表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/310

第5話 ベースキャンプを作ろう

「よし」


念のためにコタロウも鑑定してみると、


「鑑定結果」

コタロウ

種別:飼い猫

HP15(9up)

MP0


とHPが結構、増えてる。オレよりも伸び代があるのかな…


どちらにせよ、この世界で死なないためにもレベリングが必要だな。


「まずは、ベースキャンプを作るか」


現世でロープレゲームをやっていた時のオレのレベリングは基本、町の周りをグルグル徘徊して体力や魔力をこまめに回復するスタイルだった。


検証の結果、オレの魔力はすぐ切れるし回復するには休憩が必要なのでベースキャンプは必須だろう。


「近くに小屋でもあればいいんだけどなあ…」と思うが、小屋どころか人の形跡が全く見当たらない。


当てもなく森の中を彷徨っていると周りの木と比べて太さが10倍はあろうかという大木がある。その直径5メートルはある大木の根本から1メートルほどに直径50センチくらいの穴が開いてた。


「コレは。うろが出来てるな」


でもここは慎重に。ひょっとしたら先客がいるかもしれない。

オレはそーっと中を覗き込む。


「うん。何もいない」


でも本当の住民が出かけてるってこともありえる。


すると、コタロウがぴょんっとうろの中に入っていった。そのまま、ゴロンと横になる。


「コタロウ。誰も住んでない空き家なのか?」


するとコタロウは「ニャーン」と鳴いた。


そうだと言っているのだろうか?まあ、慎重なコタロウがこれだけリラックスしてるって事は本当に空き家なのだろう。


というわけでオレも入ってみる。中は意外と広くてオレとコタロウが寝る分には、全く問題ない。


よし、まずはここを拠点に活動をするか。


オレはうろから出るとついでに周りの邪魔な木や草を焼き払う。

これでたき火をするスペースが出来た。


それでは、狩りを再開するか。


「いくぞコタロウ」


「にゃー」


とコタロウもついてくる。


先ほどよりも、少し暗くなった気がする。恐らく今は夕方なのだろう。

真っ暗になる前に帰りたいから長くても2時間くらいしかないな。急ごう。



「すっかり暗くなったなあ…」


およそ2時間後、とは言っても時間などわからないので自分の感覚だけなのだが


オレとコタロウはそれから森ネズミを12匹仕留めた。つまり12匹分の肉をゲットしたのであるが、それだけではなかった。なんと森ネズミは肉以外にもレアドロップで自分の毛皮も落とすのだ。ご丁寧になめしてある。


鑑定してみると


「鑑定結果」

森ネズミの毛皮:衣服や装飾品。敷物などの用途に使用される。


とある。その毛皮が3匹分あるのでコレは敷物として使おう。丁度よかった。


それと実はもう一つ、戦利品がある。それは、


「鑑定結果」

森レグホン(メス):肉は食用可。メスは食用の卵を1日2個から3個産む。


そう。メンドリである。コレで卵が毎日食べられるのでまたまた食事事情が良くなったぜ。


そうそう、この大量の食材と森レグホンであるがこれらを運んできたのは、またまた異世界ではおなじみスキルのアイテムボックスだ。


このスキルも使い勝手がよく「収納」と念じたら目の前からぽんっと消え「取り出し」と念じたら目の前に現れるのだ。どれくらいの収納能力があるのかは未知数であるが、ともかく使えてよかった。



ということで今日の料理だ。


「コタロウ今日は、森ネズミのツクネを食わせてやるぞ。」

「にゃー」


材料は、またまた森ネズミと岩塩。それと森レグホンの卵白だ。

料理をするのでまな板替わりに平らな石を拾ってきた。それをウインドカッターで「スパーン」とカットした。結構、大きいので鉄板替わりにもなり重宝しそうだ。


ということでまずは、まな板の上で森ネズミの肉と塩と卵白を混ぜ合わせる。

粘りが出てきたら、成形して拾ってきた木の枝にそれをうまく突き刺す。


とそれを今度はたき火のまわりの地面に突き刺す。強火の遠火でしっかり中まで火を通すのだ。時々向きを変えてまんべんなくツクネに焼き色がついたら完成だ。食べるときには森レグホンの卵黄を絡めて食す。


「うんまーい。」

「ニャアニャア」


この森レグホンは、現世でいうところの放し飼いの地鶏だからな。そりゃーその卵も味が濃厚だわ。森ネズミの肉はあっさりとしているのだが、逆にそれが幸いして卵黄の味を邪魔しない。


おっと、今日はバナナナを焼きバナナにしたんだった。

これはほんとお手軽料理だ。何しろバナナナを皮ごとたき火に放り込むだけだからな。


しばらく経ってからバナナナをたき火から取り出してみる。バナナナの皮は分厚い上に水分も多い。もちろん表面は真っ黒こげであったが皮をむいてみると真っ白な果肉が出てきた。食べてみる。


「あまーい」


お菓子のような甘さだ。簡単にできてこのクオリティ。コレはコスパがいい料理だな。


とお腹いっぱいになったところで、自分たちのステータス確認だ。


「鑑定結果」

シュウ

勇者Lv4

種別:人族

HP32(14up)

MP61(23up)

使用可能な魔法:初級火魔法、初級風魔法、初級水魔法


コタロウ

種別:飼い猫

HP41(26up)

MP0


「お、なかなか上がったな。っとコタロウにHP抜かれた?」


まあ、コタロウが頼もしくなるのはいいことかな?

そんな訳でオレ達は異世界での初日を大木のうろの中で終えるのであった。


ちなみに敷き詰めた森ネズミの皮は寝心地最高だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ