表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

199/310

第195話 ステイツ国の場合 33

「な、なんだ?輪廻転生?!」


そこにはヒトの一生とそれを終えた魂が還元されてまた、別の人格へと移り行く様が何万人、いや何十万人、それよりも多くの人の人生の模様が見えている。様々な人が生まれ、成長し、結婚し、子供を産み、育て、年老いて、そして天寿を全うしていく。



「あ、トムだ。それとジェシーも」



その中に懐かしい幼馴染の2人を見つける、顔は前世と似ているような似てないような。だが、ジョーにはその2人がトムとジェシーだということがすぐに分かった。2人は結婚していた。この世界のトムは漁師をしている。海へと魚を採りに行くトム、それを見送る専業主婦のメリー。2人には子供もいた。それも3人も。家族は決して裕福ではないが、とても幸せそうだ。



「あ、そうだ。メアリーは?メアリーはどこだ?」



ジョーはメアリーを探す。自分の人生で最愛の人だ。メアリーは一体どうなったのだ?



「め、メアリー?どこだ?メアリーは?あ、あれ?メアリー?」



うん?あれはメアリーか?いや、メアリーに違いない。オレがメアリーを間違えるハズがない。ジョーがメアリーと思ったのはまだ小さな子供だった。いや子供ですらない、赤子だ。それもまだ生まれたての赤子だ。誰かに抱きかかえられている。メアリーは、その誰かの腕の中で元気に、とても元気に泣き叫んでいる。それにしても誰だ?このメアリーを抱きかかえている腕の持ち主は?女の人ではないぞ、やけにごつい腕だな?でも、見覚えがあるこの腕は?



「あら、あなた?ダメじゃないのそんなに強く抱きしめたら。メアリーが痛がって泣いてるじゃない」



うん?この声は?この聞き覚えのある声は?まさか?いや、そんなバカな



パタパタと走り寄ってくる足音が聞こえ、この腕の持ち主から赤子を取り上げる女の人が現れる。その姿を見てジョーは驚く。そんな、なぜ?



「おい、一体どうなって・・・」



その時、ジョーが見えていた映像がすうっと消え去り現実の世界に引き戻される。急な場面展開に戸惑うよりも先に疑問が残る。先ほどの映像はなんだったのだ?未来の出来事か?いや、そんなハズはない、だとしたらなんなんだ?このドラゴンに聞かねばならない。



「おい、聞きたい事があ・」

「ジョー。無事だったのね。良かった」

「え、な・なんでだ?」



ホワイトドラゴンを問い詰めようと口を開いた時、ジョーの許に駆け寄ってきたのは死んだはずのメリーだった。確かにホワイトゴラゴンの灼熱の炎に焼かれたと思ったのだが、その体にはやけどの跡一つなく綺麗なものだ。メリーはジョーに駆け寄ってくるとそのままの勢いで抱き着いた。その温もり、間違いなく生きているメリーだ。だが、なぜ?余りのことに思考が追いつかない。先ほどからずっと驚かせられっぱなしだったのだが、今度のことが一番の予想外の出来事だ。一体なぜ?



「おいおい、見せつけてくれるのは後にしてくれないか。オレ達もジョーとの再会を喜びたいんだからよ」

「そうだぜ、こんな真昼間から不謹慎だぞ。せめてもうちょっと暗くなってからよろしくやってくれ」

「え?ゴメス、それにハンスまで!?」



すると更に信じられないことが起こる。メリーに抱き着かれたまま、振り向くとそこにはゴメスとハンスまでいるではないか?



「おい、これは一体どういうことだ」



驚く出来事がたて続けに起こり、整理が追いつかなくなったジョーはホワイトドラゴンへ事態の説明を求める。そんなドラゴンは興味の無さそうな目でジョーを見つめ一言だけ言い放った。



『貴様ら人間の生き死になど我にはどうでもよいと言ったはずだが』

「おまえ・・・」










その後、王都へ無事に帰った4人であったが「灼熱のシャア」のメンバーも全員無事に生還していた。


ちょっとキザなイケメンパーティリーダーとみんなに愛されるドジっ子ギルド職員が結婚するのはそこから少し後の話である。







そして、少しだけ月日は流れる






「リンゴーン、リンゴーン」



小さな村の小さな小さな教会の鐘が鳴る。ここはモリオービレッジの教会だ。




「汝は健やかなるときも、病める時も、お互いを愛し、一生を添い遂げることを誓いますか?」

「「はい、誓います」」



今日はジョーとメリーの結婚式だ。メリーは冒険者を辞め、ジョーと一緒にこのモリオービレッジへとついてきたのだった。






更に時は流れる





「あなた、私の一生はあなたに出会えてとても幸せだったわ。もっと長く一緒にいたかったけれど、ごめんなさい。先に逝かせてもらうわね」

「メリー、オレも幸せだったぞ。大丈夫だ、いつの日かまたきっとどこかで会えるから」


天寿を全うしたメリーは、ジョーの言葉を聞くと満足そうな顔でその生涯の幕を閉じた。









更に時は流れ、長い長い修行を経た後、ジョーは自分の能力である「狂戦士バーサーカー」を覚醒させた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ