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第81話 新婚初夜にて

「なあ、コタロウ。アイは大丈夫かなあ?」

『大丈夫だと思うニャ』

「本当かなあ、コジロウはどう思う?」

『そんなに心配なら、ガルに監視して貰うニャア?』





オレは数ある部屋の中から一つを選びそこを自室とした。畳敷きで10畳以上はある和室だ。押入れにはふかふかの布団が備わっている。現世のオレからすると贅沢過ぎる部屋だが、今日からここで寝る事にした。そして一緒にコタロウ、コジロウ、ガル、ギル、ゴルもいる。





ところがアイはここにはいない。サザエちゃん達が「女子会しよー」とか言って連れて行ってしまったのだ。さっきまで酔っぱらっていたアイだが、いい具合に酒も抜けて女の子三人でまた盛り上がっていた。前世から思っていたが、女子ってよく話のネタが尽きないよなあ。




「そんなストーカーみたいな事はしたくないなあ」



オレはうっかりまたアイが口を滑らさないか心配だったのだが、それよりもせっかくの新婚初夜に夫婦別々に寝ているってのがどうしても納得できない。なんとか出来ないものかと思っているが、何も出来ずにこうやってただグチをこぼしているだけだ。これで経験豊富な男ならうまい事言って連れ戻すのだろうが、所詮経験のないオレにそのハードルは高すぎて超えられないのだ。



「しょうがない、今日はもう寝るか」



コタロウとコジロウにネコネコスティックをあげながらアイを取り戻す口実を考えたのだが、結局いい案が思いつかずにオレはあっさりと諦めて寝る事にした。











「おい、おいったらおい!」









気が付くと見たこともないところに立っていた。なんだここは?キョロキョロと周りを見回す。どうやら建物の中のようだが、どう見ても洋風だ。こっちの世界に来て暫らく経つが今まで和風の建物しか見てないから何やら違和感がすごくある。例えるならば、パルテノン神殿ってやつだろうか?でっかい石の柱が何本も並んでいる。



「はい?」



さっきから声がする方向を見ると、世界史で習った古代ローマ人みたいな恰好をした男性が仁王立ちしていた。白っぽい布を身体に巻きつけている。



「ようやく気づいたか、オレはこの世界の創造神ゼウスだ」

「え?ゼウス様?」



ゼウス様って確かオリンポスの神様の中でも一番偉いあのゼウス様だよね?



「そう、そのゼウス」



うわ、心の中読まれてるし!






「あの?初めまして?」



するとゼウス様はオレの顔をじっと見つめる。見た目の年齢は30代くらいか?すらっとした長身に筋肉質な体つき、彫が深い顔立ちのイケメンだ。





「お前、あのギルドマスターの姉ちゃんと結婚する予定だったんだけどなあ」

「は?」





アヤ姉と?そう言えばそれらしい事言われたけど・・・え?それってどういう事なんだ?予定って?

そんな訳ないだろう?



「あのなあ、オレは神だからな。それも最高神なんだよ。この世界の出来事は何でも知ってるし未来の事も知ってるの!」




え、そうなの?そう言えば確かにコジロウも未来の事を知っている感じだったな。




「お前だってあの姉ちゃんの事いっつもエロい目でみてたじゃねーかよー」





は、恥ずかしい。オレがアヤ姉の事こっそり見てたのを神様に監視されてたなんて・・・

穴があったら入りたい。そりゃあ、あんな色っぽい人誰でもそうなるってば!見るなってのはどだい無理な話だよ。



オレは赤くなって俯き、モジモジしているが神様の話は続く。




「それが、まさかの電脳族と結婚しやがって!あいつらはなあ、おれたち神の使いなんだぞ。人間と結婚したなんて前代未聞だぜ。しかもあんな力技使って物質界に来させやがって」




え?なんかまずかったの?まさかアイと結婚した事がそんなに大事になるなんて。どうすればいいんだ?もしかして離婚しなければならないの?まだ結婚したばっかりなのにそりゃないぜ。





オレが背中を丸めて悲壮な顔をしていると、神様はふっとため息をつく。




「まあ、結婚しちまったもんはしょうがねえ。それに予定外の出来事だったが意外とこれはこれでいい方向に未来が進んでいくかもしれねえからな。これから先は、どうなるかオレにも分からんが期待しているぞ」



え?離婚しなくていいの?なんか知らないけどよかった。オレがほっと胸を撫で下ろしているとゼウス様が話を続ける。




「まあ、その話はここまでだ。本題に入るぞ」

「はあ」




「お前に管理者権限をやる」

「え?本当ですか!!!ありがとうございます!」




キターーーーーーー!!! 漸くこれでこの世界の謎が分かる様になるな。




「ランクはそうだな・・・ゴールドにしとくか」

「はあ、ゴールドなんですね・・・」



うーん、コジロウと一緒ってのがちょっとなあ。今更ながら飼い主としての威厳が・・・





「あほー!!、お前ゴールドランクっつったら人族では最高ランクなんだぞ。ヒノモト国ではケンとトキ以外には与えてないんだからな!」




ゼウス様から凄い剣幕で怒鳴られる。なるほど、そういうものなのか。コジロウがたまたま規格外なんだな。




「そういうことだ。もうつべこべ言うな、よし付与完了」

「?」



特に変化はないな。ちょっと自分のステータスを見てみるか。





シュウ

勇者Lv19

種別:人族

HP    :168

MP    :239

物理攻撃力 :115

物理防御力 :891

魔法攻撃力 :951

魔法防御力 :989

魔法練度  :529

魔法創造力 :999*

使用可能な魔法:初級火魔法、初級風魔法、初級水魔法

使用可能なスキル:料理人

管理者クラス:ゴールド

使役可能な精霊:火の精霊サラマンダー

限界突破:未完了



「!?」



なんか色々と増えてる・・・


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