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第1話 異世界へ

気が付いたら鬱蒼と生い茂った森の中で仰向けに寝ていた。

オレは「なんだこりゃ?」と思わず口に出してみた。


(こりゃー例のアレなんだろ?こういう時はどうすればいいんだっけ?)

と思わずテンパってしまう。


「落ち着けオレ、異世界転生モノは何作も読んだだろ?」と自分に言い聞かせてまずは何をすればいいか考える。


そう、まずは状況判断だ。



「ここはどこなんだろう?」と周りをキョロキョロ見回してみる。辺りは木々が生い茂ってて少し薄暗い。かといって真っ暗でもなく今は恐らく昼間なんだろう。


周りには木々の他に草もそれなりに生えているが、オレがいる場所は少し開けててちょっとした広場になっていた。


その時、「ウニャー」と鳴き声と共にオレの足に纏わりついてきたものがいる。


コタロウだった。


「コタロウ!!お前も一緒に来たのかー」いきなり薄暗い森の中に一人飛ばされ不安だったところに最愛のネコがいた。はっきり言ってコレはメチャメチャうれしい。


オレはテンション上がりまくってコタロウを抱っこして頬ずりする。

コタロウはいつもの通りイヤな顔をしただけだったが…


「つまり俺たちは異世界に転移してきたって事なんだろうな。オレも現世の姿と同じみたいだし」

鏡はないが、27年も共に生きてきた体だ。自分のものだというのは感覚で分かる。


「かといって召喚されたのなら召喚士がいるんじゃーないのか?」

周りには誰もいないし、それも違うような気がする。



「まあ、それは後で考えるとして」


そう一番重要なのは、自分の能力である。異世界に渡ったときにチートスキルをゲットしているのか?それが一番大事なのだ。


まずはこの世界定番の「鑑定」を試してみよう。


近くにたくさん生えている杉っぽい木に向かって「鑑定」と心の中で唱えてみる。

すると、


「鑑定結果」

異世界の木

種別:杉ちゃん

備考:コレの花粉を沢山吸った場合、メチャメチャ鼻水と涙が出る


頭の中にこんな情報が流れてくる。すごい不思議な感覚だが、なかなか快適な使い心地である。「鑑定」が使えたことにホッとしつつも他のものもついでに試してみる。


今度はバナナっぽい木だ。「杉と一緒にバナナ生えてるとか生態系メチャクチャだな」とかいいながら鑑定してみると


「鑑定結果」

異世界の木

種別:バナナナ

備考:果実は食用化。少し黒くなったくらいが食べごろ


だそうだ。










それでは、お待ちかね自分のステータスをドキドキしながら鑑定してみる。


「鑑定結果」

シュウ

勇者Lv1

種別:人族

HP12

MP23

使用可能な魔法:初級火魔法、初級風魔法、初級水魔法


と出た。


色々と言いたいことはあるが、まずはコレだ。


「勇者?オレが勇者かよ。ってことは魔王とかと戦うってことなのか?」


だが、「それにしてもHPとMP低っ!!!使える魔法も初級だけだし」

こりゃーチートスキルはないっぽい。


がっくりしつつもまだ期待してるものがある。

そう、コタロウだ。


こいつがひょっとして物凄いチートスキルを持っているかもしれない。


オレは物凄い期待を込めてコタロウを鑑定してみた。


「鑑定結果」

コタロウ

種別:飼い猫

HP6

MP0


「・・・・・・・・・」orz


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