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第73話 オレのデートプラン

あれ?ケンの奴、今なんて言った?



「あの、一か月後の首脳会議の事だけど・・・」

「おう、任せたぞ。オレの右腕」



ケンとトキさんは、オレの方を見てさも当然というように頷いている。それどころかミツヒデさんまでホッとした顔をしている。「やれやれこれにて一件落着だぜ」って雰囲気だ。え?どういうことだ?



「そんな事より、お前早く好きな女の子のところに行って告って来いよ。今はそっちの方が大事だろ?」



え?ヒノモト国の運命を左右する会議よりもオレ一人の恋バナの方が重要ってなんか優先順位がおかしくないか?だが、そんなオレをみんなが早く早くと急き立てる。なんか腑に落ちないままオレはEDO城を後にし、また越後屋にいた。トキさんが是非寄ってくれと言うからだ。



「せっかくの晴れ舞台ですからね。シュウさんのコーディネートをさせて貰いますよ」

「はあ・・・」



するとトキさんが奥から一人の男性を連れてきた。がっしりとした体つきに男らしい顔立ちだ。アゴは割れている所謂ケツあごってやつでもともと毛深い人なのだろう、青々としている。



「EDOの美のカリスマと呼ばれているものです」

「あーら、あなたがシュウちゃん?私はニッコーよ。よろしくねん」


「え?え?」



やっぱりどこの世界でもファッション関係はこのキャラが牛耳ってるのね。



ニッコーさんは遠慮なしにオレの事を頭のてっぺんからつま先まで舐めるように見た後、「ふーん」と言い残し店の奥へ消えていった。



「おまたせー」



再び現れた彼女?が、持ってきたのはなんの変哲もないTシャツとジーンズだった。



「このコーディネートならシュウちゃんの良さを素直に引き出すだけでなく、もしデートの時アクティブなプレイスポットに訪れたとしても対応できるわよ」



そりゃー、そうだろうねえ・・・



早速着てみるがなかなか良い。いつも来ている甚平もそれはそれで着心地はいいが、やはり現代日本で育ったオレとしては、こっちの方が慣れているのだ。



オレが満更でもない顔をしているのを見たニッコーさんから更にクツを勧められる。またまた奥から様々な種類のスニーカーを持ってきた。



うん?スニーカー?それならオレも持っているんじゃ・・・

試しにアイテムボックスに仕舞い込んでいたスニーカーを出して履いてみる。うん。やっぱり履きなれたものが一番だな。



「あらー。さすがシュウちゃんじゃない。いいモノ持ってるのね」



ニッコーさんも褒めてくれる。美のカリスマから褒められるが、今の恰好はどこからどう見ても只の普段着なので少し面映ゆい。



「あ、代金を払わないと・・・」

「はい、58万イェンになります」



トキさんがニコニコして言う。えええええええ?Tシャツとジーンズだけでそんなにするの?すっごい値段なんだけど。



「このデザインは今、ステイツで最先端のモノだからねえ」



ニッコーさんは、当然みたいに言うけどいくらなんでも高すぎでは?ちなみにいつも着ている甚平は、EDOの下町商店街で1着3000イェンで売っている。



まあ、いいか今やオレは大金持ちなんだからな。しかもこれからもお金については、困ることもなさそうだし。



結局オレは他にもTシャツ2枚とジーンズ1着を選び、計189万イェンの買い物をしたのであった。



「それはそうと少し相談に乗ってほしんだけど・・・」

「はい?どうしました?」



会計を済ませながらトキさんに尋ねる。これだけの買い物をしたんだ、ちょっと相談に乗って貰うくらいサービスの一環だよね。なかなか小市民の根性は抜けないのだ。


「自分の気になっている女の子をデートに誘いたいのだけど、こっちに来てまだ間もないし今まで冒険ばっかりでそれどころじゃなかったからどこに行けばいいか分からないんだ」



すると黙って聞いていたトキさんは、自信満々に答えてくれる。



「そんなの簡単です。“キミの好きな場所に連れて行ってくれ”って言えばいいんですよ。そう言われて嫌な気分になる女性はいません。シュウさんは、こっちにきたばかりでまだ土地勘がないのですから。道案内して欲しいって素直に言ってください」



なるほど確かにそうか。女の子が喜びそうな場所を自分で探してそこに連れて行くよりも相手が好きな場所に連れて行ってもらう。しかも、まだこっちの地理に詳しくないという言い訳もある。こりゃ完璧だ。さすがトキさんだな。



「トキさん、アドバイスありがとう。とても参考になったよ。なんだか行けそうな気がしてきたよ」


「健闘を祈っていますよ」


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