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第165話 ステイツ国の場合 3

「ジョーよ、ここへ手をかざすのじゃ」


言われるままに、差し出された機械へと手をかざす。



シャリーン♪



「ほれ、お主の冒険者カードじゃ」



渡されたカードには、



ジョー


職業:勇者


ランク:ブロンズ


ギルドpt:0


とだけ記されている。だが、それだけでテンションが上がる。



「うわあ、とうとう冒険者になったんだ」


傍らにいるメアリーと目が合う。そしてその隣のトムとジェシーと。



「ようし、じゃあ早速冒険へ出発だあ」

「「「おう」」」







「って、結局またワイルドウルフの討伐か。今までとかわんねーじゃねえかよ」

「そういうなよ。これも、冒険者としての立派な仕事なんだからさ」

「そうそう。千里の道も一歩からって言うじゃない?」



気持ちがはやるジョーをトムとジェシーがたしなめる。



「ふふふ、ジョーは早く一流の冒険者になりたいのよね?」



メアリーが微笑む。ジョーが子供の頃からずっと言い聞かせてきたのだ。その気持ちはメアリーが誰よりも理解している。



「おう、オレはオヤジのような一流の冒険者になってやるぜ」




ジョーたちがいるモリオービレッジは王都から遠く離れた寒村だ。王都やその近隣の都にあるような冒険者ギルドはない。いや、正確に言うと簡易的なギルドはある。村長がギルドマスターを兼任しているのだ。ギルドマスターとは言っても冒険者の登録だけの仕事だが。そして冒険者カードは、端末とカードさえあれば簡単に出来る。



「そうは言ってもなかなか良いクエストがないんだよなあ」



とぼやくジョー、まあ人口数百人のド田舎の村にそんな大きなクエストの依頼は来ない。というか依頼をするのもほとんどがその住民なのだから。



そんな状況下で、ジョーの父親であるジョータロウはこの村始まって以来初めてにして唯一のゴールドランカーにまで昇りつめたいわば伝説の人物なのだ。




この村でその事を知らない人間はいない。村の英雄である息子、ジョーは一刻も早くゴールドランクへとならなければならない。それが、子供の頃からの夢だったのだ。












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