世陛下を国主とするスペイン王国亡命政府である』

『そもそも、他国の軍事力を用いて政権を転覆するような輩は愛国者では無い。単なる売国奴である』


 英国宰相ロイド・ジョージの公式声明は、BBCのネットワークで配信された。

 世界中の植民地や自治領はもちろんのこと、日本を含む他国列強にまでリアルタイムで配信されたのである。


『……アルフォンソ13世陛下は、自ら自由スペイン軍を率いて国を奪還されると仰られた。大英帝国はこの気高い意志を大いに尊重する。勇敢なるスペインの有志諸君、ロンドンへ来たれ!』


 この言葉に触発されて、海外の出稼ぎスペイン人労働者がロンドンに殺到した。

 スペイン国内でも、レジスタンス活動が本格化することになるのである。


「なんでこうなるのよ!?」


 絶叫するドロレス・イバルリであったが、自分で蒔いた種である。

 弱小なスペイン軍では国内の治安を維持出来ず、フランス・コミューンのさらなる軍事介入を招くことになるのである。


『スペイン共和国を許すな』

『大英帝国は世界の警察の役割を今こそ果たすべき』

『新たなる世界大戦の火種は早急に摘む必要がある』


 スペイン共産党の政権簒奪を、英国内の新聞は積極的に書き立てた。

 結果として、戦争の機運が盛り上がっていくことになるのである。


 来るべき第2次世界大戦のために、国内世論を利用して英軍は急速に刷新していった。


 しかし、それを実現するためには円卓チートだけでは不十分であった。

 第2次大戦後を見据えた兵器開発をするためにも、テッド・ハーグリーヴスの本土帰還が強く望まれたのである。






以下、今回登場させた兵器のスペックです。


ジャンヌ・ダルク


排水量:182.8t(空虚重量) 

全長:240.0m 

直径:40m

全高:44.7m

機関:ファルマン12We 水冷12気筒550馬力8基推進(水素+プロパン混合ガス使用)

最大出力:4400馬力 

最大速力:45ノット(巡航速度) 78ノット(最高速度)

航続距離:45ノット/3000浬(最大搭載時)

乗員:65名

兵装:50口径8mm重機関銃25基

   空挺隊員400名+投下用武装コンテナ(最大搭載時)

   装甲:5mm(前部操舵室、後部操舵室)


人民空軍が、アメリカ企業の協力を受けて建造した大型飛行船。

同型艦は『ラ・イル』『ジル・ド・レ』『シャルル・ド・ヴァロワ』『ジャン・ド・デュノワ』


来るべきドイツとの再戦で、フランス・コミューンの軍関係者の頭を悩ましていたのが、立ちはだかるであろうドイツ軍の塹壕陣地であった。塹壕を見ただけで戦意崩壊してしまうほどのトラウマと化していたのである。


この問題を解決するために考案されたのが、飛行船を使った浸透戦術であった。

夜間に飛行船を無音航行させることで塹壕を飛び越え、空挺部隊を降下させて速やかに司令部を無力化を完了させる。その後は、後続の陸軍のために塹壕を破壊して道を作るまでが任務であった。


設計と建造はアメリカ国内で行われた。

フランス・コミューン側は、建造資金と(ドイツから奪った)超ジュラルミンの製造技術を提供している。この超ジュラルミンをアメリカの技術陣が、史実超々ジュラルミンレベルにまで強化したものが骨組みに採用されている。


ちなみに、フランス・コミューン側から提供されたドイツの技術は多岐に渡っており、第1次大戦に関われなかったアメリカにとっては貴重な技術習得の機会であった。


浮力を発生させるガスは、水素とヘリウムを併用している。

水素は安価なので気軽に放出することが可能であり、その分浮力の調整がやり易くなっている。船体に設置された雨水回収システムと風力発電による電力で水を電気分解して水素を発生させて再充填する装置を装備しているが、実際にどの程度役に立ったのかは不明である。


船体後方の広大な格納庫は空挺部隊の装備コンテナ置き場であるが、肝心の空挺部隊員の居住スペースは存在しなかった。短距離侵攻しかしないと割り切ったのか、空いているスペースに適当に雑魚寝するなり、骨組みにハンモックを吊るすなりしていたようである。



※作者の個人的意見

史実のアクロンをベースに骨組み配置の適正化と超々ジュラルミン使用で軽量化してペイロードを増加させたものです。


航続距離がオリジナルよりも大幅に短くなっているのは、エンジン用のブラウガス(水素+プロパン)のガスバッグを減らして、その分を浮力用の水素&ヘリウムのガスバッグに置き換えているからです。いくらなんでも1万kmオーバーの足は不要なので。


拙作で描写した全長500mのアレですが、運用はともかく実現は不可能じゃない……はず。

全長をヒンデンブルグの2倍の490mとすると、容積は8倍の160万m3となり、ヘリウムを使った場合の浮力理論値は1650t、ペイロードは500tという考察があるので、配置次第で内部に滑走路と戦闘機を置くことくらいは出来るでしょう。実用性はともかくとしてw






FM Mle 1915EA軽機関銃


種別:軽機関銃

口径:8mm

銃身長:470mm

使用弾薬:8mmルベル弾(8mm×50R)

装弾数:30発(バナナ弾倉) 200発(ベルト給弾)

全長:1143mm

重量:9070g(弾薬除く)

発射速度:毎分250発前後

銃口初速:700m/s

有効射程:200m


史実では第一次世界大戦勃発直後の大敗を受け、攻撃戦術を転換したフランス軍の要請で急遽開発されて実戦投入された軽機関銃。一般的な呼び名はショーシャ軽機関銃。


この世界ではフランス軍が最後まで脳筋思考だったために、本格的な生産は戦後までずれ込んでいる。少数の試作品が戦争末期に実戦投入されており、そのときに発生しまくった不具合を潰すために、アメリカの銃器メーカーに改良を依頼している。一説には、あのジョン・ブローニングも関わったと言われているが真偽は不明である。


原型が無くなるほどに改良された本銃は、EA型と呼称された。

なお、Aはアドバンスではなく、アメリカを意味している。


弾倉はバナナ型に変更され、ベルト給弾にも対応している。

バレルの交換も簡単に出来る構造に変更されている。



※作者の個人的意見

この世界でも駄作銃にしようと思っていたのですが、史実の『弾が出る鈍器』の原型を残さない改良ぶりを見て考えを改めましたw


まぁ、普通に使える軽機関銃ですね。

ロングリコイルで発射速度は遅いけど、その分コントロールはしやすいかと。


改良にかかった代金は、ドイツ技術の切り売りでなんとか。

こうでもしないと、変態世界のアメリカの技術強化が出来ないのでw






デストロイヤー・カービン


種別:ボルトアクション式小銃

口径:9mm

銃身長:544mm

使用弾薬:9mmパラベラム(9mm×19)

装弾数:10発(箱型弾倉)

全長:1000mm

重量:2790g(弾薬除く)

発射速度:射手の腕によって変化

銃口初速:400m/s

有効射程:100m


スペインの法執行機関(いわゆる警察とか)で制式採用されている小銃。

史実と同様であるが、こちらは輸出用の9mmパラベラムを採用している。


拳銃用の弾丸をライフルで撃ちだすので、反動がマイルドで撃ちやすい銃である。

銃身が長めなので、拳銃で撃つよりも威力は向上している(はず)。



※作者の個人的意見

この銃は使用弾薬のバリエーションがあるのですが、史実では輸出用だった9mmモデルを採用しています。カービン並みの図体で9パラ撃つってインパクトあるやん?(オイ






ルノー FT-18A 軽戦車


全長:5.00m  

全幅:1.74m  

全高:2.14m  

重量:6.5t  

速度:45km/h(整地)

行動距離:70km

主砲:ピュトー SA18 21口径37mm戦車砲

装甲:22mm(最厚部)

エンジン:液冷V型8気筒ガソリンエンジン100馬力

乗員:2名


人民陸軍の主力戦車。

ルノーだけでなく、現地に進出しているフォードの現地法人でも大量生産が行われている。


フォード・フランスは製造工程にも大々的に関わっており、史実オリジナルよりも性能を向上しつつも生産コストを抑えることに成功している。一例を挙げると、エンジンはトラック用エンジン(後述)を連結してV型にしたものである。


安価で高機動力、そこそこの武装を持つ軽戦車として大量に生産された本戦車であるが、小型すぎる車体による発展性の無さと二人乗りという点が最後まで足を引っ張ることになる。



※作者の個人的意見

外観は丸型砲塔を採用したFT-17です。

武装はオリジナルのままで、エンジンは信頼のフォード製です。


武装を強化しようと思ったのですが、フランス二人乗り戦車にそれをやると車長が過労死してしまいかねないのであきらめました(酷


エンジンをもっと強化しても良いですね。

直4を3バンクにしてW型12気筒で150馬力にすれば、路上で60kmも不可能じゃないですし。






フォード・フランス モデルTT


全長:5.50m(装甲車)

ホイールベース:4.00m(トラック・装甲車共通)  

全幅:1.74m  

全高:2.31m  

重量:3.5t(装甲車)  

速度:40km/h

行動距離:200km

主砲:Mle1922 軽機関銃(7.5×54mmフレンチ弾使用)

装甲:5~8mm

エンジン:液冷直列4気筒ガソリンエンジン50馬力

乗員:4名


人民陸軍で制式採用されている輸送トラック&装甲車。

フレームを共用化で6割近い部品の互換性を確保した結果、生産性と整備性が異様に優れた車両になった。


エンジン回りに関しては、トラック、輸送車、FT-18Aで9割近い互換性があった。

前線で故障しても、そこら中に部品があるために早期復帰が可能であり、人民陸軍の電撃戦を支えた陰の立役者であった。


共通フレームに、トラック&装甲車のボディを架装しているだけなので、修理に出したらトラックが装甲車になってたなんて珍事もあったようである。


圧倒的な信頼性は前線の兵士に愛されたものの、トラックとしては平凡な性能であり、装甲車としてもパッとしたものが無かったために戦力外になるのも早かった。



※作者の個人的意見

史実フォード モデルTTのマイチェン版です。

ギア周りは弄って高速化してます。さすがに、オリジナルのままだと遅すぎるし(汗


古くはロールスロイス装甲車があるように、普通の車を装甲車に仕立てたのって意外とあるんですよね。フォードのモデルTを装甲車に仕立てた例があるくらいですし。だから、モデルTTを装甲車にしても問題無いわけですw






ベルティエ・カービン


種別:ボルトアクション式小銃

口径:8mm

銃身長:450mm

使用弾薬:8mmルベル弾(8mm×50R)

装弾数:5発(クリップ装填)

全長:945mm

重量:3100g(弾薬除く)

発射速度:射手の腕によって変化

銃口初速:637m/s

有効射程:400m


人民陸軍の主力小銃。

この世界では、最初から5発クリップが採用されている。


比較的安価に製造出来ることに加えて、前述のショーシャ軽機関銃と使用弾薬を共用出来るメリットが存在するため、当分は制式小銃として採用され続けると思われる。



※作者の個人的意見

史実のベルティエ・カービンの5連発バージョンですね。

初期モデルが3発しかクリップに入らなかったことを考えれば、だいぶマシになってます。それでも少ないけど(汗


今回採用した理由は、照準に夜光塗料が塗ってあって夜戦に有利と思ったからです。

それ以外は、特筆するべき点は特に無いんだよなぁ…(;^ω^)






フェアリー FB-1B ジャイロダイン


全長:7.62m  

全幅:1.37m(主翼除く)

翼幅:5.38m

全高:3.07m 

ローター径:15.768m   

機体重量(自重/全備):1879kg/3577kg   

最大速度:250km/h

航続距離:430km(640km 増槽使用)

上昇限度(実用/限界):3350m/2380m(地面効果なしのホバリング限界)

武装:RP-3ロケット弾×6(主翼兵装架)

  :機外増槽×2(機体側面)

  :M2重機関銃(機首) 

  :兵員4~5名or貨物1000kg(機体内貨物室)

エンジン:ロールス・ロイス グリフォン 軸出力2300馬力+ガスジェネレーター(チップジェット用)

乗員:2名(パイロット+ガンナー)


英国陸海軍で採用されている汎用オートジャイロ。

ウォッチガードセキュリティが朝鮮半島で試験していたFB-1Aの性能向上型である。


エンジンが強化されたことにより、全般的に性能が向上している。

海軍の要望で機体側面に増槽を装備して航続距離を延長することが可能になっている。



※作者の個人的意見

エンジンを強化して汎用複合ヘリとして完成度を高めてみました。

コストを度外視すれば、なかなかに使える機体だと思います。






HMS ユニコーン


排水量:21580t(常備) 29600t(満載)

全長:220.8m

全幅:32.6m

吃水:7.8m

機関:アドミラルティ式三胴型重油専焼水管缶8基+パーソンズ式オール・ギヤードタービン4基4軸推進

最大出力:132000馬力

最大速力:31ノット

航続距離:13.5ノット/8000浬

乗員:1100名

兵装:45口径10.2cm連装高角砲8基 

   40口径4cm4連装対空機関砲5基

装甲:舷側100mm(機関部) 

   飛行甲板76mm(最厚部)

   

艦隊に随伴して航空機の補給及び修理にあたる航空機補修艦。

同型艦は『ペガサス』


正規空母5隻分を支援する能力があり、長期作戦を行う空母艦隊にとっては必要不可欠な存在であった。簡易空母としての運用も可能であり、正規空母の代わりに運用されることもあった。フランス・コミューンによるスペイン侵攻時には、ヘリ空母としてバレアス海に展開している。


史実とは異なり、クイーン・エリザベス(QE)型高速戦艦を改装したために、オリジナルよりも船体が大型化している。船首はエンクローズド・バウではなく、史実日本空母のような開放式になっているが、運用上の問題で後日改修された。


機関は艦船用デルティックではなく、テッドが召喚した戦艦『ヴァンガード』の機関をそっくり移植している。蒸気カタパルト運用を見越した処置であり、後の改修で蒸気カタパルトが設置されている。



※作者の個人的意見

作り過ぎたQE型のリサイクルです。

史実オリジナルよりも船体規模が拡大しているので余裕はあるし、改装でお安く作れてお得なはず。多分。

久しぶりに自援SSをうpしました。

テッド君が慰安旅行中で表立って動けないので、しばらくは更新頻度も増えるはずです。


かといって、本編をおろそかにするわけにもいかないんですよねぇ。

理想は本編と自援を月一更新なのですけど。


プライベートで問題があって、本文書くだけで力尽きました。

後書きがシンプルになってしまいましたが、(・ε・)キニシナイ!!


あ、質問やツッコミは遠慮なく受け付けておりますので奮って書き込んでくださいね。

それでわ~(´∀`*)ノシ バイバイ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] スペインにも吉幾三が居る!
[一言] ピストルカービンは法律で16インチなだけで燃焼時間的に9mmパラなら10インチ以上あっても精度も威力も変わらないどころか初速が落ちてくだけな気が……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ