第47話 さらに先へ
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『にゃあ、ご主人サマ大丈夫かニャ?』
うずくまるオレの顔をコタロウが心配そうに覗きこむ。
「うん。大丈夫大丈夫。心配かけてごめんな」
本当は全然大丈夫じゃなかったが、コタロウを心配させる訳にもいかずオレはムリして笑顔を作る。
うすバカ下郎の幻惑にまんまと引っかかったオレの弱さが悪いんだ。もっと強くならなきゃな。
ヨロヨロと起き上がり宝箱を回収する。
「!!!!!!」
中身を確認すると、「ヒヒイロカネ」1つと「アダマンタイト」3つに「ミスリル鋼」7つだった。オレの心を深く抉った代償としては十分な報酬だ。
「よし、コタロウ次いくぞー」
「にゃあ」
オレは気を取り直して先に進む。元の世界に戻りたいってのはオレの願望だったのだろうか?だが、今はその気持ちは心の奥に仕舞い込んでおこう。
(ブウン)
次の転移先には、予想通り大きなハチの巣が待ち構えていた。3階層のハチの巣もかなり大きかったが、コレはもっとずっと大きい。全長30メートルくらいある。ちょっとしたビルの大きさだ。
傍らには、数えきれないくらいのキラービー達がブンブン唸りをあげて今にもオレ達に攻撃を仕掛けてきそうだ。
ところが、絶好調のコタロウは全く怯むことなくお構いなしにハチ達の前に進んでいく。
「ブンッ」
前足を大きく振りかぶるとそのまま一気に振り下ろす、すると竜巻が発生する。
以前に比べると若干小さい。だが内包するエネルギーは比べものにならない。
「ギュオオオオオオオオオオオオオン」
圧縮された闘気の渦が、キラービー達を次々と飲み込んでいく。よし、この技を暴風闘気と名付けよう。空一面を覆っていたハチ達は、あっという間に駆逐され後にはおびただしい数の宝箱が残った。
(あれ全部ハチミツかあ、もう一生ハチミツには困らないな)
「ブウウウウウウウン」
「ブンブン」
「ブブブッブーン」
「ブーンブーン」
続いてクイーンキラービーとその取り巻きのナイトキラービー達が現れる。
前回に比べるとナイトの数が断然多い。100匹位はいるだろう。動きもヒラの兵隊のキラービーとは段違いだ。クイーンを中心に球を描いた完璧に統率の取れた陣形を保っている。
「にゃ!!」
コタロウは、その陣形に暴風闘気を叩きこむ。ところがキラービー達は、事も無げにストームを避けていく。ただの1匹も攻撃を喰らわない。
そのまま、流れる様にコタロウの周りをぐるっと360度取り囲む。その無駄のない流麗な動きにオレは思わず「ほう」とため息を洩らした。
コタロウを取り囲んだナイト達であるが、一分の隙も見せない。常に陣形を保ったまま、目まぐるしく動き回り的を絞らせない。あんなに素早く動かれたんじゃ、闘気斬は躱されてしまうだろう。
かと言って範囲攻撃の暴風闘気も効かないし。コタロウはどう攻略するんだろう…
キラービー達に囲まれていたコタロウであるが、真ん中にチョコンとお座りをしている。忙しなく動き回るハチ達を興味なさげにぼんやりと眺めているように見える。
次の瞬間、コタロウの姿が一瞬にして消える。と同時に
「ドサリ」
キラービーの中でも一際大きな個体が地面に落下した。
「?!」
なんとコタロウは、ナイトから厳重にガードされていたクイーンキラービーをいとも簡単に葬り去ってしまったのだ。
「ボン」
クイーンが絶命し宝箱が出現する。
「ブウンブウン」
残されたナイト達は、司令塔を失ってしまい途端に陣形が乱れた。
「にゃにゃにゃにゃ!!」
間髪入れずコタロウが10数発の暴風闘気を放つ。
「ギュオオオオオオオオオオオオンン」
するとあれだけ、見事に攻撃を避けていたナイト達は為す術もなくストームに吸い込まれていく。
「ボン」「ボン」「ボン」「ボン」「ボン」
後には、沢山の宝箱が出現した。こうして司令塔を失った後のナイト達は反撃も出来ず、拍子抜けするくらい呆気ない最後を迎えた。
それにしても、コタロウには天性の戦闘センスが備わっているようだ。あのキラービー達の攻略法を瞬時に思いつけるのだから。
まあ、あのクイーンを瞬殺できるコタロウの戦闘力あっての方法だろうが。
「コタロウ、お疲れさーん」
「にゃあ」
コタロウは、顔をなめなめ返事をする。返り血を浴びた訳でもないのにキレイ好きなヤツだなあ。
(ブウン)
キラービー達の宝箱を全て回収した後に、次のステージへと転移する。
『全く疲れてないニャ』と言うコタロウには一応、ヒールウォーターをかけてやった。
転移先は、4階層と同じく洞窟の中だった。だだっ広い敷地には、至る所から薄明りを灯すコケが生えている。
『よお、また会ったな』
「ん?」
声を掛けてきた相手の方に視線をやる
「おま、生きて?」




