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第203話 決勝戦 6

「にゃあ♪」

「コタロウ・・・」



尻尾がピンと立っている。機嫌が良いのと同時に遊びたくてしょうがない時の仕草だ。コタロウのやつノリノリだな。



「やあ、次はキミが相手をしてくれるのかい?ヒノモト国の聖獣くんかあ。相手にとって不足はなさそうだ」

『そうだニャ♪』



言うなりジョーの方へと駆けてゆく。そのスピードは3段ジャンプを駆使したシュウよりも更に速い。あっという間にジョーの元へと到達した勢いそのままに右手で掌打を撃ち込むコタロウ。



「っぐ。なかなか重い攻撃だね、まともに受け止めるのには、今のボクではちょっと荷が重いな」



あ、ジョーのやつオレの時は片手で剣を構えていたのに両手に持ち替えていやがる。なんか手加減されてたのはちょっとムカつくけど、ようやく本気を出させたって事なのかな?



『にゃにゃにゃにゃ♪』



コタロウの圧縮された闘気が三日月型となってジョーへと乱れ飛ぶ、この闘気斬であるが風魔法のウインドカッターと同じようなものである。が、その威力は段違いだ。例えるならば風魔法がカッターナイフを飛ばしているとすれば、このコタロウの闘気斬は日本刀を飛ばしているようなものだ。まともに喰らえばスパッと真っ二つになるし、少しでも掠ればかなりの痛手を負う。



「うお、こりゃあ厳しい攻撃がきたな。ほい、おりゃ、おっと」



コタロウの闘気斬を避けていくのだが、その数と威力に今までの余裕がなくなっているように見える。



『うにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ♪』



更にコタロウの追撃が続く、コタロウの掌から生み出された無数の闘気斬が縦横無尽にジョーへと襲い掛かかる。コタロウのやつ、今までずっと「待て」状態だったから遊びたくてうずうずしてたらしい。攻撃にも遠慮というものがまるでない。



「うわ、これは、ちょ、ちょっと」



ガガガガガガガガギギギギギギ



更にコタロウの攻撃を捌くジョーに余裕がなくなっていく。



『相手の鎧、「物理攻撃耐性」が付与されとーみたいやけど、コタロウくんの攻撃力が上みたいやね』

『そうみたいだね、ジョーのやつ必死に避けてるし。もし鎧で防げるんだったらあんなに必死に避けないよね』



ジョーとてコタロウの闘気斬を全て避けられる訳ではない、何度かジョーの防御を掻い潜った闘気斬が鎧に掠ったのだがその際「物理攻撃耐性」の魔方陣が一瞬顕現する。それを瞬時にデータ解析した結果、コタロウの闘気斬の攻撃力に軍配が上がったという訳なのだ。




『にゃ、今度はボクの打撃を喰らうんだニャ』




バシュッ



音を置き去りにしてコタロウがジョーへと接近する、そして大きく振りかぶった右手をそのまま振り下ろした。



ズウウウウウンン・・・



「こ、これは。かなりヘヴィな攻撃、だ、な。」



コタロウの攻撃を頭上で受けたジョーの足元が衝撃によって少し地面へとめり込む。ステイツ国のドラゴンが創り出した結界内の世界なので周りは一面真っ白な世界なので便宜上地面と言ったが、土で出来たいわゆる地面ではない。



シュシュシュシュシュッ



そしてコタロウの重い攻撃への対応を余儀なくされたジョーへと、邪魔から解放された闘気斬が次々と襲い掛かる。



ガギギッ、ガギッ、ガギン、ザクッ、ザク、ザク



『うわー、がばい斬れとーやん、えぐかー、こんなんよう見れんばい、でもちょっとだけ見てみよ―か、うわっ、がば斬れとー、えすかー』


(アイさんノリノリだな・・・)




切傷だらけのジョーがよろよろと立ちあがる。コタロウの打撃をモロに喰らった後に、闘気斬をまともに喰らったため白磁のように綺麗だった鎧はどす黒い血に染まっている。



(まじか、やっぱりコタロウの攻撃はすごいな)



満身創痍状態のジョーは右足は折れてあらぬ方向を向いており、更に左腕は肘から下がスパッと斬れてなくなっている。はた目から見ると完全に勝負アリの様子だが、さすがこの世界の人族では最強クラスのやつだ。まだ目は死んでない。



「な、なかなかやるな。だが、次はこっちの」

「にゃ♪」

「ぶっ」


セリフを言い終わる前にコタロウが右手を振り下ろす、本人はじゃれているつもりなのだが人間のジョーに比べて聖獣バージョンのコタロウはデカすぎる。コタロウの追撃に耐えきれず後方数十メートルほどぶっ飛ばされた。



ズザザザザザザザ・・・





「・・・」




そして、そのまま数分が過ぎる。コタロウは、いつもの如く戦いに飽きたのかスフィンクス座りになって体中を舐めて綺麗にしている。




「あのー、これもう勝負着いたんじゃ・・・」

「ふははははは、『狂戦士のジョー』完全復活だぜ!へ、へへ・・・気をつけろよ。こうなってしまったら、前ほどやさしくはないぞ」




声のする方へと目を向ける。そこには、鬼の形相をしたジョーがいた。四肢は完全に元通りになっている上に純白だった鎧がなぜか燃えるように真っ赤になっている。そして、見た目からも分かるくらいヤバいオーラを体中から発していた。



「つうか、あの人のセリフ完全に悪役のヤツじゃねえかよ」








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