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第十一話

職業【商売の神様】……商売に関する全てのスキル、商売に優位なスキル・ステータスを持つ。

神様と呼ばれるくらいの実績を上げた商人が取得する事ができる。


 マニーのスキルの一部で言うと……

『テレポート』……商人は速度が大事だ。有利な商談、安全な荷運び。

 こちらの方では手に入らない高額な香辛料を一瞬で移動し持ち帰ることも可能になる。

 

『アイテムボックス』……商人は商品を持てる量が大事だ。売るにしても買うにしても商品を持てなければ規模は小さくなる。

尋ねてみた所、マニーのアイテムボックスは無限に入るらしい。


『素材取得』……倒した魔物の有用な素材を自動で取得する。

素材を自動で取得する事で素材をはぎ取る手間が無くなり、パーティーに重宝され護衛等でも引っ張りだこだ。



 聞いたこともないズルいスキルが読むのも面倒なくらい並んでいた。

 神様とはこういう物なのだろうか。

 

「商売っちゅうのは、みんなで幸せになるためのもんやで」


 そして、俺を指さした。

「能力を失ったからいうて邪険な扱いをする冒険者ギルドはおかしいんやで?オルタはんは自殺考えてしまうくらい追い込まれとったやん」


 マニーは苦笑いして、

「金稼ぐだけなら簡単やけど、今回はバチを当てとかんとな。あ、小さい商売が楽しいっちゅうのもあるで?」

 そう言って笑顔を俺に向けた。


 商売とは基本的に需要と供給、流通を整え便利にするものだ。

 娯楽の提供、食品の提供、便利な製品の提供。


 需要と供給を考えてバランスを取り、需要がある所に供給する。

「敵にまわしたら需要と供給のバランスを崩して買い占めたり、流通を壊して生活を不便にする事もできるんやで。商人は敵にまわさんように気を付けや?」



 マニーのスキルを見た時、俺は真っ先に香辛料取引を思いついた。

 香辛料の生産国までテレポートし、アイテムボックスに買えるだけ買い、テレポートして売りさばく。


 それだけで莫大な富を稼げるのに、なぜ詐欺まがいの事や買い占めによる価格の吊り上げを選んだのか。


 冒険者ギルドへの天罰(バチだ。

 

 商人が商売ができない身体になった時、商人ギルドから職業が斡旋される。

 兵士が戦えなくなった時、国から年金が出る。

 傭兵は戦えなくなった時、何も得られないが報酬は高額で、約束分は必ず支払われる。


「雇用しとるんや。従業員の事を考えんでどうするん?ましてオルタはんはAランク賢者やったやろ?貢献しとるんとちがうん?」


 冒険者ギルドで賢者としてAランクにまで上り詰めたオルタ。

 たくさんの依頼を受け、富を冒険者ギルドに与えたはずだ。

 

 カレン達がオルタを抜くのは仕方がない。彼女らは同僚、雇用者ではないのだから。

「カレン達とアンタは対等やから、追放はしゃあないよ。でもその後の冒険者ギルドの対応は間違うとるで」


 稼がせて貰ったオルタがヤクタターズになった時


 Aランクパーティーに使えない人間と組ませて依頼ができなくなる事を避けるため、カレン達のパーティーから外させるまでは良い。


「やり方は色々とあったはずやで?されとらんから死ぬ、とかわっちを呼ぶ事になったんやろ?」


 マニーが言うには、冒険者ギルドの正しい対応は。

 

 職業を変更できるか親身に相談にのり、現場復帰の支援をする。

 

 現場復帰が出来なかった場合、相談員や新人冒険者の教育役や講習役として冒険者ギルド職員として雇ったりする事もできる。

 元Aランク冒険者の貢献度から考えて、それくらいはしてもいいはずだ、と。

 

「今まで稼がせてくれてありがとう。今後は冒険できるステータスではないから若手育成に力を入れてくれ」

 この一言があれば、俺はカレン達を応援しながら軽口を叩いて仲良くやれていたかもしれない。

 ウサギ狩りすらもできるステータスではない俺に対してギルドは何もしなかった。

 報酬が得られず貯金を切り崩す程困窮していたのに、ギルドは能力のせいだと切り捨てた。

 

 選手交代スキルにより、まるで自分がそういう仕打ちを受けたかのようにマニーは俺のために憤り、涙をこぼしてくれた。


…… ……

 ギルドマスターは領収書のギルド名を見て、息を吹き返したように笑った。


「馬鹿だな!この領収書のギルドがある街は弱小ギルドのはずだ。貴様、領収書を偽造したな!」

「領収書偽造はしとらんよ?」

「だ、だがこれだけの角が入る倉庫を持っていないのは確かなはずだ。買える訳が無いんだ」


「せやな、そこのギルドにあったウサギの角の在庫はニ十本くらいやったで?」

「そうだ!文章偽造を認めるんだな!あと手ぶらのようだが、角はどうした!」

 

「偽造しとらんて。ウサギの角を百五十イエンで買い取りやったから、わっちが千九百三十七本を売っただけやで?」

「……何だと?」

 

 固まるギルドマスター。

 

「せやから、売って倉庫が無い言うからそのまま三百イエンで買い取ったんや。何もせんと大きな利益になった言うて喜んでたで?」


「持っていたウサギの角を売って買い戻すだと?そんなの損なだけじゃないか!」

「損にはならんやろ?五千イエンで買ってくれる約束があるしな」


 領収書と契約書を見せてマニーはギルドマスターに言う。

「感謝しいや?その買い取りで手に入れた金は仕入れにつこうとらんから」



「……なぜこれだけの素材を手に入れられた!」

「わっちは敵を倒したら勝手に素材入ってくれるんやで?すごいやろ!五千個超える角がアイテムボックスにあったんやで!」


熱でてました。

下がりましたが、鼻水が止まりません。

朦朧として文章乱れてたらごめんね。え?いつも乱れてる……?そんなバカな!

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