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第168話 ステイツ国の場合 6

「おい、ジェシーちゃんとオレの後ろに隠れているんだぞ。何かあったらオレがお前を守る」

「わあ頼もしい、お願いねトム」



(あれ?あいつらあんな感じだったっけ?確かに幼馴染だから仲は良かったけど。トムも一人称「ボク」って言ってたのが「オレ」になってるし)



前を歩くトムとジェシーの2人に少し違和感を覚えたジョーは同意を求めるように隣のメアリーへと視線を送る。



「ふふふっ、あの2人。将来を誓い合っているんですってね。とっても素敵だと思わない?」

「え?なんだって?ということは」

「そう、あの2人付き合っているのよ」

「ええええ?!」



一瞬、なんの事を言っているか理解できなかった。もちろん言葉の意味は分かる。が、まさかあの2人がそんな仲になっているとは想像も出来なかった。ジョーは自分はメアリーに惚れているくせに周りの恋愛事情に本当に無頓着だったのだ。



「そうか、あの2人がなあ・・・」

「ね、応援しなきゃね」


そう言って笑いかけてくるメアリーの顔を見ながら、自分に最大のチャンスが巡ってきていることも気付かず、ただ黙って頷くだけしかできないのだった。




ここはジョーたちが住んでいる村から、山2つ越えたところだ。いつも狩っているワイルドウルフたちの棲み処からするとかなり山奥になる。だが件のキンググリズリーを追跡してこんな奥まで何のあてもなく来たわけではない。ジョーのスキルである「気配察知」によって追跡をしているのだ。文字通り、敵の気配を察知できる能力である。



「近いな、みんな準備はいいか?」

「おう」

「おっけーよ」

「うん」


ジョーの呼びかけに3人が応じる。フォーメーションはさんざん練習してきている抜かりはない。

3人の様子を見たジョーは、慎重に歩を進める。が、徐々にそのスピードは遅くなりやがて完全に止まった。



(こっちだ)



他の3人に手招きをするジョー。3人は彼の指示通り何かあったらすぐに動ける準備を整える。それを見届けたジョーは茂みの中へと入っていく。




「ファイアーボーールウ!」




ジョーの発したファイアーボールの掛け声が合図だ。トム、ジェシー、メアリーの順に茂みへと飛び込む。そしてその茂みを抜けた先には




「ゴゴゴゴゴゴがあああ」



キンググリズリーと対峙しているジョーの姿があった。





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