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第4話 初めてのレベルアップ

ナルホド。つまりこの世界では、動物を仕留めたらそのあとのなんやかんやは省略されていきなり精肉された肉に化けると。しかもご丁寧に抗菌作用の高い笹の葉に包まれて。これって凄い便利だよねー。あー良かった良かった。


「うん?待てよ」


じゃあ、オレ達が死んでも同じなのか?

仮にコタロウが何かに襲われて不幸にもその人生を終えてしまった場合、肉に化けるのか?そりゃーあまりにも切なくねーか?


などと考えてしまう。


「まあ、そんな怖いことは考えないようにしよう」


何はともあれ、食糧が手に入ったんだ。さっそく食べてみよう。


バナナナは至る所に生えてるし、森ネズミもよく見るとアチコチにいる。とりあえず飢えて死ぬってパターンは回避できそうだ。


たき火に使えそうな薪を集めてくる。それを放射線状に並べて火をつける。


「ファイアーボール」


ボッと火がつく。


先ほど、魔法が使えないってアセったけど、実は魔力が切れただけのようだった。メチャメチャ腹がへったのが、その合図のようだ。バナナを食べて少ししたら魔力も戻った。そして、水魔法も風魔法も試してみたら使えた。


ということで料理に取り掛かる。


材料は森ネズミの肉だけ。


とは言ってもオレもグルメな元日本人だ。食には拘らないとねー。

「今日は森ネズミの香草焼きを作りまーす。」


材料はこちら


森ネズミの肉:500g

岩塩:30g

ハーブ各種



実は岩塩もハーブもそこらを探してみたら簡単に見つかった。ほんと食に恵まれたなあ…

鑑定済みなので品質も安心保証だ。

飲み水については、バナナナの葉っぱに夜露が貯まっているのでそれを直接飲んでいる。


ということでまずは森ネズミの肉に岩塩を砕いてすり込んだ後、直火で炙る。肉質は割と鶏肉っぽい。皮がパリっとしてきたら今度は各種ハーブと一緒にバナナナの葉っぱに包んでたき火に放り込む。


15分ほどしてそれを取り出すと


「ほわあ・・・」


湯気が立ち上り香草の香りが鼻腔を刺激する。


「もうたまらん」


思わず口にほうばると。


あふれてくる肉汁とともに、岩塩の塩気があわさって丁度いい塩梅だ。


鶏肉はややもするとパサパサになるので、バナナナの葉で包んで蒸し焼きにしたのは大正解だった。横でコタロウもハグハグと夢中でがっついている。


2人で夢中になって食べ進めていくうちにあっという間に完食。

こりゃー全然たりんわ。


「コタロウ。もうひと狩りいくか?」

「ニャー」


よーし。狙いは森ネズミだ。というかそれ以外の動物にはまだ遭遇していないんだけどね。

ということで、コタロウはその鋭いツメとキバでオレは魔法で狩りをする。


すると早速「お、前方に獲物発見。」


オレは目標に向かって


「ファイアーボール」と唱える。


すると前方に向かってまっすぐ火の玉が飛んでいき、哀れな森ねずみは炎に包まれる。

本来ならソコに黒焦げになった死体が残るのみなのだろうが、笹の葉に包まれたお肉が出現する。


「よっしゃー。幸先いいぞー」


と、すぐに次の獲物を発見した。今度は水魔法を使ってみるか


「ウォーターボール」


と唱えると森ネズミの周囲に球状の水の球が発生する。森ネズミは、突然水の中に放り込まれ息が出来なくてもがく。すぐに息が続かなくなり昇天してしまいプカーっと浮いてくる。その瞬間また、肉が出現する。


「よしよし、ドンドン行くぞ」


次の獲物もまたまた見つかったので今度は風魔法を唱える。


「ウィンドカッター」


目に見えない真空の刃が森ネズミの首と胴体を真っ二つにする。なんか少しかわいそうになってきたが、コレが弱肉強食の世界なんだな。


と、森ネズミが昇天した瞬間だった。


突然、頭の中でけたたましいファンファーレが鳴り響く。

そう、日本人なら誰でも一度は聞いたことがあるアノ音楽。国民的ロールプレイングゲームの中で勇者がレベルアップした時に鳴るアレだ。


「おーーーーー。まじかー」


なんだか力が漲っている気がする。


こりゃー大分、戦闘能力がアップしたんじゃーないのかあ?


「よーし」


と自分のステータスを確認してみる


「鑑定結果」

シュウ

勇者Lv2

種別:人族

HP18(6up)

MP38(15up)

使用可能な魔法:初級火魔法、初級風魔法、初級水魔法


「うーん」


まあ、こんなものかな…


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