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第56話 「最後の洞窟」冒険談

リサからのどストレートな質問に対してアイからのアドバイス通りに答える。



「リサさん。それは北東エリアのギルドマスターとして質問しているのですか?」

「い、いや。そう言う訳じゃないぞ。オラが興味あったから聞いただけだ」



リサはハッとした後、顔を赤らめて俯く。こんなデレた顔もするんだ。とオレは有頂天になる。さすがアイさんだ。オレは恋愛系はゲームも苦手でよくヒロインの女の子を激怒させていたが、アドバイスに従っているだけでこんなに楽に女の子を攻略できるなんて。



「じゃあ、EDOギルドの冒険者から高ランクの討伐についての情報開示は不可侵ルールが適用されるのは、もちろんご存じですよね?」



調子に乗ってアイの言うことをそのまま伝える。



「わ、分かってるよ。悪かったな」



うん?何か変な空気になったぞ。こりゃ言い方まずかったんじゃ…



『こう言えば、色々聞かれなくてシュウさんも面倒な思いしません』



そうか、確かにアイの言うことは正論だが、これが正解ではないんだよなあ。

オレは現世にいた口ばっかりで全然仕事しない同僚の事を思い出した。

面倒くさいことにそいつの言い分が、なまじ正論なものだから誰も言い返せずそいつはみんなから嫌われていた。



「そうか、そうだよなあ。オレも話聞きたかったんだがなあ」



ダイゴロウさんも残念そうな顔をしている。




うーん。「最後の洞窟」攻略について根掘り葉掘り聞かれないのはいいけど、リサからは嫌われちゃったみたいだな。これは結構ショックだぞ。どうにか関係を修復したいな。



「あのー、どうやって倒したとか詳細な話はムリだけど、どんな敵が出てきたとかそんな話なら出来ますけど」



途端にリサの機嫌が直り、目を輝かせてこちらを向く。



「聞きたい聞きたい、教えてくれよ」



お、良かったー。オレはホッとしながらリサとダイゴロウさん、それに周りの冒険者達に「最後の洞窟」で遭遇した敵たちの話をする。



「一番上層の階では、凍った湖の中に巨大なワニがいてそいつが氷を突き破って攻撃してきたんですよ」


「ほほう、湖の中にボスがいるってのはオレ達も知ってはいたが、そんなボスが出てきたんだなあ」


「次の階層は、砂漠のステージで落とし穴を掘って中で待ち構えている嫌らしい敵でした」


その後に沢山のキラービーが出てきた話やその上位種のナイトやクイーンの話、それらを倒した後の最下層でまた同じボスが出てきた話などをする。リュウガの事は伏せてうまく誤魔化しておいた。



「最後のボスの9尾の銀狐とは、念話で会話をしました」


思いのほかいいやつだったので戦いたくなかった話やいざ戦いが始まると巨大なゴーレムを操ったり、数100本のヤリがいつまでも追いかけてきた話、強固な土の壁に阻まれ攻撃が効かなかった話などをする。




オレの話に、みんな興味深そうに頷いている。

そしてリサは、オレのすぐ隣で「ふんふん」と聞いている。すごく興味があるのだろう、どんどんその距離が近くなる。顔が本当に近い、息がかかりそうな距離だ。しかもオレの膝に手を置いてくる。女性に耐性がないオレは、ドキドキしてしまい口ごもって話せなくなってしまった。



するとダイゴロウさんが、「ああ、これ以上は話せないのか?」と聞く。

リサも残念そうだが納得する「そうか…もっと聞きたかったがしょうがないな」



「い、いや。そう言う訳では…」

「いいよいいよ。色々と聞けたからな。楽しかったぞ」

「うんうん。とっても興味深かった」





そのまま飲み会はお開きとなり、オレは疲れているだろうとの事でダイゴロウさんのお宅に泊まる事になった。帰り際にリサがやってきてオレの右手をとり両手で包み込む。


「色々話してくれてありがとうな、また北東エリアに来いよ」


オレの目をじっと見つめながら、真剣な表情でそう言う。



「モチロンです。あ、後で念話の友達申請送ってもいいですか?」

「いいぞ」



よし、リサちゃんのアドレスゲットしたぜ。オレも成長したものだ。

それと右手は今後、絶対洗わない事を誓った。






ギルドでお別れを言った後にダイゴロウさんの家まで向かう。





「おーい、お前たち帰ったぞー」


「ワンワン」

「ワンワン」


タロウとジロウがお出迎えしてくれる。たちまちコタロウとコジロウを見つけて寄ってくる。ケンカをしないか心配だったが、全くそんな事はなくお互い「クンクン」と匂いを嗅ぎ合っている。そのまま意気投合したのか、今度はお互いを舐め合いだした。



オレとダイゴロウさんは、居間にある囲炉裏の前で話をする。



「ダイゴロウさんは、クエストはいつもタロウとジロウの3人パーティで受けるんですか?」

「そうだなあ、よっぽど誰かに頼まれてついて行く以外はそうなるな。付き合いが長いから何も言わなくても伝わるし、何よりフォーメーションが出来上がっているから今更それを変更するのも面倒だからなあ」

「オレも、今まではコタロウと2人でしたがこれからはコジロウも入れて3人でやろうと思っています」

「そうか、それがいいと思うぞ」



ダイゴロウさんは、色々と3人パーティについての心得をオレに教授してくれる。本当に良い人だ。オレはそれを聞きながらいつの間にかウトウトしだした。



「疲れているんだろ?そろそろ寝るか?」

「はい、おやすみなさい」









翌朝


朝食をご馳走になった後、ダイゴロウさんとタロウ、ジロウに見送られオレ達は出発する。




「本当にお世話になりました」

「いいって事よ。それよりもまた北東エリアに来いよ」


「はい、是非。みなさんお元気で」

「おう」



「ワンワン」

「ワンワン」

「にゃあ」

「にゃあ」



タロウ、ジロウとコタロウ、コジロウも仲良くなったので別れを惜しむ。オレは絶対また来ることを誓った。









『なあ、アイ』

『なんでしょう?』



コタロウの背に乗ってEDOに帰る途中、オレはアイに質問をする。



『緊急メンテナンスって何したの?』

『はい、まずはシステムのバックアップを行いました。その後、演算領域を拡張しています』



『え?なんで?』



『今回は、データ量が多すぎてシステムに大きな負荷がかかりオーバーフローしてしまいました。それで容量を増やすとともにシステムの最適化を行うことにより今後同様な事象が起こった場合でも対応可能にしています』




え?ちょっと待てよ。オレがコジロウのステータスを鑑定しようとしたらシステムがオーバーフローしたって事だよな。と言うことはコジロウのステータスってどんだけ凄いんだ?




「コジロウ、お前のステータスもう一回鑑定するぞ」

『ご主人様、いいニャア』


オレはコジロウのステータスを鑑定したみた。







「鑑定結果」


コジロウ

種別:白銀虎(プラチナタイガー) 智の賜物保持者(ギフトホルダー)

HP: 6892

MP:34971

使用可能な魔法:物理魔法 精霊魔法 時空魔法




とんでもない結果が出た


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