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第204話 決勝戦 7

「つうか『狂戦士のジョー』ってなんだ?あいつ、自分に二つ名とかつけてるのか?なんか痛々しいヤツだな」

『いや狂戦士バーサーカーって賜物ギフトやね。あいつは、賜物の保持者ギフトホルダーってことなんよ』

『え?聖獣以外にもギフトホルダーっているの?コタロウとかコジロウとか他の国の聖獣とかも持ってたみたいだけど』


(あ、他にもリュウガが持ってたな)


『まあ、人族の中では今のところアイツだけが持っているみたいやね。元々最もこの世界の『真の勇者』に近いのはあいつやし』

『あ、初めて出た単語だな。『真の勇者』って』

『まあ、分かるやろうけど聖獣を率いて魔王を倒しに行く人のことばい』

『あ、やっぱり』



まあ爽やかなイケメンだし、なんか態度も紳士っぽかったしな。物語の主人公って感じはするが



「へっへっへ、さあてどいつから血祭にあげてやっかな。ネコか?そっちの小僧か?それとも両方か?」



ジョーは禍々しいオーラをまき散らしながら目を血走らせ物騒な事を叫びながらこっちを睨んでいる。



「・・・」



(あいつ、魔王と相対してもあんな感じなのかなあ?)



『なんかねえ、穏やかな性格の持ち主だったんだけどある日、激しい怒りによって目覚めてしまったらしいんよ。鎧が赤くなったのは怒りを表現してるんやって』

『なるほど、どっかで聞いたような話だな。それにしても、ショックウェーブはいつの間にか消え失せてしまったなあ』

『そうやね。まあ、どっちにしろ今のシュウじゃあ勝てんけんね』

『それは分かってるって。ちなみにコタロウ単体だと勝てそう?』

『うーん、難しかねえ。2人で協力せんと難しかやろうね』



そんなに強いのか?シュウは遠くで睨んでいるジョーの方へと目をやる。



「てめえ、じろじろ見やがって何がそんなにおかしいんだよ?やってやんぞ」

『シュウ、くるよ』

『え?ちょ、』



ジョーが超スピードでこっちへとすっ飛んでくる。慌ててありったけの魔力を注ぎ込み風魔法でバリアを張る。



『いかーん、あいつの刀は空間断裂のスキル持ちやん』

『え?つまり?』

『バリアは効かな』


アイの言葉を聞くよりも早くジョーはこちらへと急接近してくる。そして抜刀したかと思うと、自分とジョーとの間の空間がぐにゃあ、と曲がったような感覚に陥る。



「こ、これが次元断裂の」



や、やばい。超圧縮したバリアをいとも簡単に破りやがって、ダメだ、すぐに逃げないと。「多段ジャンプ」で後方へとジャンプだ、だがそれだけでは逃げ切れない。迎撃しつつ逃げる方が確率が高いな。火魔法?ダメだ発動までに時間がかかる、水魔法?もっとダメだ。やはり紅蓮丸で物理的に攻撃を仕掛けるのが良いか?それにしても、こんなことを一瞬で考えられるのは死ぬ前の走馬灯のようなものか?まじか?オレ死ぬのか?








いや違う、これはスキルなのだ。いわゆる「思考加速」のようなものか?それともちょっと違う。アイのスーパーコンピューターよりも凄い情報処理能力を一瞬だけ「共有」することによって出来る芸当なのだ。もちろん、リスクは大きい。シュウの脳だと負担が大きすぎるのでほんの一瞬しか使えないのだ。




『ちょっと、何遊んどーとよ?ちゃんとしいよ。死んでもしらんけんね』

『ごめんよ、アイ』




シュウの考えている事は全て筒抜けなのだ。アイは現状を打破するために必死なのに、下らないことを考えているので怒られた。



(まあ、そんなくだらないことを考えられるくらい、アイの事を信用しているって事なんだけどなあ)



『?!』



そんな事を考えていると、頭の中にAR表示されている各種ウインドウディスプレイの枠が一瞬だけピンク色になった。え?アイさん?



『なんでんなかよっ』



デレている。かわいい





目のまえにジョーが迫りくる。手には次元刀とでも言えばいいのだろうか?「エックスカリバー」を握りしめている。アレが神の金属と言われる「オリハルコン製」の武器か。やはり神々しさというものを感じるな。まあ、持っている人は神々しさというか、狂気しか感じないが。



「観念しな、もうお前の生きる道はないぜ。神に祈るんだな」




血走った目をして顔を近づけてくるが大丈夫




ひゅんひゅんひゅんっ



四方八方からコタロウの「闘気斬」がジョー目掛けて襲い掛かる。もちろんアイが事前にコタロウへと指示していたのだ。



カンカンカンカン



コタロウの「闘気斬」をいとも簡単に防いだジョーが得意気にこちらを向く。が、大丈夫あくまでも時間稼ぎが目的なんだからな。



「よし、いくぞコタロウ」

「にゃ」



傍らにいるコタロウへと向かってこくんと頷き、コタロウもそれに応える。ようし、オレ達の戦いはここからだ。











ご愛読ありがとうございました。次回作に期待してください(嘘)

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