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第83話 アイのお願い

「は!」



そこで目が覚める。慌てて自分のステータスを確認するが、間違いない。オレはゴールドランクの管理者になっていた。さっきの夢?が「神託」ってことで間違いなさそうだ。



改めて自分の今の状況を整理してみる。色々な事が判明した結果、何をすべきかがハッキリしてきた。まずは・・・



「他の聖獣たちと戦うんだよなあ」






「おはよー」




するとアイが部屋に入ってくる。昨日がよほど楽しかったのだろう、ニコニコとしていた。いつの間に着替えたのかパジャマを着ている。サザエちゃん達が用意したのだろうか、なんやかんやキチンとメイドの仕事もしているみたいで少し安心した。



「お、おはよ」

「ねえねえ、昨日神託があったやろ?ゴールドランクの管理者権限持ってるやん」



なるほど、ナビゲーターであるアイはオレの意識と一部リンクしており、何等かの変化があった場合にはすぐ分かる様になっている。え?じゃあ、もしエッチな事考えてたら筒抜けじゃないかって?大丈夫、余計な情報はカットされ必要なものだけが共有されるのだ。



「これでウチも世界の理にアクセスできるようになったけん、色々とサポートできる幅が広がったね」




そうなのだ、実はこれがめちゃめちゃ大きい。同じ情報を与えられてもオレとアイの脳レベルには大きな違いがある。アイの処理能力だとオレの数百倍の効果が期待できるのだ。




「・・・・」

「うん?どげんしたと?ウチなんか悪いこと言った?」



なんか言葉にしてみるとめちゃめちゃ傷つくなあ。アイはオレより数百倍も頭がいいのか、そんなオレなんかと結婚して果たして良かったのかなあ。オレはガックリとうな垂れてしまう。




「あ、そうそう。昨日なんでも一つ言うこと聞くって言ったやん」

「うん、言ったね」



昨日の約束だな。何が欲しいんだ?若い女の子が欲しいものって言ったら服か?それとも宝石とかのアクセサリーか?金はあるんだ、トキさんに頼んでなんでも手に入れてやるぞ。

こんなオレなんかに出来る事ならなんでもやってやるぜ。




「ウチ、シュウ達と一緒に冒険に行ってみたか」

「え?」



すっかり若い女の子に貢ぐ中年オヤジの発想になっていたオレに予想外の言葉が飛び込んでくる。



「シュウとコタロウ君が一緒に冒険していた時、ウチはいっつも電脳界から見ているだけやったやん。一回一緒に冒険したいと思ってたんよねー」



そ、そうか。元々アイは精神世界の住民なのであんまし物欲はないのかもな。なんていい娘なんだ、本当にオレは最高の嫁と結婚したらしい。

でも冒険かあ、あんまし危険な目に遭わせるのはイヤだなあ。



「う、うん。じゃあ、冒険者ギルドに行って何か適当なクエストを受けようか?」

「だめ、そんなのじゃ面白くなかやん。どうせコタロウ君が無双して私たちはそれを見ているだけになるけん」



ま、まあ今の戦力からするとそうなるだろうね。ガル達サラマンダーもいるしそのお陰でオレの能力も上がったからなあ。



「だからね、アソコに行こうよ」

「え?アソコと言うと?」



ひょっとしてアソコですか?



「うん、未公開のダンジョンね。敵も結構手強いし欲しいアイテムもゲットできるけん丁度いいやん」



そうなのだ。管理者権限が付与された事により、未公開のダンジョン情報を獲得することが出来る様になったのだ。そのダンジョンの場所はもちろんの事、ボスの強さや封印されているお宝まで詳細な事まで分かる。だが・・・



「うーーーん、初めて冒険するにはちょっと難易度高すぎじゃないかなあ・・・」

「なんばいいよっとね。シュウ達だって一番最初っから最高ランクのクエスト受けてたやん」


渋るオレにアイは不満を露わにするが、彼女を危険な目に遭わせたくない。ここはなんとか説得して諦めて貰おう。


「え?だってあれは、アイが大丈夫って言ったから・・・」

「じゃあ、今度の冒険も大丈夫やん。それともウチの事信用しとらんとね?」



うん?言われてみればアイの言う通りだ。オレはアイの事を全面的に信用している。

今のオレがあるのも全てアイのお陰と言っても決して過言ではない。それにオレ達は夫婦になったんだ。夫婦は信頼関係が大事だからな。



「分かった。アイの事信用しているから一緒に冒険に行こう」



するとアイはキラキラと瞳を輝かせてオレを見つめる。



「ほんと?」

「うん。だって信用しているからね」




「きゃああああああ、大好き」



アイは大喜びでオレに抱き付いてくる。以前のアイからは予測できない行動だ。まるでアヤ姉やサザエちゃん、ワカメちゃんみたいな反応じゃないか。うおふ、なんと言うことだ。早くもヒノモト国民に順応しているじゃないか。ヒノモト国民万歳。オレは幸せの余り思考力が低下してしまい、アイの言うことなら何でも聞いてやる気になってしまった。




「じゃあ、どこに行こうか?」

「うんとね、行きたいところがあるっちゃけど・・・」

「うん?なんでも言ってごらん」



傍から見れば新婚ホヤホヤのバカップルが、新婚旅行の行き先を迷っているような会話だ。



「じゃあ、ここがいいな」

「うん?どれどれ。場所は・・・あ、赤木が原の近くだ。オレ達が最初に出逢った場所だね」

「うんうん」



最初に出逢った場所へ旅行する。これが、現世の普通のカップルなら定番の行き先だろう。

もちろんここは異世界でオレ達は異世界人と電脳族のカップルだから普通じゃないのだが・・・





「それで、そこのダンジョンのボスは?」

「うん、ファイアードラゴンだよ」

「え?」












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